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二章 ギルドとスキルと勝負
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目の前にはダフネがいた。真顔で此方を見下ろしており、間髪入れる間もなく手を伸ばすや否や、木の筒を此方の口に押し当ててきた。
俺は勢いのあまりに、中身を飲み込んでしまい、思いっ切り咳き込みんでしまうも、ー
「お前、なんで?!」
と力を振り絞り、なんとか問いかけた。
「あなた、体に熱が籠ったようよ。無理したら駄目だわ。…このまま宿に行くと遠いので、まずは近くにある休める場所へと参りましょう。」
対してダフネは気にする素振りもなく、淡々と答える。さらには此方の腕を取り引っ張りあげると、ハキハキと歩きだす。相手の方が力が強く、振りほどけない。
俺は戸惑うも成す術がなく、渋々と成り行きのまま、後を必死に付いて歩きながら、質問をしていた。
「いつから、いたんだ?」
「…貴方が、迷った、と呟いた時ですかね。」
と、ダフネは一言だけ答える。しかし、すぐにまた無言のままの状態となる。
そのまま二人で沈黙したまま、大通りに沿って進む。途中で曲がり角に差し掛かると、すぐ近くには、古びた看板を掲げた広い平屋の建物があった。
ダフネはさっさと進んでしまい、入り口を通って建物の中に入る。
俺も必死に追いかけて、入り口の扉を潜った。すると鼻を摘まむ程の強い匂いを感じて、しかめ面になった。
「相変わらず、酒臭いですね。」
と同時に、彼女がぼやくのも聞こえた
俺は勢いのあまりに、中身を飲み込んでしまい、思いっ切り咳き込みんでしまうも、ー
「お前、なんで?!」
と力を振り絞り、なんとか問いかけた。
「あなた、体に熱が籠ったようよ。無理したら駄目だわ。…このまま宿に行くと遠いので、まずは近くにある休める場所へと参りましょう。」
対してダフネは気にする素振りもなく、淡々と答える。さらには此方の腕を取り引っ張りあげると、ハキハキと歩きだす。相手の方が力が強く、振りほどけない。
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「いつから、いたんだ?」
「…貴方が、迷った、と呟いた時ですかね。」
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俺も必死に追いかけて、入り口の扉を潜った。すると鼻を摘まむ程の強い匂いを感じて、しかめ面になった。
「相変わらず、酒臭いですね。」
と同時に、彼女がぼやくのも聞こえた
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