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7話 思い出のアップルパイ

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 しかし領主達は苦い表情のままである。今度はサーディンが代わりに口を開き、言葉を発した。
 「赤ん坊か。…どうして君らは、そこまで加担出来るのだ?」
 「えっと、…?」
 「なに?…どういう意味?」
 「…普通は、厄介事など嫌だろう。…ましてや、その赤ん坊は君達とは最初は関係なかっただろう。…どうして、血の繋がりもないのに家族みたいなものだなんて、ハッキリと言えるんだ?」
 「サーディン兄さん。…」
 「そんな事を言えば、…本当の血縁の私達は、何なんだ?……私達だって、どうにかしてやりたいさ。……だけど今回の事を知って、未だに心の何処かでは、…鬱陶しいとさえ思っているんだよ。…いったい、私達と君達と、何が違うんだ!!?」
 それは、まるで独白のようだった。
 「…あぁ、成る程ね。」
 「俺達も、前はそうだったな。」
 「でも、さぁ。…」
 「あぁ、サーラが頑張っているのにさ、…知らん顔できなくなってなぁ。」
 その様子に、一部の村人達は互いに囁く様に会話していた。なんとなくサーディンの様子に既視感を感じており、自然と人知れずに納得していていた。
 次第に辺りには、静けさが漂いだした。
 「あの!!」
 だが、ふと誰かが大きな声で呼び掛けてきた。聞き覚えのある声だ。
 そちらへと全員が振り返る。するとロンドが此方に寄ってくる姿を見た。
 彼は他のハンター達を押し退けてきて、領主達の目の前にやってきて、
 「領主様達、…どうか、娘の気が済む様にやらせてください!!」
 と言いながら、その場で両膝を地面に付き、頭を下げて懇願した。とても綺麗に踞っており、額を土や砂利に擦り付ける。
 周りの村人達はギョッと驚いてしまい、表情が固まった。
 「お父ちゃん!?!」とサーラも思わず、大きな声で呼び掛けた。
 同様に領主達も、慌てふためいてしまう。
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