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2話 エピローグ ようこそ始まりの街【ビーギニング】へ
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「リエちゃん。…落ち着いて、…どう、どう。」
その様子をヒナが見かねて、キリエを宥めるように声をかけていた。彼女なりに手助けしてくれているようだ。
ほぼ時を同じくして、ようやくリキッドとダフネも側までやってきたようだった。
するとダフネが、間に割って入り、同じくキリエに声をかける。。
「キリエ、…立ちなさい。」
「…え、で、でも、お、…ダフネ様!!」
「呼び方も普段通りでいいから、早くしなさい。」
「は、はい!!…叔母様!」
とキリエも返事をしながら、やっと立ち上がった。
その隣にダフネも一緒に並び立つと、共に揃って、頭を深々と下げて謝罪の言葉を口にしてきた。
「ヒルフェ様、私からもお願いします。この娘も自分なりに言動を反省しており、自ら罰を受ける事を申し出てきて、昨日の朝まで自室で謹慎してました。…どうか、御容赦いただけないでしょうか?…」
「も、申し訳ございませんでした。」
「あ、あのね、…ひぃーにぃ。…そうなの、リエちゃんもね、…ちゃんとごめんなさいしたからさ、ね。…だから、…」
さらには、ヒナまでも加勢している。
俺は頭を掻きつつ、囁く様に呟いた。もはや答えなど一つしかない。
「いや、まぁ。…俺も態度が悪かったから、…キリエだけが悪い訳じゃないしな。…だから二人共、そこまで謝らなくていいよ。…寧ろ、こっちもごめん。」
「寛大な御心遣いに感謝します。」
とダフネは小さく呟くと、顔をあげてきた。
それにキリエも続いて、ゆっくりと顔をあげてくる。だが、彼女の顔が頬を赤らめているようだった。やや恥ずかそうに身を縮込ませて、ふくよかな胸の前で組んだ両指を遊ばせる仕草をしていた。
その姿を俺は見て、少し胸がドキリとしたのを感じ、呆気に取られて黙りこくった。
その様子をヒナが見かねて、キリエを宥めるように声をかけていた。彼女なりに手助けしてくれているようだ。
ほぼ時を同じくして、ようやくリキッドとダフネも側までやってきたようだった。
するとダフネが、間に割って入り、同じくキリエに声をかける。。
「キリエ、…立ちなさい。」
「…え、で、でも、お、…ダフネ様!!」
「呼び方も普段通りでいいから、早くしなさい。」
「は、はい!!…叔母様!」
とキリエも返事をしながら、やっと立ち上がった。
その隣にダフネも一緒に並び立つと、共に揃って、頭を深々と下げて謝罪の言葉を口にしてきた。
「ヒルフェ様、私からもお願いします。この娘も自分なりに言動を反省しており、自ら罰を受ける事を申し出てきて、昨日の朝まで自室で謹慎してました。…どうか、御容赦いただけないでしょうか?…」
「も、申し訳ございませんでした。」
「あ、あのね、…ひぃーにぃ。…そうなの、リエちゃんもね、…ちゃんとごめんなさいしたからさ、ね。…だから、…」
さらには、ヒナまでも加勢している。
俺は頭を掻きつつ、囁く様に呟いた。もはや答えなど一つしかない。
「いや、まぁ。…俺も態度が悪かったから、…キリエだけが悪い訳じゃないしな。…だから二人共、そこまで謝らなくていいよ。…寧ろ、こっちもごめん。」
「寛大な御心遣いに感謝します。」
とダフネは小さく呟くと、顔をあげてきた。
それにキリエも続いて、ゆっくりと顔をあげてくる。だが、彼女の顔が頬を赤らめているようだった。やや恥ずかそうに身を縮込ませて、ふくよかな胸の前で組んだ両指を遊ばせる仕草をしていた。
その姿を俺は見て、少し胸がドキリとしたのを感じ、呆気に取られて黙りこくった。
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