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間章 不穏の正体と動き出す運命。

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 「…リキッド様、どうしましょう!!?…ご指示を!」
 と、マァが慌てて質問している。
 「…あぁ、そうだね。……」
 とリキッドも、ようやく我に返った。続けざまに、周囲に向かって大声で指示を飛ばす。
 「…こうしちゃいられない。…急いで増援の救助隊を編成するから、戦える職員は武器を持って集まってくれ!…残りの者達は、治療の為の準備をするんだ!」
 「は、はい!」
 「「わかりました。」」
 それを受けて、ギルド職員達も、次々と行動に移りだしていく。
 女性達は荷物を探って、ありったけの薬や治療の為の道具を用意する。
 男達は、余った武器を手にして、武装を施していく。
 やがて全ての者が準備を終えて、リキッドの側へと戻ってくる。
 「リキッド様!…先程、受験者達の把握組から連絡がありました!…ダフネ先輩が先んじて現場に到着したそうです!…そのままヒルフェ様やヒナ様達と合流しました。…今は問題の対処にあたっております。他の受験者達も、同行している他の職員達が順番に、救助に向かっています。…我々もすぐに広場へと駆けつけます!」
 その先頭には、アルフォンスがいた。前を見据えながら、代表して現状の報告をしだす。
 対してリキッドも真剣な表情で頷いたら、周囲を見渡しながら、再び指示をだした。
 「そうか、わかった。…なら、アルフォンスをリーダーとして、増援に向かってくれ。」
 「は、はい!!」
 それを合図に、アルフォンスが返事をすると、ギルド職員達が武器を持ちながら、駆け足で森へと向かって進みだした。瞬く間に遠くなり、離れていく。
 もう彼等の背中は、見えなくなったのだった。
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