スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。

３話 一章 Gランク冒険者【ヒルフェ】

１５

　俺達は、振り返る。
　彼も視線が合うと、此方に話しかけてきた。
　「ヒルフェ様達、…やはり皆さんでチームを組んだんですね。」
　「いや。…俺達は別に。」
　と俺は間髪入れずに、訂正する。
　「ひーにぃと、チーム。…えへへ。」
　対してヒナは、満更でもない表情で、はにかんでいる。
　その結果、何も言えない状況となった。
　俺達は、なし崩しにチームを組むのが決定してしまった。
　そんな様子を、スタンリーは微笑ましく眺めながら、話を続けていく。
　「それなら早速、皆さんで依頼を受けますか？」
　「は？…依頼？」
　「ダフネさんから申し使ったんです。…ヒルフェ様達がチームを組んでいる様なら、優先的に受付カウンターまで連れてくる様にと。」
　「受けていいのか？」
　すぐさま俺は聞き返した。
　するとスタンリーは、カウンターを指差して、　
　「今は人も少なくなっていますので、ご案内します。」
　と促して、先導する様に歩きだした。
　俺達も顔を見合せたら、すぐに後を付いて歩きだし、真っ直ぐカウンターに向かって移動する。