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2話 間章 不穏な様子
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此処は屋敷の二階。その廊下の最も奥にある書斎で、張りつめた様な静寂が立ちこめている。
そこではリキッドが仕事机に向かい、溜まった仕事を片付けていた。机の上に積み上げられた複数の書類の山から、一枚を手に取っては署名を記入し、また別の書類の山から書類を手に取る。もう何度も作業を繰り返しており、食堂を退室してから休み無く続けている。
ずっと、ひっきりなしに紙の上をペン先が走る音だけが聞こえていた。既に仕事をするには遅すぎる時間となってしまっている。
もうリキッドは疲労困憊で、表情に苦悶と疲労の様子が見られるが、一心不乱に手を動かし続けている。
「…ひぃぃ、。」
「………じぃぃー。」
その後ろではダフネが側で控えており、凄みを効かせながら逐一とサボらないように監視をしているのだった。
それから暫く時間が過ぎていく。ようやく一つの書類の山が終了しようとした。
コンコン。
それと同時に、部屋の扉がノックされたようだった。
リキッドは気がつくと、すぐに呼び掛ける。
「…入って良いよ。」
「…失礼、致します。」
すると次の瞬間に、アルフォンスが大量の書類を持って入室してきた。すぐにリキッドの側まで近づいていくと書類の山を机に置きだす。
「リキッド様、…追加の仕事をお持ちしました。」
「うぐぅ、…まだあるのか。…」
それと同時にリキッドが落胆して、机に項垂れだした。
そこではリキッドが仕事机に向かい、溜まった仕事を片付けていた。机の上に積み上げられた複数の書類の山から、一枚を手に取っては署名を記入し、また別の書類の山から書類を手に取る。もう何度も作業を繰り返しており、食堂を退室してから休み無く続けている。
ずっと、ひっきりなしに紙の上をペン先が走る音だけが聞こえていた。既に仕事をするには遅すぎる時間となってしまっている。
もうリキッドは疲労困憊で、表情に苦悶と疲労の様子が見られるが、一心不乱に手を動かし続けている。
「…ひぃぃ、。」
「………じぃぃー。」
その後ろではダフネが側で控えており、凄みを効かせながら逐一とサボらないように監視をしているのだった。
それから暫く時間が過ぎていく。ようやく一つの書類の山が終了しようとした。
コンコン。
それと同時に、部屋の扉がノックされたようだった。
リキッドは気がつくと、すぐに呼び掛ける。
「…入って良いよ。」
「…失礼、致します。」
すると次の瞬間に、アルフォンスが大量の書類を持って入室してきた。すぐにリキッドの側まで近づいていくと書類の山を机に置きだす。
「リキッド様、…追加の仕事をお持ちしました。」
「うぐぅ、…まだあるのか。…」
それと同時にリキッドが落胆して、机に項垂れだした。
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