39 / 410
二章 ギルドとスキルと勝負
21
しおりを挟む
それから場所は変わる。
全員で応接室らしき部屋に入室した。
その部屋の真ん中には、長テーブルが縦に置かれ、左右には一人掛けのソファーが二台ずつ、揃えて並んでいる。
右側のソファーに、俺が座る。
隣には、リキッドが腰かけている。
ついでに背後には、ダフネも控えていた。
真向かいの対面側には、フォン支部長が着席してあた。
まずリキッドが喋りだした、早々に本題に入り、
「この度は私の身内の粗相で、迷惑をかけてしまったね。…申し訳なかった。」
と深々と頭を下げた。
なんとなく俺も見よう見まねで、頭を下げる。
さらにダフネが一枚の紙とペンを、机、ーーフォン支部長の目の前に置いた。
「何か壊れたなら、その紙に金額を書いてくれ。…すぐに用意する手配を整えるよ。」
だがフォン支部長は受け取らず、変顔で萎縮している。今にも悲鳴が上がりそうだった。
「…何か、…これじゃまだ不服かな?」
とリキッドは首を傾げ、聞き返す。
「そこまでして頂かなくて、…け、結構です。対して壊れてないですし、…今回の騒動の発端は、ノイマンの方にも原因がありますからの。」
とフォン支部長も慌てて紙を返すと、話題を反らしだす。
「それに、ノイマンの阿呆にもいい薬じゃろうて。…最近はランクCに昇進してから調子に乗って、問題行動が目立っとったからのう。」
そのまま大人達だけで、話をしていた。
「そんなに、酷いのかい?」
「…なにせ中途半端に力が強く、実力もあるから手をつけられんくて、…猿山の親分みたいに、威張りちらしていたんですじゃ。」
「…依頼を数多くこなして実技の昇格試験を突破すれば、ランクCまでなら上がりますね。…しかし、幾らか人格に難がありません?」
とダフネが指摘する。まともな意見である。
対してフォン支部長は、盛大に肩を竦めて「失敗したわい。」と嘆いていた。
しかし、何故か彼の表情は嬉しそうである。
全員で応接室らしき部屋に入室した。
その部屋の真ん中には、長テーブルが縦に置かれ、左右には一人掛けのソファーが二台ずつ、揃えて並んでいる。
右側のソファーに、俺が座る。
隣には、リキッドが腰かけている。
ついでに背後には、ダフネも控えていた。
真向かいの対面側には、フォン支部長が着席してあた。
まずリキッドが喋りだした、早々に本題に入り、
「この度は私の身内の粗相で、迷惑をかけてしまったね。…申し訳なかった。」
と深々と頭を下げた。
なんとなく俺も見よう見まねで、頭を下げる。
さらにダフネが一枚の紙とペンを、机、ーーフォン支部長の目の前に置いた。
「何か壊れたなら、その紙に金額を書いてくれ。…すぐに用意する手配を整えるよ。」
だがフォン支部長は受け取らず、変顔で萎縮している。今にも悲鳴が上がりそうだった。
「…何か、…これじゃまだ不服かな?」
とリキッドは首を傾げ、聞き返す。
「そこまでして頂かなくて、…け、結構です。対して壊れてないですし、…今回の騒動の発端は、ノイマンの方にも原因がありますからの。」
とフォン支部長も慌てて紙を返すと、話題を反らしだす。
「それに、ノイマンの阿呆にもいい薬じゃろうて。…最近はランクCに昇進してから調子に乗って、問題行動が目立っとったからのう。」
そのまま大人達だけで、話をしていた。
「そんなに、酷いのかい?」
「…なにせ中途半端に力が強く、実力もあるから手をつけられんくて、…猿山の親分みたいに、威張りちらしていたんですじゃ。」
「…依頼を数多くこなして実技の昇格試験を突破すれば、ランクCまでなら上がりますね。…しかし、幾らか人格に難がありません?」
とダフネが指摘する。まともな意見である。
対してフォン支部長は、盛大に肩を竦めて「失敗したわい。」と嘆いていた。
しかし、何故か彼の表情は嬉しそうである。
52
お気に入りに追加
221
あなたにおすすめの小説

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

世界樹を巡る旅
ゴロヒロ
ファンタジー
偶然にも事故に巻き込まれたハルトはその事故で勇者として転生をする者たちと共に異世界に向かう事になった
そこで会った女神から頼まれ世界樹の迷宮を攻略する事にするのだった
カクヨムでも投稿してます

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる