スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。

あおいろ

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間章 ある男達の末路

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 魔物の亡骸は攻撃を受けて、何度も転がったりしては、衝撃で半壊していった。たまに血や肉片が飛び、周りの木々の幹や藪の葉っぱに付着していた。
 その光景はあまりにも醜悪である。辺りには鉄臭い匂いが立ち込めていき、不快さが増していく。
 「この野郎!!…脅かしやがって!!」
 と、ルサールは決して途中で止めようとはせず、気が済むまで続けていた。周囲に誰もいないのもあって、行動を助長させている。暫くして息が荒れてくるに比例して、足にも力が入らなくなり、動きを止めた。最後に深く呼吸しながら、「どうだ、この野郎!」とだけ吐き捨てて、踵を返して再び歩きだしていく。
 「グギャ、グギャ。」「ゲギャ、ゲギャ。」
 「ん?……」
 だが先程と比べて、周囲に違和感があった。
 何かの鳴き声が聞こえ、足音が間近まで迫りつつある。
 ルサールは長年の経験から殺気が放たれているのを感じ取る。全てが自分に向かっているのに気がつく?
 既に取り囲まれているようだった。
 次の瞬間、藪から枝が激しく揺れる音がしたら、何かが一斉に姿を現わした。
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