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二章 ギルドとスキルと勝負
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建物内も騒然としだした。
職員達は戸惑い狼狽えている。
周りの武装した人々も慌てた様子だ。
その一部の人々が咄嗟に動きだすと、ノイマン達を捕まえて組伏せだした。此方を向かせながら床に頭を擦りつけさせようとまでしている。
ノイマンだけは踠いて抵抗していた。なんとか脱出しようとするも動けないようだ。成す術もなく、床に頭を擦りつけているようだ。
それでも、彼の目は俺を睨み付ける。
すぐにフォン支部長は、深く頭を下げながら、代表して謝罪をしてきた。何度も同じ行動を繰り返している。
「も、申し訳ございません!!…このド阿呆のノイマン達には、ワシから灸を据えときますので、お二人とも、…何卒、穏便な対処を……。」
俺は周りの様子に訳が解らなかった。ただただ首を傾げて口ごもる。先程と比べて、彼等の態度が一変していたのが不思議で、頭で理解が追い付かない。
この場で、ダフネだけが平然としており、代わりに淡々としながら返事をし、
「いいえ、そういう訳にはいきません。…今回の不手際は、リキッド様と相談しますので、明日また一緒に謝罪をしに参ります。」
と此方の手を掴んで強引に引っ張ると、出入口の方へと歩きだす。
俺も有無を言えぬまま、後に続いて建物から出ていく。
背後からは「大丈夫です!!」と、フォン支部長の大きな声がしていた。
でも、既に瞬く間に遠退いてしまった。
そのまま俺達は外に出た。町の中を黙々と歩き続けて、大通りに沿って進んでいく。
やがて最初に入った宿屋の前へと舞い戻ってきていた。
さっきの建物を出てから、余り離れておらず、時間も掛かってない。
俺は物凄く近い距離の間を、ぐるぐると迷っていたのだとわかった。
職員達は戸惑い狼狽えている。
周りの武装した人々も慌てた様子だ。
その一部の人々が咄嗟に動きだすと、ノイマン達を捕まえて組伏せだした。此方を向かせながら床に頭を擦りつけさせようとまでしている。
ノイマンだけは踠いて抵抗していた。なんとか脱出しようとするも動けないようだ。成す術もなく、床に頭を擦りつけているようだ。
それでも、彼の目は俺を睨み付ける。
すぐにフォン支部長は、深く頭を下げながら、代表して謝罪をしてきた。何度も同じ行動を繰り返している。
「も、申し訳ございません!!…このド阿呆のノイマン達には、ワシから灸を据えときますので、お二人とも、…何卒、穏便な対処を……。」
俺は周りの様子に訳が解らなかった。ただただ首を傾げて口ごもる。先程と比べて、彼等の態度が一変していたのが不思議で、頭で理解が追い付かない。
この場で、ダフネだけが平然としており、代わりに淡々としながら返事をし、
「いいえ、そういう訳にはいきません。…今回の不手際は、リキッド様と相談しますので、明日また一緒に謝罪をしに参ります。」
と此方の手を掴んで強引に引っ張ると、出入口の方へと歩きだす。
俺も有無を言えぬまま、後に続いて建物から出ていく。
背後からは「大丈夫です!!」と、フォン支部長の大きな声がしていた。
でも、既に瞬く間に遠退いてしまった。
そのまま俺達は外に出た。町の中を黙々と歩き続けて、大通りに沿って進んでいく。
やがて最初に入った宿屋の前へと舞い戻ってきていた。
さっきの建物を出てから、余り離れておらず、時間も掛かってない。
俺は物凄く近い距離の間を、ぐるぐると迷っていたのだとわかった。
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