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二章 ギルドとスキルと勝負

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 それにフォン支部長は驚き、両目を見開いていた。しかし、唐突に思案顔となるや否や、何か納得すると、
 「それならば、丁度良いですな。…モリスンさんに坊っちゃん、是非ともワシらに任せて下さい。」
 と此方へ振り向き様に、捲し立てるように言いながら、有無を言わさぬ間もなく部屋を飛び出していった。
 「待っててください!」と廊下からフォン支部長の声が聞こえてくる。
 俺は唖然となった。
 さらに二人も「どういう事だろうか?」「よくは理解できませんが、何か嫌な予感しかしません。」と顔を見合せている。
 暫し間、沈黙が漂っていた。次第に不穏な空気を感じている。
 ダフネが代表して、部屋の外まで様子を見に行こうと扉へと近づき、ドアノブに手をかけようとする。
 その瞬間に、フォン支部長が再び部屋の中に戻ってきた。しかも他の職員か数人も引き連れている。
 異様な雰囲気に、すぐさま俺は喰ってかかる。
 「な、なんだよ、急に!?」
 「さぁ、…坊っちゃん。すぐ準備を整わせますので参りましょう。」
 しかしフォン支部長は、素早い動きと流れる連携で対応してきた。間髪入れずに俺の手を取るや、すぐに部屋を出るように促していく。全く抵抗する事もないまま、ギルドの外まで移動させられてしまった。
 「ひ、ヒルフェ君~!!?」
 やや遅れて、リキッドとダフネが追いかけてくるようだった。
 
 ※※※

 ギルドの玄関の外には、職員達による人だかりが出来ていた。
 俺達が来た時とは違い、並んではいなく、ただ集まっているようである。
 真横の歩道には三角屋根の仮設テントが建てられ、天幕の下には様々な武器が並べられていた。
 「なんだか祭りでもやるみたいだな?」とリキッドは呑気な事を言い、ダフネが叱咤している。
 その様子を俺は横目にしていた。
 すると隣にいるフォン支部長へと、一人の男性の職員が、彼六人の若い男女を伴いながら近寄ってきた。
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