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7話 思い出のアップルパイ

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 それから領主達は、村長の説明を耳にすると、ようやく事情を理解した。
 「成る程、…そうでしたか。」
 「確かに、それはいけませんわ。」
 「しかし、実際に出来るのですか?」
 「そう言われると、ワシも半分は信じられないんですがね。」
 「うぅむ。…しかし今の我々に、何か出来る手立てがある訳ではないですし、…やれる事を試してみるしかないですかな。」
 「サーラちゃん、宜しくお願いするわね。」と、エピカが目線を合わせて言う。
 「のじゃ!」「あう?…」
 とサーラは元気に答えて了承し、お玉を高く掲げている仕草をしていた。因みに赤ん坊も、真似をしてみているようだった。
 「よし、じゃあ。…それぞれの作業にかかってくれ!」
 それに続けて、村長も声を張り上げて、周りに呼び掛ける。
 すぐさま村人達も動き出し、散り散りになって準備を始めたのだった。

 ※※※

 それから程なくして、村の広場には見慣れた馬車が停車した。
 御者台に乗っているのは、商人達である。村によく来るメンバーだ。
 「よいしょっと、…」
 真っ先に若い商人が颯爽と降りて来て、辺りを見渡し呼び込みをかけようとしていたが、すぐに馬車の方を振り返って、大声をあげる。
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