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2話 エピローグ ようこそ始まりの街【ビーギニング】へ
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俺も急いで、馬車の近くまで駆け寄る。
するとアルフォンスも気配に気がつき、振り向いてきて、すぐに声をかけてくる。
「ヒルフェ様!」
「アルフォンス。…わざわざ馬車で迎えに来たのか?…ギルドはすぐ近くだろう。」
と、俺も言葉を投げ掛けた。
「えぇ。…そうなんですが。…」
「だったら、何で?」
「…どうしても終わった後に、迎えにいくと譲らなくて。…」
対してアルフォンスは、やや眉をさげた表情をしており、答えるの渋っている。
その様子に俺は首を傾げてしまう。訳が分からないのだった。
すると次の瞬間、馬車のワゴンの扉が勢いよく開くと、
「ヒルフェくうぅん!」
とリキッドが姿を現し、此方に向かって駆けてきながら、両手を広げて抱きつこうとしてきたのだ。
「落ち着きなさい。」
しかし、同じくワゴンの中からダフネが現れて、素早く手を伸ばして制止をしていた。
「ぐへぇ!?」
その結果、リキッドは首根っこを捕まれた状態となり、ひしゃげた声を漏らして、仰け反りながら動けなくなっていた。
普段通りの、光景である。
「はぁ。…」と俺は溜め息を吐きながら呆れつつ、殴ろうとした右手の拳をズボンのポケットにしまいながら、ゆっくりと喋りだす。
「あぁ。……アルフォンス、ダフネ。…ご苦労さん。」
「…いいえ。…ヒルフェ様も、退院おめでとうございます。」
と、ダフネが代表して答えながら、軽く会釈していた。さらに、すぐに身体を横にずらしながら、ワゴンの扉までの通り道を開けてくれた。
ついでにリキッドは、「ねぇ、私は?!?…ヒルフェ君、私は?」と、聞いてくる声がする。
とりあえず俺は聞こえない振りをしながら、遠慮なく歩みを進めて、ワゴンの中へと入っていくのだった。
するとアルフォンスも気配に気がつき、振り向いてきて、すぐに声をかけてくる。
「ヒルフェ様!」
「アルフォンス。…わざわざ馬車で迎えに来たのか?…ギルドはすぐ近くだろう。」
と、俺も言葉を投げ掛けた。
「えぇ。…そうなんですが。…」
「だったら、何で?」
「…どうしても終わった後に、迎えにいくと譲らなくて。…」
対してアルフォンスは、やや眉をさげた表情をしており、答えるの渋っている。
その様子に俺は首を傾げてしまう。訳が分からないのだった。
すると次の瞬間、馬車のワゴンの扉が勢いよく開くと、
「ヒルフェくうぅん!」
とリキッドが姿を現し、此方に向かって駆けてきながら、両手を広げて抱きつこうとしてきたのだ。
「落ち着きなさい。」
しかし、同じくワゴンの中からダフネが現れて、素早く手を伸ばして制止をしていた。
「ぐへぇ!?」
その結果、リキッドは首根っこを捕まれた状態となり、ひしゃげた声を漏らして、仰け反りながら動けなくなっていた。
普段通りの、光景である。
「はぁ。…」と俺は溜め息を吐きながら呆れつつ、殴ろうとした右手の拳をズボンのポケットにしまいながら、ゆっくりと喋りだす。
「あぁ。……アルフォンス、ダフネ。…ご苦労さん。」
「…いいえ。…ヒルフェ様も、退院おめでとうございます。」
と、ダフネが代表して答えながら、軽く会釈していた。さらに、すぐに身体を横にずらしながら、ワゴンの扉までの通り道を開けてくれた。
ついでにリキッドは、「ねぇ、私は?!?…ヒルフェ君、私は?」と、聞いてくる声がする。
とりあえず俺は聞こえない振りをしながら、遠慮なく歩みを進めて、ワゴンの中へと入っていくのだった。
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