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2話 四章 手作りクッキー/すみれ茶
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「あたし、此処のキッチン見てみたい!…行ってきます!!」
それから彼女は、すぐに行動に移りだした。地面から立ち上がるや否や、屋敷の方に向かって勢いよく走り出した。
瞬く間に遠ざかってしまう。
と、村長は苦笑いしながら見送っている。
「…あぁ、気を付けてな。」
「あ、あ~!…ねぇ~!」
さらには、ようやくアリサも気がつき、慌ててハイハイして後を追いかけようとする。
「…ほら、アリサ。…あんたは、此方に来なさいな。」
だが、ばあ様が即座に抱き抱えてしまい、あやしだす。
「やぁぁぁぁ!!?」
その直後、アリサの大きな声が、辺りに響き渡ったのだった。
※※※
そうしてサーラは、鼻歌交じりに歩きながら、屋敷の表口にまで戻ってきた。さらには、
「さて、…エピカさんは、何処かの?」
と、玄関の扉を開け放つ。
「ぎゃい!?」
「ほへ?」
すると次の瞬間に、扉の後ろからひしゃげた声がした。
さらに続け様に、トーニャが扉の影から姿を現した。おでこを手で擦っており、やや涙目になっている。どうやら扉が開いた時にぶつけたようだ。
その背後には、クッキーが姿勢良くしながら、お座りして待っていたのだった。
「だ、大丈夫?…」と、サーラは聞き返す。
トーニャは頷いて肯定しており、ようやく落ち着きを取り戻すと、ゆっくりと喋りだした。
「うん。…私も不注意でしたし、なんともない、…です。…それよりも、サーラ様。…少し御用がありますので、一緒に来てくれませんか?」
「え?…何で?」
「いや、あの。…どうしても付いてきてほしいです。」
「何処に?」
「えっと、…キッチンです。」
「別にいいけど。…行きたかったし。」
それをサーラは聞き、やや首を傾げて考え込んだが、最終的には了承していた。
「では、来てください。」
とトーニャが先導して歩きだす。
その後を、サーラも付いて行った。
そのまま彼女達が移動していくと、やや遅れてクッキーも後を追いかけたのだった。
それから彼女は、すぐに行動に移りだした。地面から立ち上がるや否や、屋敷の方に向かって勢いよく走り出した。
瞬く間に遠ざかってしまう。
と、村長は苦笑いしながら見送っている。
「…あぁ、気を付けてな。」
「あ、あ~!…ねぇ~!」
さらには、ようやくアリサも気がつき、慌ててハイハイして後を追いかけようとする。
「…ほら、アリサ。…あんたは、此方に来なさいな。」
だが、ばあ様が即座に抱き抱えてしまい、あやしだす。
「やぁぁぁぁ!!?」
その直後、アリサの大きな声が、辺りに響き渡ったのだった。
※※※
そうしてサーラは、鼻歌交じりに歩きながら、屋敷の表口にまで戻ってきた。さらには、
「さて、…エピカさんは、何処かの?」
と、玄関の扉を開け放つ。
「ぎゃい!?」
「ほへ?」
すると次の瞬間に、扉の後ろからひしゃげた声がした。
さらに続け様に、トーニャが扉の影から姿を現した。おでこを手で擦っており、やや涙目になっている。どうやら扉が開いた時にぶつけたようだ。
その背後には、クッキーが姿勢良くしながら、お座りして待っていたのだった。
「だ、大丈夫?…」と、サーラは聞き返す。
トーニャは頷いて肯定しており、ようやく落ち着きを取り戻すと、ゆっくりと喋りだした。
「うん。…私も不注意でしたし、なんともない、…です。…それよりも、サーラ様。…少し御用がありますので、一緒に来てくれませんか?」
「え?…何で?」
「いや、あの。…どうしても付いてきてほしいです。」
「何処に?」
「えっと、…キッチンです。」
「別にいいけど。…行きたかったし。」
それをサーラは聞き、やや首を傾げて考え込んだが、最終的には了承していた。
「では、来てください。」
とトーニャが先導して歩きだす。
その後を、サーラも付いて行った。
そのまま彼女達が移動していくと、やや遅れてクッキーも後を追いかけたのだった。
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