~前世の知識を持つ少女、サーラの料理譚~

あおいろ

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2話 一章 オムパスタ

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 やがて、鍋から湯気が立ち込める。中の水は沸騰していた。
 するとサーラは別の小さな鍋も用意した。二つの鍋に湯を半分ずつ分けていき、別々の具材を茹でていく。
 片方には、麺と一摘まみの塩を入れ、手早くかき混ぜたら、約十分間は火を通す。
 もう片方には、大匙の半分程度の塩を投入したら、鳥のささみの処理をする。鍋は既に火から離してある。後は余熱で約五分は火を通していき、次第にささみが白く変色しきると引き上げて、皿の上に置いておき粗熱を取り除く。ついでに麺も茹で上がると、同じ様に鍋から出して水気を取ってから、別の皿に移した。
 「あっち、ち。」
 とサーラは指先がヒリヒリした、耳たぶを摘まんで冷やしつつ、次の工程を行う。包丁で玉葱を微塵切りにしたら、片手調理鍋に入れて油を注いで、しんなりするまで炒めていく。さらには、ささみをほぐしながら加え、塩で味を整えていた。最後に溶き卵で閉じながら、かき混ぜて炒り卵を焼き上げると、仕上げに麺の上に乗せたのだった。
 そうして、オムパスタが完成した。因みにアリサの方は、麺は短く細々と切って食べやすくしてある。
 すぐさまサーラは、食卓に運んでいく。
 「アリサちゃん。…ご飯よ。」
 「まん、ま。…」
 とアリサは呟きつつ、身をよじって動こうとするも、サーラによって抱えられ、幼児用の椅子に座らされる。
 そのまま二人は食卓を囲み、食事を開始した。
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