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積み上げる信頼
教え教えられ
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「わ、わた、わたしの、なは、く、くみる。くみると、いいます」
「そうか! 君は、クミルというのだな? クミル、私の名前は覚えているか?」
「※※※※※※。せんせい?」
「あぁ、そうか。貞江がそう呼ぶから、覚えてしまったんだな? それでも構わんか。でもなクミル。せんせいは、あだ名だ」
「あ、だ、な?」
「そう、あだ名。仮の名前だ」
「みかさ、えいじ?」
「そうだ、君は賢いな! それが私の名前だ」
青年はたどたどしく、覚えたての言葉で、自らの名を告げる。たった一日で、青年は自分の名前を言える程に、日本語を習得した。
昨日は、発音すらままならなかったのだ、どれだけの進歩かわかるだろうか?
クミルは、三笠が診療所を訪れなり、覚えたての日本語で、質問を浴びせる。三笠は、ゆっくりと丁寧に回答する。
説明に含まれる言葉の意味が、わからない時も有る。その場合クミルは、三笠の話しを中断させてでも、直ぐに質問をする。
そして三笠は、変わらずゆっくりと丁寧に、また身振りを交えて、言葉の意味を説明をする。時には、体を使って示す事で、理解を促す。
理解をすると、クミルは嬉しそうな笑顔を見せる。
熱心な教え子が出来たのだ、三笠にとっても、クミルと会うのが楽しみになっていた。
三笠が日本語を教える目的は、この世界に来た方法と、帰る方法、この二点を知る為である。
しかし三笠は、クミルから無理に聞き出そうとしなかった。
余程の事が有ったのは、さくらの話しからも想像できる。ただでさえ環境が変わったのだ、これ以上余計なストレスを与える必要は無い。
必ず、話してくれる時が来る、それを待てばいい。
三笠は会話を交えて、身の回りの事を中心に日本語を教えた。
クミルは、病院の施設を理解し、自由に動き回れる様になった。空調の操作方法を知り、窓ガラスの存在を知り、自動ドアの仕組みを知った。
クミルは、海綿が水を吸うように、知識を吸収していく。教師としては、教え甲斐が有るというものだ。
また、神の力ではなく、技術だと知ったクミルは、興味深く三笠の話しを聞いた。その意味では、施設の中は、クミルにとって宝箱の様な場所であろう。
ふかふかのベッドもさることながら、機械という真新しい出会いに囲まれている。
ちゃんと知れば、恐れる必要が無い。ベットの近くに置いてある医療器具も、自分を治療する為だとわかれば、安心できる。
しかし、そんなクミルを驚かせたのは、ウォシュレットであろう。
「※※※※※※!」
初めて体験した時には、思わず母国語で叫び声を上げた。
一応の説明は、三笠から受けていた。しかし、半分も理解出来なかった。日本語を学んでいる最中なのだ、それは仕方が無かろう。
三笠は、実際に体験した方が早いと考え、クミルに試させたのだ。
「せんせい、みず! たすけ、※※※※※※!」
「落ち着け、クミル! いいか! 一番先のボタンを押せ! 赤色のボタンだ! ボタンはわかるか?」
「ボタン? あか?」
「そうだ、右手に有る。わかるか?」
「はい、ある、ます」
「よし、それを押せ!」
「せんせい! みず、みず?」
「良いんだ。それで正解だ! 後は、トイレットペーパーで、尻を拭いて出て来なさい」
「ぺいぱ? しろ? これ?」
「そうだ、さっき教えた様に、それで尻の水気を取るんだ」
ドア越しにカラカラという音が聞こえる。その後、暫くしてから、ジャーという音が聞こえて来た。
教えた通りの事が出来たのだろう。
貞江は医師だ、他人の排泄物を見る事も、仕事の内であろう。
だが、クミルは子供ではない。他人に見られながらの排便は、気恥ずかしいどころか、嫌だと感じるのではなかろうか。
故に三笠は、トイレの使い方を教えた。
「ごい。ごい、です」
「すごい、と言いたいのか?」
「そう、すごい」
「そうか。これで、一人でトイレが使えるな?」
「……? ああ、そう。いける、くみる、わたし、ひとり、といれ、いける」
まるで宝物を発見した風に、輝いた表情を浮かべて、クミルはトイレから出て来る。
そして、三笠の問いかけに、少し首を傾げながらも、たどたどしく答えた。
そんな二人のやり取りを、背後から眺めていた貞江は、吹き出す様に笑い始める。
貞江に釣られて、クミルも笑う。
三笠はクミルと接して、人柄の片鱗を知り、誠実な男だと理解した。
また、真面目な性格に加え、努力家でもあるのだろう。更に言えば、勇敢な青年だ。
言葉も通じぬ、見知らぬ他人を受けれ入れるのは、誰もが出来る事ではない。
それが、たった一日ほど一緒に居ただけで、笑い合う事が出来る。こんなに素晴らしい事が、有るだろうか?
