スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。

あおいろ

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間章 ある男の末路とその他の行く末(2話)

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 対してアルバンは顔をあげると、気にした素振りもなく、ゆっくりと喋りだした。
 「何の約束もなく、突然の訪問をしてしまい申し訳ない。…」
 「あ、あぁ。」
 と、ヒルフェが代表して、なんとか受け答えをする。
 そのまま彼等は、話を続け出す。
 「…実はヒナ様とキリエに、早急に報告する事がありまして。…それでギルドに伺いましたら、此方へといらっしゃると聞きましたので、馳せ参じました。…本当ならギルドで待って、御話しするのが筋ですが私も次の予定がありますので、此方で話させてもらいます。」
 「…なら俺は、別に構わない。…でも、ヒナは?」
 「は、はい。…あぁ、でもリエちゃんが。」
 「…そういや、アイツはどうしたんだよ?」
 「…えっと、…それが。…なんか部屋から出てこなくて。」
 「はぁ?…なんだそりゃ?」
 「…ヒナ様。…彼女には、このアルバンから先に話をお伝えしております。…なので、後は貴女にだけ話をすれば良いのです。」
 「わ、わかりました。…それで話って、何んですか?」
 「では、…率直に申し上げますと、旦那様からの言伝てを預かっております。…それは、アインスヤヴァイ家との婚姻関係は、破談にしたと言う事です。」
 「えぇ!?!」
 「何?!…どうして、…」
 「…それは、今回の試験の結果やターナとサベル兄弟の様子を、旦那様方が耳にして、最終的に判断されたからですよ。…彼等の実力は及第点でした。だが試験が最終的には中止になっていても、総合的に見れば大きな結果を残せなかった。…しかも蛇の魔物との戦闘では返り討ちや、敵前逃亡したとか。…」
 「…それは、確かに、そうだったな。」
 「…エーデルヴァイス家は、よくも悪くも実力主義なんですよ。…武力で名を馳せた家柄には、強くない者は相応しくなかっただけだったのですよ。」
 「…それが婚約を破棄した、決め手なのか?」
 「えぇ。…」と、途中でアルバンが呟いたら、ー
 それ以上は、誰も言葉を言わなくなる。
 話は一旦だが打ち切ったようだった。
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