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2話 四章 冒険者ランク取得試験 (中編)
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そして、ーー
彼等の進む先には、キリエがいた。しかし周囲の様子には、全く気づいないようである。ひたすら森の奥へと向かうのを優先しており、じっと前の方に意識を向けている。
「リエちゃん!」
と、ヒナが叫びながら呼び掛けた。
すると、ようやく彼女も此方に気がつき、顔を振り向かせた。
「どけ!」
だが直後に、サベルが背後から迫り、大声で怒鳴り散らすと、勢いよく足を出して蹴りを放つ。
「きゃあ!?」
その結果、キリエは悲鳴を上げた。さらに背中に強い衝撃を受けて、前のめりになりながら地面に倒れてしまう。全く抵抗出来なくて、成す術もなかったようだ。
すると、彼女の姿が瞬く間に姿が消え失せた。どうやら落とし穴に落ちたようである。
先程の光景と、全く同じだった。
「な!?」「!?」
その様子に、俺は驚きながら声をあげる。
同じくヒナも声にならない悲鳴を漏らした。
すぐに俺達は側に向かって駆け出し、目的の場所に辿り着くと様子を確認する。
そこには、予想通りに落とし穴が空いていた。穴の中ではキリエが頭からひっくり返った状態で、唸っている。
「リエちゃん、大丈夫?」
とヒナは、必死に呼び掛けた。
それでもキリエからの返事はない。
対して俺は周り見渡して、サベルの奴を探していた。
だが既に、サベルの姿は遥か遠くの方におり、瞬く間に森の中に消える様に見えなくなったのだった。
彼等の進む先には、キリエがいた。しかし周囲の様子には、全く気づいないようである。ひたすら森の奥へと向かうのを優先しており、じっと前の方に意識を向けている。
「リエちゃん!」
と、ヒナが叫びながら呼び掛けた。
すると、ようやく彼女も此方に気がつき、顔を振り向かせた。
「どけ!」
だが直後に、サベルが背後から迫り、大声で怒鳴り散らすと、勢いよく足を出して蹴りを放つ。
「きゃあ!?」
その結果、キリエは悲鳴を上げた。さらに背中に強い衝撃を受けて、前のめりになりながら地面に倒れてしまう。全く抵抗出来なくて、成す術もなかったようだ。
すると、彼女の姿が瞬く間に姿が消え失せた。どうやら落とし穴に落ちたようである。
先程の光景と、全く同じだった。
「な!?」「!?」
その様子に、俺は驚きながら声をあげる。
同じくヒナも声にならない悲鳴を漏らした。
すぐに俺達は側に向かって駆け出し、目的の場所に辿り着くと様子を確認する。
そこには、予想通りに落とし穴が空いていた。穴の中ではキリエが頭からひっくり返った状態で、唸っている。
「リエちゃん、大丈夫?」
とヒナは、必死に呼び掛けた。
それでもキリエからの返事はない。
対して俺は周り見渡して、サベルの奴を探していた。
だが既に、サベルの姿は遥か遠くの方におり、瞬く間に森の中に消える様に見えなくなったのだった。
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