スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。

あおいろ

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2話 三章 ヒナとキリエと街でのあれこれ

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 すると外の景色は、ぐんぐんと後ろへと通りすぎていく。
 段々と街並みが見覚えある風景に、変わっていった。
 もうすぐギルドの近くにまで、戻って来たようである。
 「危ない!?」
 その時、アルフォンスの叫びが外から聞こえてきた。
 ほぼ同時に、馬車が大きく進路を横に反らしてから急停車した。今まで最も激しくワゴンが揺れていた。
 俺は反動で身体が勢いよく動き、座席から前のめりになるも寸前で踏みとどまった。しかし、元の位置に戻ろうとしたら、勢い余って体勢を崩してしまい、隣の方へと仰向けに倒れながら崩れ落ちた。
 「ほえ?!」
 その拍子に、ヒナとぶつかる。
 さらに俺は勢い余り下に滑り、彼女の膝の上に頭が乗ってしまう。所謂は膝枕の形になっていた。
 「「…っ!?」」
 ふとお互いの視線が合ったようである。
 次の瞬間に、ヒナは驚きながら、顔を真っ赤にて慌てふためいている。
 すぐさま俺も起き上がり、姿勢を直して誤魔化す。さらに恐る恐ると、キリエの方を一瞥する。また突っかかるのでは、と危惧していた。
 対してキリエは、険しい表情で外の方に顔を向けている。此方の様子には、気づいてない。
 時同じくして、「何事ですか?」とダフネが怒鳴りながら、ワゴンの扉を開けて外の様子を確かめに行った。
 ようやくして俺達も、ある程度の落ち着きを取り戻すと、ゆっくりと後に続いてワゴンから、降りて行った。
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