48 / 55
第四十八話 闇の者
しおりを挟む
─北の大森林─
それは突然だった。
爆発音と共に、要塞の警報アラートが鳴り響く。
時刻にして、明け方の3時といった所だろう。
それぞれの部屋から飛び出て来る三人。
緊急アラートが鳴った時の決め事として、すぐに中央の大部屋に集まるという事。
三人が食事をとった場所だ。
三人はほぼ同時に部屋へ到着し、アストルテが状況確認の為に、要塞の外にいる駆動騎士の視線を映像魔法で映し出す。それと同時に、外部の全景を映し出す映像も出力した。
「何もいない・・・?」
全ての映像を確認するが、そのどれにも魔獣の姿が映ってはいなかった。
「地雷魔法で即死したのではありませんか?」
地雷魔法の爆発力は強力だが、それで外壁が傷つかない設計になっている。
「警報が鳴ったという事は・・・やはり駆動騎士が破壊されているわね」
アストルテが指差す先には、10機分の映像を映し出しているが、映像が乱れているものが2つある。
2機の駆動騎士が破壊されたという事だ。
「破壊とほぼ同時に地雷魔法が発動してるわ。かなりの破壊力を持った魔獣のようね」
「私が始末してこよう」
出て行こうとするミシュールをスズムラが引き止める。
「もう少し情報を収集しましょう。戦場でこれだけ情報を得る機会があるのです。活用しない手はありません」
「そうね。もう少し確認しましょう。下には駆動騎士もまだ残っているのだし」
あと8機の駆動騎士が残っており、周囲の索敵をさせている。
三人が全ての映像に注意を向ける。
「ん・・・?あの黒い陰は・・・何だ?」
ミシュールが指差す映像は、全景を映し出したものだ。
周囲300メートルを見渡す事ができる。
砦から少し離れた場所から、ゆっくり近づいてくる黒いものがある。
「人影・・・か?」
「人のようにも見えますね」
「まさか。ここは人類未踏の地よ、人がいる訳ないでしょう」
人の形をした魔獣となると、ゴブリンか?
オーガやハイオーガとなると、遥かに体格が大きくなるので、このサイズには当てはまらない。
ゴブリンにしては大きい、しっかりと二足歩行しているようにも見える。
となると、ゴブリンロードと呼ばれる希少種だろうか。
しかし、ゴブリンロードは知識が増えるだけで、体がハイオーガのように頑強になる訳ではない。
この砦の地雷魔法の直撃を受ければ、簡単に粉々になるだろう。
その黒い人型が歩いて来る。
「駆動騎士よ、始末しなさい」
アストルテの指令を受け、8機全てがその黒い人型に殺到する。
それぞれが手に持った、ミスリルソードで切りつける。
それはアストルテの魔法で強化された剣。魔獣程度は簡単に切り裂く一撃だ。
ガシャアァァッッンと音を立て、全ての駆動騎士がバラバラに破壊される。
まるで苦も無く、あまりにもあっさりと破壊された。
その動きはやはり魔獣ではない。ゴブリンでも無い。人に近いが人間では無いはずだ。
これだけ接近しているにも関わらず、その姿は黒い人型としか言いようが無い。
「普通じゃないわね、私が片付けてくるわ」
アストルテが出て行く。その後をミシュールがついて行く。
「スズムラはそこで待っていてくれ」
「任せてちょうだい」
二人が出て行く。
「では・・お二人にお任せします」
二人の背中にスズムラが声をかけた。
こういう時こそ男の出番のハズだが、このチームは血気盛んな女性ばかりだ。
外に出ると、まるで二人が出て来るのを待っていたように、その黒い影は静かにその場に佇んでいた。
二人から黒い影まで、距離にして30メートルといった所か。
「何処を見ている」
上空に顔を向けているようだが、目が無いので何処を見てるのかは分からない。
「監視魔法に気付いたようね」
監視魔法に気付き、更にその先を見通そうとしているような、そんな感じを受ける。
ふと思い出したように、黒い影が二人に顔を向ける。
「黒い人型・・・か。得たいが知れんな。だが、その好戦的なオーラは隠しきれていないぞ?」
こんな魔獣など見た事も聞いた事も無い。
完全に新発見の魔獣だろう。やはり人類未踏の地だ、何が潜んでいるか分かったものではない。
しかし・・・そもそもこいつは魔獣なのだろうか?
