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エピローグ 新しい家族と、赤ん坊の名前。

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 「あぁ。…まだ本調子ではないけれどね。…でも今では食欲も多少は戻ってきたし、前よりも体力もついて動ける様になったよ。…それもこれも、あの日の後にもサーラが料理を用意してくれたからだよ。」
 「えぇ。……貴女の料理って、マリーさんの味とそっくりだから、つい懐かしくて食べてしまっていたわ。」
 「…もう感謝してもしきれない。」
 「ふふ、…そうね。」
 と、リリャーも呟きながら、頷いて同意しているようだ。
 「いやぁ、そんな。そんな。」
 サーラは頬を掻いて照れくさそうにしている。手を横に振りながら否定しながら、謙遜している。
 そんな様子を、アニタとリリャーは微笑ましそうに眺めていたが、やがて互いに一瞥して意思を示し合わせているようだ。
 すると今度はリリャーが徐に前へと出てきた。すぐさまサーラの目の前で跪くと、目線の高さに合わせながら話しをしだした。
 「…ねぇ、サーラちゃん。…厚かましいけど貴女にしか頼めない事があって、…また少しの間だけ、この子を預かってくれないかしら?」
 「え、何で?」とサーラも聞き返し、耳を傾ける。
 「…あの後ね、…サーディン様やエピカ様と話をして、今後の事が決まったの。…あと数日したら私は街に移って、お医者様の治療を受ける事になるんだけど…。…でも、しっかり治療には専念しなくちゃならないから、…この子を預かってくれる人が必要なの。」
 「それで、私に?」
 「…最初はエピカ様も、自分達の家で預かろうかって申し出てくれたんだけど、…やっぱり勝手が分からないと大変だろうって事になってね。…貴女になら安心して任せられると思って。」
 とリリャーは言いつつ、最後に「どうか、お願いできないかしら?」と頭を下げて頼み込んできた。
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