95 / 121
三章 山での攻防 後編
三章 山での攻防 後編 23
しおりを挟む
すると案の定、ノイマンは恫喝してきた。
しかし、俺とて言い返すのを止めず、
「うじうじすんのは、今じゃないだろうが。…さっさと街まで戻るぞ!!」
「戻ってって、…何をするんだよ?」
「フォンだっけ?…アイツに、けじめをつけさせるんだよ!!」
と言った。
俺を除いた全員が、唖然としている。特にノイマンに至っては、両目を見開いた表情で固まっていた。
「オラ!…さっさと帰るぞ!」
そんな様子を尻目に、すぐさま俺は踵を返して、森の方に向かって歩きだした。
「待ってください!」
その直後に、魔法使いの少年が真っ先に我に返り、慌てて後を追ってきたようだった。
だが、未だに後の二人はやって来ない。
俺は足を止めずに、後の様子を伺う。気づかれない様に、こっそりと背後に視線を向けた。
どうやら既にノイマンも我に返っていたが、未だに困惑している素振りである。
そこへテッドが寄って行き、励ましだした。
「ノイマン、…彼の言う通りだよ。…今は、うじうじしている場合じゃない。」
「…テッド。」
と、ノイマンも俯きながら、聞き入っていき、
「今回の件は君にも原因があるけど、でも問題があるとするなら、支部長の方もだよ。…あんな理由で僕らがボロボロなうえに、泥や血だらけになる必要はなかった筈だ。…文句を言わなきゃ気がすまないよ。」
「あぁ、…。」
「もし君が、今回の件に負い目を感じるなら、支部長をどうにかしてからでも、うじうじすればいいだろう。」
「あぁ、そうだな。…」
と、最後に返事をしていた。やや遅れて鼻を啜る音を鳴らしており、泣いているようだった。
しかし、俺とて言い返すのを止めず、
「うじうじすんのは、今じゃないだろうが。…さっさと街まで戻るぞ!!」
「戻ってって、…何をするんだよ?」
「フォンだっけ?…アイツに、けじめをつけさせるんだよ!!」
と言った。
俺を除いた全員が、唖然としている。特にノイマンに至っては、両目を見開いた表情で固まっていた。
「オラ!…さっさと帰るぞ!」
そんな様子を尻目に、すぐさま俺は踵を返して、森の方に向かって歩きだした。
「待ってください!」
その直後に、魔法使いの少年が真っ先に我に返り、慌てて後を追ってきたようだった。
だが、未だに後の二人はやって来ない。
俺は足を止めずに、後の様子を伺う。気づかれない様に、こっそりと背後に視線を向けた。
どうやら既にノイマンも我に返っていたが、未だに困惑している素振りである。
そこへテッドが寄って行き、励ましだした。
「ノイマン、…彼の言う通りだよ。…今は、うじうじしている場合じゃない。」
「…テッド。」
と、ノイマンも俯きながら、聞き入っていき、
「今回の件は君にも原因があるけど、でも問題があるとするなら、支部長の方もだよ。…あんな理由で僕らがボロボロなうえに、泥や血だらけになる必要はなかった筈だ。…文句を言わなきゃ気がすまないよ。」
「あぁ、…。」
「もし君が、今回の件に負い目を感じるなら、支部長をどうにかしてからでも、うじうじすればいいだろう。」
「あぁ、そうだな。…」
と、最後に返事をしていた。やや遅れて鼻を啜る音を鳴らしており、泣いているようだった。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
妻がエロくて死にそうです
菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。
美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。
こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。
それは……
限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
狂人バーサーカー系ダンジョン配信者だったのですが、美少女ダンジョン配信者を助けて丁寧な対応したら実はまともなことがバレました
わいん。
ファンタジー
「あはははっ! 死ねぇぇぇ!!!」
そう叫びながらモンスターを蹴散らしていく狂人系配信者……それを演じるのが俺の仕事だ。
配信ウケがいいからそうしていたのに……配信外で他の探索者を助けたらそれがまさかの超有名配信者で?!
まともな姿が全国に配信されてしまう。
※カクヨムにも投稿しています
公国の後継者として有望視されていたが無能者と烙印を押され、追放されたが、とんでもない隠れスキルで成り上がっていく。公国に戻る?いやだね!
秋田ノ介
ファンタジー
主人公のロスティは公国家の次男として生まれ、品行方正、学問や剣術が優秀で、非の打ち所がなく、後継者となることを有望視されていた。
『スキル無し』……それによりロスティは無能者としての烙印を押され、後継者どころか公国から追放されることとなった。ロスティはなんとかなけなしの金でスキルを買うのだが、ゴミスキルと呼ばれるものだった。何の役にも立たないスキルだったが、ロスティのとんでもない隠れスキルでゴミスキルが成長し、レアスキル級に大化けしてしまう。
ロスティは次々とスキルを替えては成長させ、より凄いスキルを手にしていき、徐々に成り上がっていく。一方、ロスティを追放した公国は衰退を始めた。成り上がったロスティを呼び戻そうとするが……絶対にお断りだ!!!!
小説家になろうにも掲載しています。
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
異世界転生した俺は最強の魔導騎士になる
ひとつめ帽子
ファンタジー
深夜にコンビニへ買い物へ出掛けた速水 慎太郎はそのコンビニで強盗に出会す。
強盗が金を持って逃げる際に慎太郎は胸をナイフで刺されて命を落とす。
意識を取り戻すと景色が一変。
魔物に襲われた廃村にて一人のエルフに慎太郎は拾われ、そのエルフに新しい名、シンと名付けられる。
そのエルフは子育てなどした事はなかったが、シンとの意思疎通が出来る事を知り、手探りの子育てが始まる。
マナポがミルク代わりに与えられ、幼少期から絵本の代わりに魔導書を読むシン。
次第に開花する魔法使いとしての才能。
そして親代わりのエルフが昔、王国の魔導騎士であった事を知る。
「それじゃあ、俺がいつかその魔導騎士になるよ」
シンはそう宣言し、魔導騎士を目指す。
これは、後に最強の魔導騎士と呼ばれる者の物語。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる