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7話 思い出のアップルパイ

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 「サーラちゃんのお父さんですか!?…顔を上げてください。」
 「そ、そうですよ!…」
 だが、ロンドは決して顔を上げない。頑なに同じ姿勢のままでおり、「お願いします」と、繰り返しており、自分の主張を述べている。
 「…そちらにも事情や考えがあるのは、わかっています。…けれど勝手な事を言うようですが、…何も言わずに、この場の成り行きを見守ってあげください。」
 「…な、何で。どうして、そこまで必死なのです?」
 「えぇっと、…。」
 「たかが、子供が料理するだけなのに。…そんなに重要な事なんですか?」
 「私も、上手く説明できませんが。…多分、必要な事なんです。…そうすれば、領主様達が求めている答えも、きっと得られるかと。」
 「なんで、そう言いきれるのです?」
 「…私の、…大事な娘の事だからです。……」
 「…………。」
 そんな彼の言葉に、領主達は互いに顔を見合せると、何も言わなくなった。やや表情では納得していないものの、根負けしてしまったようだった。
 「仕方ないですね。…わかりました。」と、サーディンが再び向き直ると、代表して答えた。
 それに村人達は、思わず安堵の溜め息を吐く。特にアニタとハンター達は、額の冷や汗を拭っていた。
 すぐにケリーと夫のジョーが、どさくさ紛れに動き出し、ロンドの両脇を抱えて後ろに引きずりながら、下がっていのだった。
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