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2話 三章 ヒナとキリエと街でのあれこれ
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「お前がリキッド様の身内なのは、…一晩の間、ずっと考えて重々と理解した。…しかし、昨日のギルドでの件も忘れたわけではない。…お前の言動が粗暴で危険なのは間違いないのだ。」
「ぐっ、……あれは、…。」
と俺は、言葉を言いかけたが口ごもる
そのまま二人で話をしていく。
ただ一方的に、キリエだけが自分の主張を述べていた。
「言い訳は出来ないだろう。…だから、お前がヒナ様に害を成す人物か否かを、私が監視する事にしたのだ!…何か善からぬ事をすると思って、朝早くから部屋の前で見張っていたら、日の出の後すぐに部屋を抜け出していたな。…こんな人気のない場所で何をするつもりだ!!」
「うるせぇな!…てめぇには関係ないだろうが!…何で、とやかく言われるわ、監視されるわなんて、そんな筋合いはねぇよ!」
「…私はヒナ様に、幼少の頃から使えている従者だ。…使える者として、主に危害を加えるであろう者を見過ごすつもりはない!」
「はぁ?!…なんだそりゃ?」
「…良いか、よく聞け!…ヒナ様は、可憐で純粋で、非の打ち所のない、完璧で究極の存在なのだ!…お前の様な奴が近くにいる事すら、認められないのだ!」
だが次第に、話の方向性が変な風に変わってしまっているようだった。
「あぁ?」と俺は気がつくと首を傾げる。
その後もキリエは、ずっと独り言の様にヒナの事を力説し続けている。
「ヒナ様は、凄くて!…ヒナ様は、優しくて、…ヒナ様は!……」
「まさか、…」
その途中から、俺は頭の中で、ある仮説が過ると、思わず声に出して指摘していた。
「お前、ヒナの事。…好きなのか?」
「ち、違う?!…わ、私は!…そんな!?」
すると、キリエは両目を見開いていた。さらに慌てふためながら、全力で言い返してくる。まるで事実を言い当てられ、否定しているみたいだ。
「ぐっ、……あれは、…。」
と俺は、言葉を言いかけたが口ごもる
そのまま二人で話をしていく。
ただ一方的に、キリエだけが自分の主張を述べていた。
「言い訳は出来ないだろう。…だから、お前がヒナ様に害を成す人物か否かを、私が監視する事にしたのだ!…何か善からぬ事をすると思って、朝早くから部屋の前で見張っていたら、日の出の後すぐに部屋を抜け出していたな。…こんな人気のない場所で何をするつもりだ!!」
「うるせぇな!…てめぇには関係ないだろうが!…何で、とやかく言われるわ、監視されるわなんて、そんな筋合いはねぇよ!」
「…私はヒナ様に、幼少の頃から使えている従者だ。…使える者として、主に危害を加えるであろう者を見過ごすつもりはない!」
「はぁ?!…なんだそりゃ?」
「…良いか、よく聞け!…ヒナ様は、可憐で純粋で、非の打ち所のない、完璧で究極の存在なのだ!…お前の様な奴が近くにいる事すら、認められないのだ!」
だが次第に、話の方向性が変な風に変わってしまっているようだった。
「あぁ?」と俺は気がつくと首を傾げる。
その後もキリエは、ずっと独り言の様にヒナの事を力説し続けている。
「ヒナ様は、凄くて!…ヒナ様は、優しくて、…ヒナ様は!……」
「まさか、…」
その途中から、俺は頭の中で、ある仮説が過ると、思わず声に出して指摘していた。
「お前、ヒナの事。…好きなのか?」
「ち、違う?!…わ、私は!…そんな!?」
すると、キリエは両目を見開いていた。さらに慌てふためながら、全力で言い返してくる。まるで事実を言い当てられ、否定しているみたいだ。
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