三笠は、その光景を愛おしいと感じていた。
☆ ☆ ☆
一方さくらの家では、親ガモを追う子ガモの様に、ギイとガアがさくらの後ろを、着いて回っていた。
昨日の会議で、住民達から一定の理解を得た。
しかしさくらは、直ぐにギイ達を、屋外に出すつもりはなかった。
屋内外問わず、至る所に危険が有る。ある程度の事は、教えないとならない。
クミルは、人間だ。自分の持つ知識と、新たな知識を擦り合わせる事で、ある程度は順応する事が出来るだろう。
しかし、ギイとガアは違う。
人間にとって日常的な事でも、ギイ達にとっての日常ではない。
見て真似るからといって、放置していいはずがない。正しい知識を教えて、経験を積ませなければ、危険を伴う事も有る。
この日、台所へ立つさくらを、ギイとガアは見ていた。自分達にも出来ると考えたのだろう。
ぴょんぴょんと飛び跳ねて、洗い物を手伝いたいと、さくらにアピールする。
それだけなら、まだいい。
ガス台や、包丁を触ろうともした。これは、正しい知識が無ければ、怪我では済まない。
その様子を見たさくらは、敢えて包丁で、指先を少し切って見せた。
直ぐに指先から、血が流れる。それを見たギイとガアは、顔を青ざめさせる。
「わかるかい? 危ないんだよ。無理しなくていい、ゆっくりと覚えればいい。これは、あんた達には、まだ早い」
さくらは包丁を片付けると、居間にギイとガアを連れて行き、絆創膏を取り出す。そして、絆創膏を指に張ると所までを見せる。
「わかるかい? 小さい怪我なら、これで血が止まるんだよ」
一連の行動を見て、ギイ達は理解したのだろう。コクコクと小さな頭を上下に動かした。
そんなギイ達の頭を、さくらは優しく撫でる。
「いいかい。ゆっくりと、覚えなさい。焦る必要はない。ゆっくりでいい。正しい知識を身につけなさい」
「ギャッギャギャ?」
「そうだよ、ゆっくりだよ」
「ガアガア、ガガガ?」
「そうだよ、正しい知識だよ」
流石に、言葉を真似は出来ないのだろう。また、言葉の意味を半分も理解しているか、定かではない。
しかしギイ達は、さくらのイントネーションを真似る。
またギイとガアは、食事の際に箸を使おうと頑張った。
箸を握って、おかずを刺す。それ位なら出来た。しかしさくらの様に、上手くは使えない。ギイ達は、少し悔しそうな表情を浮かべる。
そんなギイ達を、さくらは頭を撫でて褒めた。
「よく頑張ったね。まだまだなのは、これから覚えればいいんだ。焦らなくていい、すぐに上手く使える様になるよ」
食事の後は、食器を片付けるのを手伝った。運ぶだけなら出来るだろう。そう判断したから、さくらは見守った。
簡単な事なら、見て真似る事が出来る。それは、子供ながらに持つ僅かな経験で、補える範囲に限られるのだろう。
ギイ達の行動は、全てさくらが強制した事ではない。
ギイ達は、犬や猫とは違う、何も知らない子供とも違う。強制して、何かを教え込もうとすれば、必ず行き違う。
これまでの生活で、親から伝えられて来た事も有るだろう。その中には、大切な教えも有ったはず。それを無碍にしてはならない。
ギイ達は、人間ではない。これは、しっかりと頭に、叩き込まなければならない。
そうでなければ、必ず対応を間違える。ギイ達が伝えたい事を、理解してあげられない。
それこそ、ギイ達が山へ行ったのは、そこでなら自分達だけで暮らしていけると、判断したからであろう。
寧ろ、森の中に居る方が、ギイ達にとっては自然なはずだ。
家に住む、衣服を纏う、これは人間が作り上げた文化だ。ギイ達が当然に受け入れられると、考えてはいけない。
必要に迫られて、覚えなければならない。それは、容易な事では無いはず。
不満を口にしなくても、ストレスは感じているはず。
衣類を纏う事に対して、ギイ達は不満を口にしない。だが、受け入れる為に、何かしら心の動きが有ったはず。
それを汲み取るには、ギイとガアという存在を、ちゃんと理解しなければならない。
さくらの所作をじっくりと観察し、また言葉の意図を理解しようとする。
それはギイとガアが、今の生活に順応する為の努力なのだろう。
恐らく彼らは、理解している。特にクミルは、現実を受け止めている。
もう帰れない、ここで生きていくしかない。
現状を理解した上で、置かれた環境に馴染もうとする。
知る事、理解する事がどれだけ大変なのか。それを行う気力が、どれほど尊いものなのか。
だからこそ、一つずつ丁寧に、教える必要がある。
さくらと三笠は彼らと接する事で、真摯に向き合う大切さを、感じさせられた。
「そうか! 君は、クミルというのだな? クミル、私の名前は覚えているか?」
「※※※※※※。せんせい?」
「あぁ、そうか。貞江がそう呼ぶから、覚えてしまったんだな? それでも構わんか。でもなクミル。せんせいは、あだ名だ」
「あ、だ、な?」
「そう、あだ名。仮の名前だ」
「みかさ、えいじ?」
「そうだ、君は賢いな! それが私の名前だ」
青年はたどたどしく、覚えたての言葉で、自らの名を告げる。たった一日で、青年は自分の名前を言える程に、日本語を習得した。
昨日は、発音すらままならなかったのだ、どれだけの進歩かわかるだろうか?
クミルは、三笠が診療所を訪れなり、覚えたての日本語で、質問を浴びせる。三笠は、ゆっくりと丁寧に回答する。
説明に含まれる言葉の意味が、わからない時も有る。その場合クミルは、三笠の話しを中断させてでも、直ぐに質問をする。
そして三笠は、変わらずゆっくりと丁寧に、また身振りを交えて、言葉の意味を説明をする。時には、体を使って示す事で、理解を促す。
理解をすると、クミルは嬉しそうな笑顔を見せる。
熱心な教え子が出来たのだ、三笠にとっても、クミルと会うのが楽しみになっていた。
三笠が日本語を教える目的は、この世界に来た方法と、帰る方法、この二点を知る為である。
しかし三笠は、クミルから無理に聞き出そうとしなかった。
余程の事が有ったのは、さくらの話しからも想像できる。ただでさえ環境が変わったのだ、これ以上余計なストレスを与える必要は無い。
必ず、話してくれる時が来る、それを待てばいい。
三笠は会話を交えて、身の回りの事を中心に日本語を教えた。
クミルは、病院の施設を理解し、自由に動き回れる様になった。空調の操作方法を知り、窓ガラスの存在を知り、自動ドアの仕組みを知った。
クミルは、海綿が水を吸うように、知識を吸収していく。教師としては、教え甲斐が有るというものだ。
また、神の力ではなく、技術だと知ったクミルは、興味深く三笠の話しを聞いた。その意味では、施設の中は、クミルにとって宝箱の様な場所であろう。
ふかふかのベッドもさることながら、機械という真新しい出会いに囲まれている。
ちゃんと知れば、恐れる必要が無い。ベットの近くに置いてある医療器具も、自分を治療する為だとわかれば、安心できる。
しかし、そんなクミルを驚かせたのは、ウォシュレットであろう。
「※※※※※※!」
初めて体験した時には、思わず母国語で叫び声を上げた。
一応の説明は、三笠から受けていた。しかし、半分も理解出来なかった。日本語を学んでいる最中なのだ、それは仕方が無かろう。
三笠は、実際に体験した方が早いと考え、クミルに試させたのだ。
「せんせい、みず! たすけ、※※※※※※!」
「落ち着け、クミル! いいか! 一番先のボタンを押せ! 赤色のボタンだ! ボタンはわかるか?」
「ボタン? あか?」
「そうだ、右手に有る。わかるか?」
「はい、ある、ます」
「よし、それを押せ!」
「せんせい! みず、みず?」
「良いんだ。それで正解だ! 後は、トイレットペーパーで、尻を拭いて出て来なさい」
「ぺいぱ? しろ? これ?」
「そうだ、さっき教えた様に、それで尻の水気を取るんだ」
ドア越しにカラカラという音が聞こえる。その後、暫くしてから、ジャーという音が聞こえて来た。
教えた通りの事が出来たのだろう。
貞江は医師だ、他人の排泄物を見る事も、仕事の内であろう。
だが、クミルは子供ではない。他人に見られながらの排便は、気恥ずかしいどころか、嫌だと感じるのではなかろうか。
故に三笠は、トイレの使い方を教えた。
「ごい。ごい、です」
「すごい、と言いたいのか?」
「そう、すごい」
「そうか。これで、一人でトイレが使えるな?」
「……? ああ、そう。いける、くみる、わたし、ひとり、といれ、いける」
まるで宝物を発見した風に、輝いた表情を浮かべて、クミルはトイレから出て来る。
そして、三笠の問いかけに、少し首を傾げながらも、たどたどしく答えた。
そんな二人のやり取りを、背後から眺めていた貞江は、吹き出す様に笑い始める。
貞江に釣られて、クミルも笑う。
三笠はクミルと接して、人柄の片鱗を知り、誠実な男だと理解した。
また、真面目な性格に加え、努力家でもあるのだろう。更に言えば、勇敢な青年だ。
言葉も通じぬ、見知らぬ他人を受けれ入れるのは、誰もが出来る事ではない。
それが、たった一日ほど一緒に居ただけで、笑い合う事が出来る。こんなに素晴らしい事が、有るだろうか?
三笠は、その光景を愛おしいと感じていた。
☆ ☆ ☆
一方さくらの家では、親ガモを追う子ガモの様に、ギイとガアがさくらの後ろを、着いて回っていた。
昨日の会議で、住民達から一定の理解を得た。
しかしさくらは、直ぐにギイ達を、屋外に出すつもりはなかった。
屋内外問わず、至る所に危険が有る。ある程度の事は、教えないとならない。
クミルは、人間だ。自分の持つ知識と、新たな知識を擦り合わせる事で、ある程度は順応する事が出来るだろう。
しかし、ギイとガアは違う。
人間にとって日常的な事でも、ギイ達にとっての日常ではない。
見て真似るからといって、放置していいはずがない。正しい知識を教えて、経験を積ませなければ、危険を伴う事も有る。
この日、台所へ立つさくらを、ギイとガアは見ていた。自分達にも出来ると考えたのだろう。
ぴょんぴょんと飛び跳ねて、洗い物を手伝いたいと、さくらにアピールする。
それだけなら、まだいい。
ガス台や、包丁を触ろうともした。これは、正しい知識が無ければ、怪我では済まない。
その様子を見たさくらは、敢えて包丁で、指先を少し切って見せた。
直ぐに指先から、血が流れる。それを見たギイとガアは、顔を青ざめさせる。
「わかるかい? 危ないんだよ。無理しなくていい、ゆっくりと覚えればいい。これは、あんた達には、まだ早い」
さくらは包丁を片付けると、居間にギイとガアを連れて行き、絆創膏を取り出す。そして、絆創膏を指に張ると所までを見せる。
「わかるかい? 小さい怪我なら、これで血が止まるんだよ」
一連の行動を見て、ギイ達は理解したのだろう。コクコクと小さな頭を上下に動かした。
そんなギイ達の頭を、さくらは優しく撫でる。
「いいかい。ゆっくりと、覚えなさい。焦る必要はない。ゆっくりでいい。正しい知識を身につけなさい」
「ギャッギャギャ?」
「そうだよ、ゆっくりだよ」
「ガアガア、ガガガ?」
「そうだよ、正しい知識だよ」
流石に、言葉を真似は出来ないのだろう。また、言葉の意味を半分も理解しているか、定かではない。
しかしギイ達は、さくらのイントネーションを真似る。
またギイとガアは、食事の際に箸を使おうと頑張った。
箸を握って、おかずを刺す。それ位なら出来た。しかしさくらの様に、上手くは使えない。ギイ達は、少し悔しそうな表情を浮かべる。
そんなギイ達を、さくらは頭を撫でて褒めた。
「よく頑張ったね。まだまだなのは、これから覚えればいいんだ。焦らなくていい、すぐに上手く使える様になるよ」
食事の後は、食器を片付けるのを手伝った。運ぶだけなら出来るだろう。そう判断したから、さくらは見守った。
簡単な事なら、見て真似る事が出来る。それは、子供ながらに持つ僅かな経験で、補える範囲に限られるのだろう。
ギイ達の行動は、全てさくらが強制した事ではない。
ギイ達は、犬や猫とは違う、何も知らない子供とも違う。強制して、何かを教え込もうとすれば、必ず行き違う。
これまでの生活で、親から伝えられて来た事も有るだろう。その中には、大切な教えも有ったはず。それを無碍にしてはならない。
ギイ達は、人間ではない。これは、しっかりと頭に、叩き込まなければならない。
そうでなければ、必ず対応を間違える。ギイ達が伝えたい事を、理解してあげられない。
それこそ、ギイ達が山へ行ったのは、そこでなら自分達だけで暮らしていけると、判断したからであろう。
寧ろ、森の中に居る方が、ギイ達にとっては自然なはずだ。
家に住む、衣服を纏う、これは人間が作り上げた文化だ。ギイ達が当然に受け入れられると、考えてはいけない。
必要に迫られて、覚えなければならない。それは、容易な事では無いはず。
不満を口にしなくても、ストレスは感じているはず。
衣類を纏う事に対して、ギイ達は不満を口にしない。だが、受け入れる為に、何かしら心の動きが有ったはず。
それを汲み取るには、ギイとガアという存在を、ちゃんと理解しなければならない。
さくらの所作をじっくりと観察し、また言葉の意図を理解しようとする。
それはギイとガアが、今の生活に順応する為の努力なのだろう。
恐らく彼らは、理解している。特にクミルは、現実を受け止めている。
もう帰れない、ここで生きていくしかない。
現状を理解した上で、置かれた環境に馴染もうとする。
知る事、理解する事がどれだけ大変なのか。それを行う気力が、どれほど尊いものなのか。
だからこそ、一つずつ丁寧に、教える必要がある。
さくらと三笠は彼らと接する事で、真摯に向き合う大切さを、感じさせられた。
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