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4話 野菜のポトフ

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 それから施設の中は静まり返っていた。やや陰鬱とした雰囲気が漂い、のし掛かる空気が重く感じる。
 アニタは話を終えた後は、俯きながら微動だにしていない。
 周囲の大人達は黙ったまま、互いに困った表情の顔を見合せている。
 対してサーラは、心配そうにアニタの方を見つめているようだったが、
 「それから、お姉さんはどうしたんですか?」
 と、首を傾げながら質問をしだす。
 アニタは顔をあげると、おもむろに上着のポケットをまさぐり、一枚の折り畳まれた紙を差し出してきた。
 「…その後に私は、彼方此方を転々と訪れて、周りの街や村で彼女の目撃証言を募ったんだ。…これが、その形跡を纏めた地図よ。」
 それをサーラは受けとると、器用に片手で開いて、紙の内側の表面をなぞる様に眺めだす。さらに後ろからも、大人達が覗き込んできた
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