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間章 ある男達の末路
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「はぁ?!…ば、馬鹿な!?」
「事実です。」
「あの巨大なボルドー・ボアを倒したってのか?!…信じられない。」
「彼一人で倒した訳では、ありません。…他の冒険者の方と、複数人で倒したようですわ。…中には、貴方の親分もいましたよ。」
「そ、そんな筈はない!?」
「事実です。」
「う、嘘をつくな!…証拠なんてないだろう、俺は信じないぞ!?」
とルサールも話を聞くと、取り乱しながら問いかけ続けた。頭の中では理解が追い付いていないようだった。さらに目の前の相手を睨み付けていた。
するとダフネは服の袖口から、小さな物を取り出して、わざと見せびらかす様に小刻みに振っている。
それは【黒魔石】をあしらったペンダントだった。ギルドの職員から渡されたのと全く同じ物である。
「あ、あぁ、…」
対してルサールも気がつくと、声にならない声を漏らす。ようやくして今までの話に、嘘偽りがないのを悟ってしまったようだ。
「あぁ、…これですかね。…宿場町のギルドから拝借してきました。…これを使えば、皆さんの状況や位置が一発で把握出来ますからね。ただ探すのに少し手間取り、ヒルフェ様のもとへ駆けつける寸前には、事態が終結してましたけどね。」
とダフネも淡々と、説明を続けている
やがてルサールは、言い知れぬ不安感が心の中で渦巻き、思わず身体を仰け反らせて必死に逃げようと後退していく。
だが背後の木の幹に、行く手を阻まれてしまった。
「事実です。」
「あの巨大なボルドー・ボアを倒したってのか?!…信じられない。」
「彼一人で倒した訳では、ありません。…他の冒険者の方と、複数人で倒したようですわ。…中には、貴方の親分もいましたよ。」
「そ、そんな筈はない!?」
「事実です。」
「う、嘘をつくな!…証拠なんてないだろう、俺は信じないぞ!?」
とルサールも話を聞くと、取り乱しながら問いかけ続けた。頭の中では理解が追い付いていないようだった。さらに目の前の相手を睨み付けていた。
するとダフネは服の袖口から、小さな物を取り出して、わざと見せびらかす様に小刻みに振っている。
それは【黒魔石】をあしらったペンダントだった。ギルドの職員から渡されたのと全く同じ物である。
「あ、あぁ、…」
対してルサールも気がつくと、声にならない声を漏らす。ようやくして今までの話に、嘘偽りがないのを悟ってしまったようだ。
「あぁ、…これですかね。…宿場町のギルドから拝借してきました。…これを使えば、皆さんの状況や位置が一発で把握出来ますからね。ただ探すのに少し手間取り、ヒルフェ様のもとへ駆けつける寸前には、事態が終結してましたけどね。」
とダフネも淡々と、説明を続けている
やがてルサールは、言い知れぬ不安感が心の中で渦巻き、思わず身体を仰け反らせて必死に逃げようと後退していく。
だが背後の木の幹に、行く手を阻まれてしまった。
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