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三章 山での攻防 後編

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 そうして獣道へ戻る。
 すると、ちょうどボアが再び此方に向かって戻ろうと走っているところだ。轟音を轟かせて、木々を薙ぎ倒しながら近づいて来る。
 俺も身振り手振りで、存在を知らせる。
 どうやら相手も気がついたようで、さらに走る速度を上げてきていた。
 「…あれ、…ここから北って、どっちだ?」
 と俺も目的の場所に向かうため、一歩踏み出すが、その場で足踏みしてしまう。
 「お前が今、体を向けている真正面と反対だ。…馬鹿たれ!!」
 そこへ、ノイマンの指示が飛んできた。
 「あぁ、そうかよ!!」と俺も捨て台詞を吐きながら踵を返し、全速力で走り出す。
 ボアも追ってきているようだ。他に目移りする事なくピタリと後ろに付いている。
 さらに俺は走る速度を上げて進んでいく。時折りに後を確認しつつ、両腕や両足を千切れんばかりに振り乱し、付かず離れずの距離を保つ。
 ボアも追い付こうと躍起になってきていた。より迫ってくる度に、牙を突き立てて攻撃を繰り出してくる。
 俺は出来るだけ素早く回避し、翻弄するように動いていく。
 それから、激しい追いかけっこの様な、激しい攻防が続く。
 「おら!!…こっちだ!!」と、さらに俺は汚く野次を飛ばして、煽り散らす。
 同時に、ボアもおぞましい鳴き声を辺りに轟かせていた。
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