スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。

あおいろ

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2話 四章 冒険者ランク取得試験 (後編)

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 「ひーにぃ!」
 とヒナが呼び掛けてきた。
 すぐに俺も、彼女達の側まで向かう。さらに二人の手を引いて立ち上がらせながら、話しかけていく。
 「ほら、逃げるぞ!…キリエも、…」
 「うん!」
 それからヒナも返事をすると、行動に移した。
 キリエも遅れながらも、動き出す。
 そのまま三人で走り出し、森の入り口の手前まで避難する。
 森では、未だに多くの受験者達が取り残されていた。
 殆どの人は、罠にかかって動けないようだ。
 「た、助けてくれ!」
 ふと近くから、誰かが助けを求める声が聞こえてくる。
 すぐ側の地面に落とし穴があり、中に人が逆さまの状態で埋まっていた。
 しかも、そいつはポッチョムだった。先程の試験の相手である。
 「あぁ、もう!!」
 と、俺は髪を搔きながら悪態をつきつつも、すぐさま手を差しのべると、勢いよく引っ張りあげて相手を穴から脱出させた。
 「大丈夫?」「ほら、立ちなさい!」
 するとヒナやキリエも、同じ様に近くの人を助けだしていた。
 その様子に他の受験者達にも、僅かな変化が表れだした。
 まず逃げ惑う人々は、冷静さを取り戻しており、自ずと救助に加わりだした。
 やがて、一人また一人と罠を抜け出していき、森への道が開けてきた。
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