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3話 序章 事件と会議

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 「女と子供は自分の家の中にいろ、…絶対に出るな!…後は俺達が、…男の戦士が相手する。…」
 「ち、父上!」
 「お前も離れてろ。…おい、何だ、お前達は?」
 リーダーの問いかけに、ペルソナマスクの怪しい老人は、一言も答えない。無視をしているようだった。
 その直後、怪しい一団の隙間を縫うように奥からは、さらに三人の男達がやってくる。それぞれが個性的な見た目をしていた。
 最初に現れたのは、厳つい顔をしており、全身に大量の古傷が目立つ筋骨粒々で短い黒髪の大男。
 次には、顔に毳毳しい化粧を施し、派手な衣装を着て女性のような仕草が目立つ、癖っ毛で細身の男。
 最後には、白髭の生えた初老の男が杖を付きながら歩いている。
 そのうち初老の男は、ペルソナマスクの怪しい老人の側に辿り着くと、ゆっくりと話をしだした。
 「ほら、兄貴。…こいつらさ。」
 「こいつらが、俺が探している亜人か?…武術で有名な?」
 「ああ、そうさ。…金貸しやってる私の情報網は間違いなかっただろう。…」
 「そうだな、キール。…では実験をしよう。」
 と話を打ちきると、ペルソナマスクの怪しい老人は、狼(ベトー)の鎖を解いていた。
 さらに続けて一団の人達も、箱の様な魔道具を準備しだし、狼(ベトー)の側に放り投げた。  
 それが地面に落ちると衝撃で蓋が開くと、中から紫色の煙が、止めどなく溢れ出てきており、甘い匂いが辺りに漂いだす
 すると、その時に不思議な事が起きた。
 煙を吸い込んだらしく、二匹の狼(ベトー)はもがき苦しみだして、地面にのたうち廻っている。だが、みるみる身体は巨大化していき、しなやかな体毛が鋭く尖って刺々しくなる。
 まるで全身が刺の鎧に覆われた様になり、禍々しく恐ろしい見た目に変貌してしまったのだった。
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