91 / 472
三章 山での攻防 後編
19
しおりを挟む
「くらえ!!」
だが、寸前の所で、ボアは再び泥の中から立ち上がり、迎撃してくる。
ノイマンは既に大剣を振り下ろして攻撃していたが、当たりどころが悪くて、武器ごと弾かれてしまい、尻餅をついてしまう。
そして、ボアは激しく怒りだす。今までの比ではない。最後の抵抗とばかりに、その場で暴れており、まだ無事の片目が此方側を睨み付けながら、唸り声とともに威嚇してきた。
「…まだ動くのか!!」とノイマンが驚く。
「そんな、…!?」とテッドも同意する様に、呟いている。
「グオォォォォ!」
対してボアは雄叫びを挙げ、牙を向けながら攻撃をしてくる。
どうやら狙いは動けないノイマンだ。
すぐさまテッドが助けようと走り出そうとする。しかし最も対角線上の位置に離れており、泥濘に足を取られながら進んでいて、間に合いそうにない。
俺は全力で駆け出し、ボアの顔へと体当たりした。そのまま牙に腕を回しつつ、足に全体重を掛けながら引っ張って止めようとするが、うまくいかない。やはりヌルヌルと滑って踏ん張りが効かず、ゆっくりと前に進み続けていく。
その間に、ノイマンが必死に逃れようと、後退しながら、もがいている。武器を振り回しては、近づけさせない様にしている。
「ちくしょおぉぉっー!!…来るんじゃねぇ?!」
しかし、もはや無駄な抵抗だ。
ボアは、ノイマンの目の前まで来てしまう。
だが、寸前の所で、ボアは再び泥の中から立ち上がり、迎撃してくる。
ノイマンは既に大剣を振り下ろして攻撃していたが、当たりどころが悪くて、武器ごと弾かれてしまい、尻餅をついてしまう。
そして、ボアは激しく怒りだす。今までの比ではない。最後の抵抗とばかりに、その場で暴れており、まだ無事の片目が此方側を睨み付けながら、唸り声とともに威嚇してきた。
「…まだ動くのか!!」とノイマンが驚く。
「そんな、…!?」とテッドも同意する様に、呟いている。
「グオォォォォ!」
対してボアは雄叫びを挙げ、牙を向けながら攻撃をしてくる。
どうやら狙いは動けないノイマンだ。
すぐさまテッドが助けようと走り出そうとする。しかし最も対角線上の位置に離れており、泥濘に足を取られながら進んでいて、間に合いそうにない。
俺は全力で駆け出し、ボアの顔へと体当たりした。そのまま牙に腕を回しつつ、足に全体重を掛けながら引っ張って止めようとするが、うまくいかない。やはりヌルヌルと滑って踏ん張りが効かず、ゆっくりと前に進み続けていく。
その間に、ノイマンが必死に逃れようと、後退しながら、もがいている。武器を振り回しては、近づけさせない様にしている。
「ちくしょおぉぉっー!!…来るんじゃねぇ?!」
しかし、もはや無駄な抵抗だ。
ボアは、ノイマンの目の前まで来てしまう。
6
お気に入りに追加
228
あなたにおすすめの小説
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
妹しか愛していない母親への仕返しに「わたくしはお母様が男に無理矢理に犯されてできた子」だと言ってやった。
ラララキヲ
ファンタジー
「貴女は次期当主なのだから」
そう言われて長女のアリーチェは育った。どれだけ寂しくてもどれだけツラくても、自分がこのエルカダ侯爵家を継がなければいけないのだからと我慢して頑張った。
長女と違って次女のルナリアは自由に育てられた。両親に愛され、勉強だって無理してしなくてもいいと甘やかされていた。
アリーチェはそれを羨ましいと思ったが、自分が長女で次期当主だから仕方がないと納得していて我慢した。
しかしアリーチェが18歳の時。
アリーチェの婚約者と恋仲になったルナリアを、両親は許し、二人を祝福しながら『次期当主をルナリアにする』と言い出したのだ。
それにはもうアリーチェは我慢ができなかった。
父は元々自分たち(子供)には無関心で、アリーチェに厳し過ぎる教育をしてきたのは母親だった。『次期当主だから』とあんなに言ってきた癖に、それを簡単に覆した母親をアリーチェは許せなかった。
そして両親はアリーチェを次期当主から下ろしておいて、アリーチェをルナリアの補佐に付けようとした。
そのどこまてもアリーチェの人格を否定する考え方にアリーチェの心は死んだ。
──自分を愛してくれないならこちらもあなたたちを愛さない──
アリーチェは行動を起こした。
もうあなたたちに情はない。
─────
◇これは『ざまぁ』の話です。
◇テンプレ [妹贔屓母]
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング〔2位〕(4/19)☆ファンタジーランキング〔1位〕☆入り、ありがとうございます!!
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
次代の希望 愛されなかった王太子妃の愛
Rj
恋愛
王子様と出会い結婚したグレイス侯爵令嬢はおとぎ話のように「幸せにくらしましたとさ」という結末を迎えられなかった。愛し合っていると思っていたアーサー王太子から結婚式の二日前に愛していないといわれ、表向きは仲睦まじい王太子夫妻だったがアーサーにはグレイス以外に愛する人がいた。次代の希望とよばれた王太子妃の物語。
全十二話。(全十一話で投稿したものに一話加えました。2/6変更)
追放したんでしょ?楽しく暮らしてるのでほっといて
だましだまし
ファンタジー
私たちの未来の王子妃を影なり日向なりと支える為に存在している。
敬愛する侯爵令嬢ディボラ様の為に切磋琢磨し、鼓舞し合い、己を磨いてきた。
決して追放に備えていた訳では無いのよ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる