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間章 驚愕な話

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 サーラとアニタは急いで走っていた。さらにハンター支部の扉を開けて外へと出て、村の広場の方に視線を向けると、驚愕の表情となった。
 村の広場は騒然としていた。殆どの村人達が集まっており、取り囲む様に並びながら同じところを見ている。
 その視線の先には豪華な馬車があり、執事服の初老の男性が、ワゴンの扉を開けていた。
 すると中から、中年くらい男性と女性が姿を現した。どちらも見目麗しく、互いに全く瓜二つ容姿をしており、違うのは性別くらいだった。
 それぞれ長い黒髪と茶褐色の両目や白い肌をしており、中性的な顔立ちだ。また背が高くスラリとした背格好で、豪華な服装を身に纏っている。青地に金糸をあしらう衣装がとても似合っていた。
 「あんれまぁ。…」「凄いね。」と、村の誰も彼もが見とれ、囁く様に会話をしている。
 そこへ、すかさず中年男性の方が、大きな声で喋りだした。
 「…お集まりの皆さん、初めまして。」
 「…は、初めまして。」「んだ。…初めまして。…」
 「私の名前は、サーディン・L・アウグスト。…アウグスト侯爵家の嫡男にして現当主であり、…此処から南へ行った港町、【ネオマルフィア】の自治を任される領主であります。…そして隣にいるのは、双子の妹で領主の補佐であります、…」
 「…エピカ・L・アウグストです。…この度は、お騒がせして申し訳ありません。…突然の訪問ながら、勝手をお許しください。」
 「いえいえ。」「そんな遠い所から態々、ご足労してもらいまして。」
 「あぁ、あまり畏まらずに。…いつもの様に楽にしてください。」
 「すんませんなぁ。…」「私ら、あんまり言葉知らないんで、助かります。」
 と、村人達は話に耳を傾けながら、受け答えしていく。
 やがて村長夫妻が前に出てくると、代表して話をしだした。
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