ミシュールが剣を抜き放ち、全身を莫大なオーラで覆う。
アストルテも自身をオーラで覆い、右手を突き出し莫大な魔力でもって魔法陣を描く。
「消えなさい。崩壊獄炎熱砲」
アストルテから放たれた巨大な炎の熱線が、凄まじい速度で黒い影に直撃する。
着弾した付近の地面が溶解するほどの熱量。
ゴポゴポと泡立つ場所から歩み出てくる黒い影。
その様子から、全くダメージを負ったようには見えない。
「仕方無いわね。ちょっと本気でいくわ」
アストルテが両手を前に突き出し、先ほどの単一魔法陣とは違い、9つもの魔法陣が発現し、それらが連結されていく。
周囲に風を巻き起こすほどの魔力の波動を放ち、魔法陣が力を解放する。
「殲滅極大炎獄魔法!!!」
それはまるで古竜の放つ竜破滅砲。
大きな城門ですら通れないほど巨大な極太の熱線が、黒い影に直撃して貫通し、その背後の大森林の木々をなぎ倒しながら突き進む。そして数km先で大爆発を起こし、その衝撃波がここまで伝わってくる。
「なんという破壊力だ・・」
驚愕の表情を浮かべるミシュール。
凄まじい破壊力の魔法の直撃を受け、それでもなお、かろうじて動く黒い影。
体の半分が吹き飛んでおり、頭部も左腕も無い有様なのにだ。右腕はかろうじて繋がっている程度で、もはやただぶら下がっているだけだろう。
「くたばれ、化け物」
ミシュールが接近すると、全力で切りつけた。
その手に伝わる重い感触。まるで巨大な魔獣に切りつけているかのような感触だ。
それに構わず、ミシュールはその黒い影の全身を、超高速の刃で切り刻む。
黒い影を細切れにした頃、ギィィンッという音を立て、ミシュールの剣が折れて地面に突き刺さった。
「・・・ちっ」
柄だけになった、長年愛用していたミスリルソードを見つめる。
研ぎ直して刃こぼれの無かった剣だったのだが、オーラで強化したにも関わらず、あの黒い影の強度に耐えられなかったか。
「後で直してあげるわ」
「──ああ、すまない」
一直線に熱線の通った場所が焼け野原となっている。
パチパチと生木が焼けて爆ぜる音がする。
遥か遠くでは魔法の爆発で巻き上げた粉塵が舞っている。
朝日が顔を覗かせ、日の光を浴びながら二人はしばらく、黒い影が粒子になって消えて行くのを静かに見つめていた。
それは突然だった。
爆発音と共に、要塞の警報アラートが鳴り響く。
時刻にして、明け方の3時といった所だろう。
それぞれの部屋から飛び出て来る三人。
緊急アラートが鳴った時の決め事として、すぐに中央の大部屋に集まるという事。
三人が食事をとった場所だ。
三人はほぼ同時に部屋へ到着し、アストルテが状況確認の為に、要塞の外にいる駆動騎士の視線を映像魔法で映し出す。それと同時に、外部の全景を映し出す映像も出力した。
「何もいない・・・?」
全ての映像を確認するが、そのどれにも魔獣の姿が映ってはいなかった。
「地雷魔法で即死したのではありませんか?」
地雷魔法の爆発力は強力だが、それで外壁が傷つかない設計になっている。
「警報が鳴ったという事は・・・やはり駆動騎士が破壊されているわね」
アストルテが指差す先には、10機分の映像を映し出しているが、映像が乱れているものが2つある。
2機の駆動騎士が破壊されたという事だ。
「破壊とほぼ同時に地雷魔法が発動してるわ。かなりの破壊力を持った魔獣のようね」
「私が始末してこよう」
出て行こうとするミシュールをスズムラが引き止める。
「もう少し情報を収集しましょう。戦場でこれだけ情報を得る機会があるのです。活用しない手はありません」
「そうね。もう少し確認しましょう。下には駆動騎士もまだ残っているのだし」
あと8機の駆動騎士が残っており、周囲の索敵をさせている。
三人が全ての映像に注意を向ける。
「ん・・・?あの黒い陰は・・・何だ?」
ミシュールが指差す映像は、全景を映し出したものだ。
周囲300メートルを見渡す事ができる。
砦から少し離れた場所から、ゆっくり近づいてくる黒いものがある。
「人影・・・か?」
「人のようにも見えますね」
「まさか。ここは人類未踏の地よ、人がいる訳ないでしょう」
人の形をした魔獣となると、ゴブリンか?
オーガやハイオーガとなると、遥かに体格が大きくなるので、このサイズには当てはまらない。
ゴブリンにしては大きい、しっかりと二足歩行しているようにも見える。
となると、ゴブリンロードと呼ばれる希少種だろうか。
しかし、ゴブリンロードは知識が増えるだけで、体がハイオーガのように頑強になる訳ではない。
この砦の地雷魔法の直撃を受ければ、簡単に粉々になるだろう。
その黒い人型が歩いて来る。
「駆動騎士よ、始末しなさい」
アストルテの指令を受け、8機全てがその黒い人型に殺到する。
それぞれが手に持った、ミスリルソードで切りつける。
それはアストルテの魔法で強化された剣。魔獣程度は簡単に切り裂く一撃だ。
ガシャアァァッッンと音を立て、全ての駆動騎士がバラバラに破壊される。
まるで苦も無く、あまりにもあっさりと破壊された。
その動きはやはり魔獣ではない。ゴブリンでも無い。人に近いが人間では無いはずだ。
これだけ接近しているにも関わらず、その姿は黒い人型としか言いようが無い。
「普通じゃないわね、私が片付けてくるわ」
アストルテが出て行く。その後をミシュールがついて行く。
「スズムラはそこで待っていてくれ」
「任せてちょうだい」
二人が出て行く。
「では・・お二人にお任せします」
二人の背中にスズムラが声をかけた。
こういう時こそ男の出番のハズだが、このチームは血気盛んな女性ばかりだ。
外に出ると、まるで二人が出て来るのを待っていたように、その黒い影は静かにその場に佇んでいた。
二人から黒い影まで、距離にして30メートルといった所か。
「何処を見ている」
上空に顔を向けているようだが、目が無いので何処を見てるのかは分からない。
「監視魔法に気付いたようね」
監視魔法に気付き、更にその先を見通そうとしているような、そんな感じを受ける。
ふと思い出したように、黒い影が二人に顔を向ける。
「黒い人型・・・か。得たいが知れんな。だが、その好戦的なオーラは隠しきれていないぞ?」
こんな魔獣など見た事も聞いた事も無い。
完全に新発見の魔獣だろう。やはり人類未踏の地だ、何が潜んでいるか分かったものではない。
しかし・・・そもそもこいつは魔獣なのだろうか?
