スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。

あおいろ

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二章 ギルドとスキルと勝負

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 それから場所は変わる。
 全員で応接室らしき部屋に入室した。
 その部屋の真ん中には、長テーブルが縦に置かれ、左右には一人掛けのソファーが二台ずつ、揃えて並んでいる。
 右側のソファーに、俺が座る。
 隣には、リキッドが腰かけている。
 ついでに背後には、ダフネも控えていた。
 真向かいの対面側には、フォン支部長が着席してあた。
 まずリキッドが喋りだした、早々に本題に入り、
 「この度は私の身内の粗相で、迷惑をかけてしまったね。…申し訳なかった。」
 と深々と頭を下げた。
 なんとなく俺も見よう見まねで、頭を下げる。
 さらにダフネが一枚の紙とペンを、机、ーーフォン支部長の目の前に置いた。
 「何か壊れたなら、その紙に金額を書いてくれ。…すぐに用意する手配を整えるよ。」
 だがフォン支部長は受け取らず、変顔で萎縮している。今にも悲鳴が上がりそうだった。
 「…何か、…これじゃまだ不服かな?」
 とリキッドは首を傾げ、聞き返す。
 「そこまでして頂かなくて、…け、結構です。対して壊れてないですし、…今回の騒動の発端は、ノイマンの方にも原因がありますからの。」
 とフォン支部長も慌てて紙を返すと、話題を反らしだす。
 「それに、ノイマンの阿呆にもいい薬じゃろうて。…最近はランクCに昇進してから調子に乗って、問題行動が目立っとったからのう。」
 そのまま大人達だけで、話をしていた。
 「そんなに、酷いのかい?」
 「…なにせ中途半端に力が強く、実力もあるから手をつけられんくて、…猿山の親分みたいに、威張りちらしていたんですじゃ。」
 「…依頼を数多くこなして実技の昇格試験を突破すれば、ランクCまでなら上がりますね。…しかし、幾らか人格に難がありません?」
 とダフネが指摘する。まともな意見である。
 対してフォン支部長は、盛大に肩を竦めて「失敗したわい。」と嘆いていた。
 しかし、何故か彼の表情は嬉しそうである。
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