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1話 芋餅
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ピー、チチチ。
外からは、小鳥の囀ずる声がする。
徐々に昇る朝日の光が、窓やカーテンの隙間から射し込む。
ここは北の山の麓にある小さな村の外れ、その一角にある最も築年数が古い民家。二階には小さく狭く質素ながらも、造りのしっかりした部屋がある。
そこの窓際には、机と簡素なベッド。床面には薄くて少しボロい掛け布団があり、こんもり盛り上がっていて、布の擦れる音がする。
やがて布団が捲れると、中から小さく細い手足が見え、ゆっくりとした動きで少女が、
「ふわぁぁ、…」
と欠伸をしながら姿を現した。身体を起こして伸ばし、まだ寝ぼけた意識を覚醒させている。
彼女の名前はサーラ。十歳である。癖っけが強くて長い銀髪と緑色の両目が特徴的で、肌は陶磁器のように優美で白かった。小柄で強く触れれば折れてしまいそうな華奢な体躯である。
そんな彼女の朝は早い。ほぼ日の出と共に起床すると、ゆったりとした麻のワンピースに着替え、よく髪を鋤いて身支度を整えていく。終わるや否や、すぐさま部屋を出ていき、階段を駆け下りて行った。
外からは、小鳥の囀ずる声がする。
徐々に昇る朝日の光が、窓やカーテンの隙間から射し込む。
ここは北の山の麓にある小さな村の外れ、その一角にある最も築年数が古い民家。二階には小さく狭く質素ながらも、造りのしっかりした部屋がある。
そこの窓際には、机と簡素なベッド。床面には薄くて少しボロい掛け布団があり、こんもり盛り上がっていて、布の擦れる音がする。
やがて布団が捲れると、中から小さく細い手足が見え、ゆっくりとした動きで少女が、
「ふわぁぁ、…」
と欠伸をしながら姿を現した。身体を起こして伸ばし、まだ寝ぼけた意識を覚醒させている。
彼女の名前はサーラ。十歳である。癖っけが強くて長い銀髪と緑色の両目が特徴的で、肌は陶磁器のように優美で白かった。小柄で強く触れれば折れてしまいそうな華奢な体躯である。
そんな彼女の朝は早い。ほぼ日の出と共に起床すると、ゆったりとした麻のワンピースに着替え、よく髪を鋤いて身支度を整えていく。終わるや否や、すぐさま部屋を出ていき、階段を駆け下りて行った。
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