ミシュールが剣を抜き放ち、全身を莫大なオーラで覆う。
アストルテも自身をオーラで覆い、右手を突き出し莫大な魔力でもって魔法陣を描く。
「消えなさい。崩壊獄炎熱砲」
アストルテから放たれた巨大な炎の熱線が、凄まじい速度で黒い影に直撃する。
着弾した付近の地面が溶解するほどの熱量。
ゴポゴポと泡立つ場所から歩み出てくる黒い影。
その様子から、全くダメージを負ったようには見えない。
「仕方無いわね。ちょっと本気でいくわ」
アストルテが両手を前に突き出し、先ほどの単一魔法陣とは違い、9つもの魔法陣が発現し、それらが連結されていく。
周囲に風を巻き起こすほどの魔力の波動を放ち、魔法陣が力を解放する。
「殲滅極大炎獄魔法!!!」
それはまるで古竜の放つ竜破滅砲。
大きな城門ですら通れないほど巨大な極太の熱線が、黒い影に直撃して貫通し、その背後の大森林の木々をなぎ倒しながら突き進む。そして数km先で大爆発を起こし、その衝撃波がここまで伝わってくる。
「なんという破壊力だ・・」
驚愕の表情を浮かべるミシュール。
凄まじい破壊力の魔法の直撃を受け、それでもなお、かろうじて動く黒い影。
体の半分が吹き飛んでおり、頭部も左腕も無い有様なのにだ。右腕はかろうじて繋がっている程度で、もはやただぶら下がっているだけだろう。
「くたばれ、化け物」
ミシュールが接近すると、全力で切りつけた。
その手に伝わる重い感触。まるで巨大な魔獣に切りつけているかのような感触だ。
それに構わず、ミシュールはその黒い影の全身を、超高速の刃で切り刻む。
黒い影を細切れにした頃、ギィィンッという音を立て、ミシュールの剣が折れて地面に突き刺さった。
「・・・ちっ」
柄だけになった、長年愛用していたミスリルソードを見つめる。
研ぎ直して刃こぼれの無かった剣だったのだが、オーラで強化したにも関わらず、あの黒い影の強度に耐えられなかったか。
「後で直してあげるわ」
「──ああ、すまない」
一直線に熱線の通った場所が焼け野原となっている。
パチパチと生木が焼けて爆ぜる音がする。
遥か遠くでは魔法の爆発で巻き上げた粉塵が舞っている。
朝日が顔を覗かせ、日の光を浴びながら二人はしばらく、黒い影が粒子になって消えて行くのを静かに見つめていた。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
この裏切りは、君を守るため
島崎 紗都子
恋愛
幼なじみであるファンローゼとコンツェットは、隣国エスツェリアの侵略の手から逃れようと亡命を決意する。「二人で幸せになろう。僕が君を守るから」しかし逃亡中、敵軍に追いつめられ二人は無残にも引き裂かれてしまう。架空ヨーロッパを舞台にした恋と陰謀 ロマンティック冒険活劇!
【完結】義妹とやらが現れましたが認めません。〜断罪劇の次世代たち〜
福田 杜季
ファンタジー
侯爵令嬢のセシリアのもとに、ある日突然、義妹だという少女が現れた。
彼女はメリル。父親の友人であった彼女の父が不幸に見舞われ、親族に虐げられていたところを父が引き取ったらしい。
だがこの女、セシリアの父に欲しいものを買わせまくったり、人の婚約者に媚を打ったり、夜会で非常識な言動をくり返して顰蹙を買ったりと、どうしようもない。
「お義姉さま!」 . .
「姉などと呼ばないでください、メリルさん」
しかし、今はまだ辛抱のとき。
セシリアは来たるべき時へ向け、画策する。
──これは、20年前の断罪劇の続き。
喜劇がくり返されたとき、いま一度鉄槌は振り下ろされるのだ。
※ご指摘を受けて題名を変更しました。作者の見通しが甘くてご迷惑をおかけいたします。
旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』
※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。
※本編完結済みで、毎日1話ずつ投稿していきます。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる