スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。

２話 四章 冒険者ランク取得試験 (後編)

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　「ふっ！！」
　その一瞬の隙に、ダフネが刀を振り抜きながら飛び掛かった。さらに魔物の背後から不意打ちし、首の付け根部分を勢い良く横凪に切つける。
　ほぼ同時に、辺りに血飛沫が飛び散った。
　蛇(サーペンス)の様な魔物は絶叫をあげ、暴れる様にのたうち回り、痛みに悶えているようだ。
　ダフネは地面に着地すると、目にも止まらぬ速さで、此方の方に駆け寄ってきた。
　俺達も急いで側へと向かっていき、合流する。
　その結果、互いに背中合わせの状態となった。さらに戦う構えの体勢をとっている。
　「シャァァーー！！」
　「シャァーー！！」
　ついでに蛇(サーペンス)の様な達も、鳴き声をあげると、徐々に集結してきた。此方の周囲を取り囲む様に、長い身体を地面に這わしながら寄ってきた。
　俺達は、挟み撃ちの状態となっている。
　「…全く、何を考えているの！…貴方達は、…さっさと此処から逃げなさい！！」
　とダフネが魔物の方を警戒しつつ、声に怒気を含ませながら話しかけてきた。
　しかし、俺も前を向きつつ、はっきりと反論する。
　「最初は、そのつもりだったさ。…でも今は、出来ない。…邪魔な奴のせいで、もたつく間に、しくじってしまった。…それで、キリエが大変な事になっている。…なんとかして、助けるつもりだし。…おめおめと、逃げる事なんてしたくない。」
　それをダフネは聞くと、わなわなと身を震わすと、
　「はぁ、もう。…なんでしょうか、やはり遺伝なのかしら？…旦那様の様に、言葉が理解出来ないとか。……」
　と判りやすく悪態を呟いていた。さらに続け様に頭を激しく掻きながら、盛大に溜め息を吐いたら、諦めた様な仕草で肩を落としている。最終的には、もう文句は言わなくなっていた。