スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。

あおいろ

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間章 ある男達の末路

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 次の瞬間には、周囲は様々な反応を表した。
 「ヒルフェくぅぅん!!」
 とリキッドは一目散に走り出し、ヒルフェの側に辿り着くと、力一杯に抱き締める。さらに顔を鼻水と涙でぐしゃぐしゃにし、擦りつける様に頬擦りをする。
 ヒルフェも全力で拒否し、引き剥がそうとしていた。
 「だあぁ!?!…止めろ、ジジイ!!」
 「いったい、どうしたんだい!…泥だらけじゃないか!?…」
 「わかった!!…わかったから、鼻水を付けるなって!!…」
 「もう、お爺ちゃんは心配で、心配で…」
 「離せぇぇぇぇ!!」
 「阿保くさ。…」
 とノイマンが呟き、深く息を吐いた。目の前の光景に呆れている。
 隣ではテッドや魔法使いの少年も、苦笑いを浮かべていた。
 やや遅れて、美女とバンダナ男も側まで駆け寄って来る。
 そのまま互いの無事を確かめあう。
 「アンタ達!…大丈夫なの?!」
 「酷い怪我じゃねぇか。」
 「あぁ、私達は大丈夫だ。…君達の方こそ、無事で何よりだよ。」
 「あぁ、良かった。」
 「すまねぇ…俺等の為に、…」
 「気にしなくていいよ。」
 しかし、一方で、ー
 フォン支部長は狼狽していた。焦りや混乱が極限状態に達してしまい、
 (ま、まずい!?…裏口から逃げ、…。)
 と思いつつ、こっそりと足早に立ち去ろうとする。もはや後先考えない行動だ。
 そこへギルドの職員達や、試験官が横並びに立ちだし、行く手を阻んできた。間を通れる隙間すらない。
 「お、お前ら!?」
 とフォン支部長は高圧的に怒鳴り散らした。同時に背後に人の気配を感じ、恐る恐る振り向く。
 いつの間にか、ダフネが冷たい笑みを浮かべながら立っていた。抜き身の刀の切っ先を向けて牽制しながら、空いた片手に持っていたルサールを乱暴に投げてくる。
 「いだぁ!?」
 とフォン支部長は巻き込まれ、ひしゃげた声を漏らすと、ルサールと共に、うつ伏せに床の上に倒れ付していた。
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