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2話 四章 手作りクッキー/すみれ茶

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それからサーラは、材料ーー、小麦粉、豚の油、砂糖、水、卵を用意したら、作業台の天板に並べだす。
 「お持ちしました。」
 そこへブランモンが荷物を両手に抱えて戻って来るや否や、調理器具ーー、ヘラ、ボウル、ざる、などを同様に置いていた。さらには視線を動かし、作業台の品々を見たら、
 「これは、もしや。」
 と、思わず言葉を漏らしていた。
 「しぃー。」
 するとサーラは、人差し指を唇に添える仕草をしだし、
 「良いから、このまま釜戸に火をくべて余熱しといて。…」
 と、指示を付け加えていた。
 対してブランモンも一度だけ頷くと、何も言わずに指示された通りに動き出した。薪を竈にくべていき、火を付ける作業に取りかかる。
 それをサーラも見届けると、ようやく調理に移りだす。
 まずは小麦粉をざるにあけつつ、小刻みに振りながらボウルの中に入れていく。やがて粉の粒が均一になっていた。さらには、別のボウルでは豚の油をヘラで練る様に混ぜたり、他の皿に卵を割り入れて解きほぐしたりと、材料の下拵えをしていく。
 その様子を、メローナはまじまじと見つめるが、唐突に質問をぶつけてくる。
 「これっぽっちの材料で、お菓子が作れますの?」
 「うん。」
 とサーラは、矢継ぎ早に返事をしつつも、次の工程に取りかかった。豚の油が入ったボウルに砂糖を入れると、中身を練り合わせる様にヘラで混ぜていって全体が白くなったところで、今度は卵を複数回に分けてボウルに注ぎ入れながら混ぜていく。だいたい三回まで同じ作業を繰り返すと、ボウルの中身は黄色くなり、もったりとした感触になっていた。さらには小麦粉を加えて、さっくりとヘラで混ぜ合わせると、最終的に手で丸めて、一つの丸い塊にしていた。こうして生地の元が完成するのだった。
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