スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。

間章 ある男の末路とその他の行く末(２話)

１８

　「…！？…宜しいのですか？」
　「…あぁ。…女には、優しくしないといけない、…らしいしな。」
　とヒルフェは、素っ気なく言い放つ。
　「はは、左様ですか。」
　とアルバンも小声で呟いたら、再び優しく微笑みを浮かると、今度こそ扉を開けて部屋から退室していく。
　「では、失礼致します。…」
　「あ、あぁ、…私が見送りしてまいります。…」
　やがて扉が閉まった後に、アルフォンスが我に返ると、慌てて後を追いかけていく。
　部屋の中には、二人だけが残される。
　ふと互いに視線があったようである。
　ヒナは何度か視線を向けながら、恥ずかしそうな仕草をしている。もじもじと両指同士を遊ばせていた。だが暫くすると、意を決した表情となって喋りかけだした。
　「あ、あのね。…ひーにぃ、…少しいいかな？」
　「ん？」
　「…あ、あたし。…やっぱり、後を継がないといけないのかな？…でも、あたし。…本当は、やりたい事が沢山あるの。…一番にやりたい事は、お嫁、…うぅん。…えっと他には、その…、あぅ。…」
　だが彼女の話しは要領を得ない。次第に後半から、どもってしまい、聞き取りにくい。