スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。

3話 二章 初依頼と異形の魔物と祖父の友達と【ヒルフェ】

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　その見た目は、なんとも禍々しく変貌を遂げていた。かつて戦った魔物、－ーボルドーボアや蛇(サーペンス)、に酷似する部分があった。
　目の前の出来事に俺達は揃って驚愕し、両目を見開いたまま固まってしまう。
　ガァァ！！
　その隙に、鼠(ワイルズ)は目にも止まらぬ速さで走りだし、背後に回り込んで襲いかかってきた。
　俺達は全く反応できず、さらに通路の奥の方へと弾き飛ばされる。お互いに辛うじて体勢を崩さずに踏み留まれたが、視線を前に戻せば、大きな足音鼠(ワイルズ)が迫ってくるのが見えた。
　「逃げろ！」
　と俺が叫ぶ。
　続けざまに、二人で同時に踵を返して全速力で逃げていく。
　この先は坂の頂点だった。さらには奥へと続く道や横穴が、彼方此方へと入り乱れている様に伸びている。下手に動けば迷ってしまいそうである。
　しかし、そんな様子を尻目に、隣にいた少年の方は、止まる様子もなく前へと突き進んでいく。まるで道を知っているかのようだ。
　俺も状況に流されるまま、やや遅れて後をついていく。