スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。

２話 四章 冒険者ランク取得試験 (前編)

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　その後も引き続き、武術組の試験が次々と行われていた。
　ふと次の試験には、キリエが挑むようである。
　しかも対戦相手には、あの若い金髪の若い男のようだ。
　お互いに相手の顔を見た瞬間に、共に驚いた表情を露にし、やや緊張した雰囲気を醸し出す。
　「くっ、…。」
　だがキリエは即座に頭を振るうと、鋭い目付きで相手を見据えながら、帯刀した剣を抜刀して構えだした。
　「ひぃ、…。」
　対して金髪の若い男は、気圧されて怯えきっており、武器の槍を構えるも腰が引けてしまっている。
　続け様にギルドの職員から、開始の合図があった。
　それと同時にキリエが素早く駆け出し、剣を大きく振りかぶると相手を目掛けて、刀身を叩きつける様に振り下ろしていた。
　「はあぁぁぁ！！」
　「ひいぃ？！」
　しかし、彼女の攻撃は相手に当たる事はなかった。ほぼ寸前の距離で空振りし、足元の砂場に命中する。
　それでも金髪の若い男は、尻餅をつく。なんとか間一髪で難を逃れたがキリエの迫力に呑まれており、後退りしている。さらには再び相手が刀を振りかぶる姿を目撃した途端に、
　「…む、無理です！…降参します！」
　と、ギルドの職員に向かって叫んでいた。
　すぐに試験を終了する合図がだされた。
　結果的に、キリエの合格判定がなされた。
　しかし彼女も浮かない表情をしており、さっさと枠外に立ち去っていくのだった。
　俺は今の試合を思い返し、物思いに更けていく。取分けてキリエの様子が気になった。彼女の身軽で素早い。だが無駄な動きが多すぎる様な印象だったと、感じていた。