スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。

あおいろ

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間章 ある男の末路とその他の行く末(2話)

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 「ふ~ん。…」
 とヒルフェは話を聞き、相づちを打つ。さらに次第に眉間に皺を寄せて、目付きを鋭くしながら、
 「要するに、元凶の一番に偉い奴が取り止めただけか。…納得いかないな。…それじゃぁ、結局は同じ事の繰り返しになるぞ。」
 「…えぇ、仰る通りです。」
 「しかも今回の試験じゃ、俺やキリエが守っていて、運良く助かったんだ。…最悪の場合、ヒナが死んでたかもしれない。…エーデルヴァイスが良くなるまで、ずっと待たせる事になるのか?」
 と指摘していた。
 対してアルバンは一時的に黙ってしまうも、ーー
 「…確かに現状の、私達では出来る事は少ないですし、…屋敷の中を変えるにも、まだまだ時間が必要です。…しかし、今は信じて待って頂くしかないのです。…その代わりに、この命にかけて、彼女達が安心して帰れる場所にします。」
 と真っ直ぐ見据えながら、ハッキリと宣言していた。
 それにヒルフェは少し考え込む仕草をすると、一拍の間の後に、ハッキリと喋りだした。
 「本当だな。…なら今は、あんたの言葉を信じてやるよ。…だから、その間は俺もヒナを全力で守ってやる。」
 その直後に、周りの人は様々な反応を示した。
 ヒナは驚いて、目を丸くして見開いていた。やや頬が赤いようである。
 アルフォンスは顔を左右に動かして、ヒナとヒルフェを交互に見ている。
 さらにアルバンは、嬉しそうな表情で、すぐに聞き返してきた。
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