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2話 エピローグ ようこそ始まりの街【ビーギニング】へ

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 そのまま裏口の門を潜り抜けると、ギルド及び屋敷の庭園となる。試験の前にリキッドと訪れた場所だ。
 俺は敷地内へと足を踏み入れたら、目の前の光景に驚いてしまい、辺りを見渡した。
 そこでは多くの使用人達がおり、芝の上を行き交いながら、齷齪と動き回っている。
 それぞれが作業に没頭して、真っ白なガーデンテーブルを並べたり、天板を拭いてからクロスを掛けて沢山の料理を運んでいたりと、準備を進めているようだった。
 「あ、ひーにぃ!」
 すると人だかりの中から、誰かが呼ぶ声が聞こえてきた。
 すぐに俺は反応して、顔を振り向かせる。すっかり馴染んでしまった呼び名に、相手は誰だか、すぐにわかった。
 その方向には、ヒナがいた。此方に手を振りながら、走って駆けつけてくる。
 「お、お待ちください!」
 さらに、その後ろからはキリエも、追いかけながら、静止を呼び掛ける。
 しかし、それでもヒナは止まる事なく、勢いよく突き進んできたら、此方の身体に抱きついてきた。
 「ひーにぃ、お帰り!」
 「あ、…あぁ、ただいま。」
 と、俺も戸惑いつつも、なんとか受け止めながら返事をする。「ただいま」と答えたのは、もう遥か昔の事で覚えておらず、嬉しい様な複雑めいた感情が渦巻き、やや口角がつり上がったり、緊張で身体が強ばるのを感じる。
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