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4話 野菜のポトフ
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そんな様子をサーラは見届けた後、次の行程から再び調理に加わっていく。
すぐさま釜戸に火を起こすと、水を張った鍋を温めていき、
「それでは、…今日のメニューのポトフを作りたいと思います。…」
と言いながら、まな板の上で別に纏めていた野菜の皮などを麻布と紐で包んでから、鍋の中に投入する。やがて湯が沸騰してくると、上澄みの部分に灰汁が出てきたので、お玉で丁寧に時間を掛けて掬い取る。すると次第に、液体のが黄金色に変わった。
「これは何だい?」
「ブイヨンよ。」
「ブイ…?」
「…野菜の出し汁よ。」
「だ、出し汁?…野菜のクズからも出るのかい?」
「寧ろ、野菜とかは皮とかの方が栄養や旨味が多いのよ。…それよりもアニタさん。…こっちの鍋に油と、さっき切った野菜を入れて貰える?」
「…あぁ、わかったよ。」
とアニタは感心しつつ返事したら、用意した少量の油と先程の切り揃えた具材を、別の鍋に入れてから手渡した。
それをサーラは受けとると、すぐさま釜戸の別口に置いて火に掛けていき、ヘラで全体を混ぜながら炒めていく。ジュウジュウと音がして火が通ってきたら、小皿に一杯分を取り分け、残りに塩を振りかけて味付けして、最後に具材が浸るまで鍋の中にブイヨンを混ぜ入れて煮込んでいったのだった。
すぐさま釜戸に火を起こすと、水を張った鍋を温めていき、
「それでは、…今日のメニューのポトフを作りたいと思います。…」
と言いながら、まな板の上で別に纏めていた野菜の皮などを麻布と紐で包んでから、鍋の中に投入する。やがて湯が沸騰してくると、上澄みの部分に灰汁が出てきたので、お玉で丁寧に時間を掛けて掬い取る。すると次第に、液体のが黄金色に変わった。
「これは何だい?」
「ブイヨンよ。」
「ブイ…?」
「…野菜の出し汁よ。」
「だ、出し汁?…野菜のクズからも出るのかい?」
「寧ろ、野菜とかは皮とかの方が栄養や旨味が多いのよ。…それよりもアニタさん。…こっちの鍋に油と、さっき切った野菜を入れて貰える?」
「…あぁ、わかったよ。」
とアニタは感心しつつ返事したら、用意した少量の油と先程の切り揃えた具材を、別の鍋に入れてから手渡した。
それをサーラは受けとると、すぐさま釜戸の別口に置いて火に掛けていき、ヘラで全体を混ぜながら炒めていく。ジュウジュウと音がして火が通ってきたら、小皿に一杯分を取り分け、残りに塩を振りかけて味付けして、最後に具材が浸るまで鍋の中にブイヨンを混ぜ入れて煮込んでいったのだった。
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