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3話 蜂蜜の猪ステーキ

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 「さぁ、寄ってって!!…今日は南の方からいい品を持ってきたよ。」
 その言葉に感化され、次々に御婦人達は我先にと買い物をする。
 「くださいなぁ!」
 とサーラも、すぐさま人と人の間を縫うように通り抜けて最前列に躍り出ていき、若い商人の側に寄っていく。
 「おぉ!!…いつも来ている目利きの良い嬢ちゃんか、…いらっしゃい。」
 と若い商人も気がついて、振り向き様に返事をしてきた。だが、すぐに不思議そうな表情で首を傾げて質問してきた。
 「あれ、嬢ちゃん?…この前は来た時は、そんなちっこい子なんて背負ってなかっただろう。…どうしたんだい?」
 「この子は、あたしの家で昨日から一緒に住んでるのよ。…よろしくね、おじさん。」
 「はぁ、…そうなのかい。…宜しくな、弟くん。」
 「むぅ、違うわ。…この子は女の子よ。」
 「あれま、妹ちゃんかい。…」
 「全くもう、間違えないでよ。」
 だが今の言葉で、サーラは答えつつも頬を膨らませながら口をすぼめて文句を言う。やや不機嫌になったようだった。
 「ぶーぶー」
 そんな様子を見て、若い商人は苦笑いを浮かべながら取り繕いだす。
 「あぁ、そいつはお得意さんに対して、悪い事したな。…わかったよ、お詫びに安くしとくからさ。…機嫌治しておくれよ。」
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