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2話 三章 ヒナとキリエと街でのあれこれ

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 翌日、ーー。
 自室のカーテンの隙間から、日の光が射し込みだした。
 その頃に、俺はベッドから起き上がると、窓を開けてみた。一呼吸する度に、冷たい新鮮な空気が肺に取り込まれる。また微かに肌寒い風に乗って、独特のしょっぱい香りが鼻を刺激してきた。辺りを見渡してみると、目の前の光景に釘付けになった。
 遥か先は、絶景だった。
 太陽が昇りだして、辺りを照らしだす。
 段々と空の色が青く変わっていく。
 また青い海面や街の白い外壁は、磨かれた様にキラキラと輝いており、幻想的な雰囲気を醸し出しているようだった。
 「凄っげえなぁ。…おい。」
 と俺は思わず呟く。ずっと見ていたい。とさえ感じていた。嫌な事を全て忘れてしまいそうな気分になる。しかし無情にも、昨日のキリエとのやり取りがが脳裏を過り、大きな溜め息を漏らし、呆けてしまう。
 やがて、暫し時間が経過する。
 すると街並にも人々の姿が現れだした。ポツポツと人が大通りを歩きだし、一日の生活を始めだしたようだ。
 「ん?…あれは?」
 ふと俺は街の方に視線を向けると、少し離れた港らしき場所の近くで、広大な白い砂浜があるのを発見した。遠目から見ても美しい景色である。
 青い海が光を放って煌めき、白い砂も同じ様に眩かった。
 段々と俺は、近くで見たくなった。さらに、
 「…ちと散歩がてら行ってみるか。」
 と独り言を呟くと、すぐにベッドから降りて移動し、部屋の出入口の扉を潜り抜けて廊下へと出ていく。左右を交互に見回して確認するが此方にはまだ人の姿がなく、気配もないようだった。
 まだ朝早い時間の為だろう。
 そのまま俺は静かに歩きだして、人知れずギルドから玄関を通り抜けて、表通りから街へと繰り出して行ったのだった。
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