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2話 四章 冒険者ランク取得試験 (後編)
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対して蛇(サーペンス)の様な魔物達は、勢いよく地面へと衝突していた。
あまりにも強い衝撃だった。大きな音が轟くと共に、大量の土煙が立ち込めていた。
その際に土煙には、魔物達の全身が影となって映し出されている。
さらに続け様に、二匹の蛇(サーペンス)の様な魔物達は暴れだした。互いに激しく動き回り続けている。どうやら未だに、此方が近くの何処かにいると勘違いしているようだ。
すると段々と時が経つと、二つの影は動きが止まっていき、一塊になる様な状態になっていた。
そうしていく内に、次第に土煙が晴れる。
「シャアァ!」「グシャァ!!」
その結果、二匹の蛇(サーペンス)の様な魔物達は、身体同士が複雑に絡み付き、身動き出来ない状態に陥っていた。簡単には、ほどけそうにはない。しかし未だに攻撃の手を止めようとせず、此方の存在に気がつくと、即座に襲いかかってくる。
再びダフネは刀を握りながら、迎え撃とうとするも、一時的に膝をつく。さらに、「っち、…」と舌打ちして苦々しい表情となる。額には汗も浮き出ており、疲労が表れているようだ。
俺は前に出ると、魔物達の前に立ちはだかった。身構えて攻撃の姿勢をする。
「ちゅっ、どーん!!」
だが次の瞬間、聞き覚えのある台詞が聞こえてきた。
さらに火の玉が目の前に出現し、高速で真っ直ぐ前に飛んでいく。
ドオォォォン!!
それは魔物達が辿り着く前に、左側の蛇(サーペンス)の頭へと命中した。
ほぼ同時に閃光が瞬くと、大きな爆発が起きたのだった。
さらに蛇(サーペンス)の様な魔物達は、後ろへと仰け反ると、やがて俯せの状態で地面に倒れこんだ。
なんとか俺も衝撃を踏み留まった。
これは、魔法の攻撃だ。ヒナが打ち出したのである。
「はぁ。…はぁ。…」
とヒナは肩で息をしながら、震える手を前にして魔物の方を指で指し魔法を放ったようだ。凄い緊張感を漂わせているも、次第に力が抜けてしまい、此方の背中から滑る様に、仰向けで崩れそうになる。
「ふみゃぁ。…」
「…おい、大丈夫か?」
と俺は間一髪で、後ろに手を回して支えたのだった。
あまりにも強い衝撃だった。大きな音が轟くと共に、大量の土煙が立ち込めていた。
その際に土煙には、魔物達の全身が影となって映し出されている。
さらに続け様に、二匹の蛇(サーペンス)の様な魔物達は暴れだした。互いに激しく動き回り続けている。どうやら未だに、此方が近くの何処かにいると勘違いしているようだ。
すると段々と時が経つと、二つの影は動きが止まっていき、一塊になる様な状態になっていた。
そうしていく内に、次第に土煙が晴れる。
「シャアァ!」「グシャァ!!」
その結果、二匹の蛇(サーペンス)の様な魔物達は、身体同士が複雑に絡み付き、身動き出来ない状態に陥っていた。簡単には、ほどけそうにはない。しかし未だに攻撃の手を止めようとせず、此方の存在に気がつくと、即座に襲いかかってくる。
再びダフネは刀を握りながら、迎え撃とうとするも、一時的に膝をつく。さらに、「っち、…」と舌打ちして苦々しい表情となる。額には汗も浮き出ており、疲労が表れているようだ。
俺は前に出ると、魔物達の前に立ちはだかった。身構えて攻撃の姿勢をする。
「ちゅっ、どーん!!」
だが次の瞬間、聞き覚えのある台詞が聞こえてきた。
さらに火の玉が目の前に出現し、高速で真っ直ぐ前に飛んでいく。
ドオォォォン!!
それは魔物達が辿り着く前に、左側の蛇(サーペンス)の頭へと命中した。
ほぼ同時に閃光が瞬くと、大きな爆発が起きたのだった。
さらに蛇(サーペンス)の様な魔物達は、後ろへと仰け反ると、やがて俯せの状態で地面に倒れこんだ。
なんとか俺も衝撃を踏み留まった。
これは、魔法の攻撃だ。ヒナが打ち出したのである。
「はぁ。…はぁ。…」
とヒナは肩で息をしながら、震える手を前にして魔物の方を指で指し魔法を放ったようだ。凄い緊張感を漂わせているも、次第に力が抜けてしまい、此方の背中から滑る様に、仰向けで崩れそうになる。
「ふみゃぁ。…」
「…おい、大丈夫か?」
と俺は間一髪で、後ろに手を回して支えたのだった。
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