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2話 一章 始まりの街【ビーギニング】と、二人の少女
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「それでだね、…アルフォンス。…君にお願いしたい事があるんだけど。」
「…はい、…何でしょう?」
「実は、ヒルフェ君に冒険者になる為の試験を受けさせてみせたいと思っているんだよ。…近々の何処かで、空きはなかったかな?」
「それならば、…三日後の午前中に予定されています回がありますね。急な欠席者が一名出ており、他に希望者もいませんから、入れ込むのは可能です。」
「そうか!!…なら、支度を整えられる様にしてくれるかい?…彼も冒険者に興味があるそうだから。」
「なんと!…左様でございますか!」
「あぁ。…彼なら合格は間違いなしだろうさ。…なんてったって彼と会った宿場町で、ちょっとした事件があったんだが、そこでボルドー・ボアも、やっつけちゃったんだよ。」
「おぉ、…あの新米冒険者達が、最初にぶつかる難関をですか?!…しかもランクを所持していない状態とは。…それは素晴らしい身体能力ですね。…承知しました。…すぐにでも準備に取り掛からせて頂きます。」
と、アルフォンスは返事をすると、話を終わりにした。さらには踵を返して、すぐさま駆け出していく。
「なに?!」
俺は耳を側立てて話を聞いていたが、ようやく彼等の話の全貌を理解した。しかし、あまりの衝撃的な内容に、咄嗟の判断が聞かずに狼狽えてしまう。
その間にアルフォンスは、もう二階に続く階段に差し迫っている。
「…はい、…何でしょう?」
「実は、ヒルフェ君に冒険者になる為の試験を受けさせてみせたいと思っているんだよ。…近々の何処かで、空きはなかったかな?」
「それならば、…三日後の午前中に予定されています回がありますね。急な欠席者が一名出ており、他に希望者もいませんから、入れ込むのは可能です。」
「そうか!!…なら、支度を整えられる様にしてくれるかい?…彼も冒険者に興味があるそうだから。」
「なんと!…左様でございますか!」
「あぁ。…彼なら合格は間違いなしだろうさ。…なんてったって彼と会った宿場町で、ちょっとした事件があったんだが、そこでボルドー・ボアも、やっつけちゃったんだよ。」
「おぉ、…あの新米冒険者達が、最初にぶつかる難関をですか?!…しかもランクを所持していない状態とは。…それは素晴らしい身体能力ですね。…承知しました。…すぐにでも準備に取り掛からせて頂きます。」
と、アルフォンスは返事をすると、話を終わりにした。さらには踵を返して、すぐさま駆け出していく。
「なに?!」
俺は耳を側立てて話を聞いていたが、ようやく彼等の話の全貌を理解した。しかし、あまりの衝撃的な内容に、咄嗟の判断が聞かずに狼狽えてしまう。
その間にアルフォンスは、もう二階に続く階段に差し迫っている。
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