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一章 十年後の解放
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「何??」
俺は思わず、聞き返す。何言ってんだ、コイツは。と思った。あまりに唐突で、頭の中で理解が追い付かない。
ただ同時に沸々と怒りが込み上げるのを感じる。なんとか一旦は冷静になりながら、押さえ込もうとした。だが、ーー
「どうかな?……………私としては、…マーサさん。…いや、君達の家族に償いがしたいと思っているんだ。」
とリキッドが言い、続けて不安そうな視線を向けてくる。
次の瞬間に、俺の我慢は限界を突破し、
「ふざけるな!!」
と腹の底から怒声を挙げた。未だかつてない程に大音量だった。有無を言わさずに、リキッドの方へ掴みかかろうとする。
しかし、傍らにいたダフネが間に割って入り、制止する。此方の腕を素早く掴んで動けなくした。
「な、…何をするんだい?」
と困惑げにリキッドが問いかける。
対して俺は、激しく睨み付けながら、大声で文句を言う。
「いきなり現れて、昔話を聞かせて、挙げ句の果てに一緒に住めだと。…」
「…いったい、何が気に入らないんだい?」
「全部だよ!!…あんたの言いたい事は、わかったよ!…けど、要は俺をばあちゃんの代わりって言う事なんだろ!!」
「ち、違う。…私は迷惑を掛けた君にも償いをしようと、……。」
俺は思わず、聞き返す。何言ってんだ、コイツは。と思った。あまりに唐突で、頭の中で理解が追い付かない。
ただ同時に沸々と怒りが込み上げるのを感じる。なんとか一旦は冷静になりながら、押さえ込もうとした。だが、ーー
「どうかな?……………私としては、…マーサさん。…いや、君達の家族に償いがしたいと思っているんだ。」
とリキッドが言い、続けて不安そうな視線を向けてくる。
次の瞬間に、俺の我慢は限界を突破し、
「ふざけるな!!」
と腹の底から怒声を挙げた。未だかつてない程に大音量だった。有無を言わさずに、リキッドの方へ掴みかかろうとする。
しかし、傍らにいたダフネが間に割って入り、制止する。此方の腕を素早く掴んで動けなくした。
「な、…何をするんだい?」
と困惑げにリキッドが問いかける。
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「いきなり現れて、昔話を聞かせて、挙げ句の果てに一緒に住めだと。…」
「…いったい、何が気に入らないんだい?」
「全部だよ!!…あんたの言いたい事は、わかったよ!…けど、要は俺をばあちゃんの代わりって言う事なんだろ!!」
「ち、違う。…私は迷惑を掛けた君にも償いをしようと、……。」
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