16 / 39
バレンタインデーのチョコ作り対決
しおりを挟む
「バレンタインか~。何が楽しいんだろう~」
おぅ。思わず口に出てしまった。しかも、チョコ売り場の前で。わいわい楽しそうにチョコを物色する女の子達の白い目が、私に突き刺さります。やばいです。怖いです。
多分ね、バレンタインデーって、ドキドキ感が良いんですよ。チョコを貰えるかどうかっていう、フワフワしてる男の子達。渡すの渡さないのって、一喜一憂する女の子達。ほのかな恋心ってやつですよ、ねっお客さん!
私? そりゃあ、私もれっきとした女ですよ。「そうじゃ無くて、チョコを渡さないの?」って、聞くな!
「年齢イコール彼氏いない歴の私が、不思議っ子として地元で扱われて来た私が、チョコを渡す相手なんているもんかぁ~!」
最近では勉強やバイト三昧で、手段が目的に変わりつつある毎日ですよ。
出会い? 私だって頑張ってますよ。大学では、男の子と積極的に話をしますし。清楚系女子をたっぷりとアピールしますし。でもね、妄想するとちらつくんですよ。
彼氏と遊びに行く時に、予防医療の妖精さんがちらり。
彼氏の家に遊びに行くと、お掃除の妖精さんがちらり。
手料理をって頑張ると、お料理の妖精さんがちらり。
きっと、あの子達はどこでもついて来る。そして、サイコな状況に彼氏がドン引き。
駄目駄目。ネガティブになってはいけない。妖精さんも、私も悪くない。悪くないったら悪くない。
箒がフワフワ動いてたり、フライパンが浮かんでたりなんて、ホラーな環境すら受け入れてくれる男性が、きっと何処かに居るはず! 若しくは、私と同じく妖精さんが見える特殊体質の男性が存在するはず! 目指せお嫁さん! そんでもって、女子力アップ!
☆ ☆ ☆
「と言う訳で、チョコを作ります!」
私は自宅で、妖精さん達を集めて言いました。お掃除や他の妖精さん達は、首を傾げています。しかし、お料理の妖精さんはやる気満々どころか、クルクルと踊り出しました。
「いや、別にあなた等にお願いするんじゃ無いよ」
その言葉に、お料理の妖精さんは泣き出しました。四つん這いで、床を思いっきり叩きながら号泣してます。いやいや、話しは最後まで聞こうよ。
「チョコ作り対決だよ!」
私はビシっと、お料理の妖精さんを指さします。すると、お料理の妖精さんは、ちょこんっと顔を上げて私を見上げます。
「私とあなた達、どっちがよりプレゼントに相応しいチョコを作るか、勝負するの!」
お料理の妖精さんは両腕を上げ、雄叫びを上げています。映画のボクサーみたいです。グゴゴゴって効果音が聞こえて来るようです。某映画のテーマ曲を、音楽の妖精さんが奏でて盛り上げてます。
そんなお料理の妖精さんを、モグとペチがちっちゃい前足で、ちょいちょいと突いています。君達、そんなに派手なリアクションが面白いか?
「まだ話しは終ってないよ、諸君! 勝負の判定は、何とこの人!」
「私だ~!」
そしてガチャリとドアを開けて、ドカドカと音を立てて入って来る裕子ちゃん。何故か大量の荷物を抱えています。
そう。勝負の判定人は、食欲魔王こと裕子ちゃんです。
突然の乱入と大声に驚いた、モグ、ペチ、ミィは、逃げ出しつつ、フ~って毛を逆立てています。驚かしちゃ駄目だよ、裕子ちゃん。
しかし裕子ちゃんは、しょっちゅう私の自宅に出入りしているのに、まだモグ達に警戒されるとは不憫な子ですね。
もう、気が付いてると思いますが、材料は裕子ちゃんが用意しました。裕子ちゃんが両手にいっぱいに抱えてる荷物を見る限り、あやつ盛ったね。今回は、私のお小遣い出した三千円程度じゃ、あんな荷物にならないし。流石は食欲魔王です。
そんなこんなで、チョコ作り対決の開始です。
私が作るのは、トリュフチョコをアレンジした『妖精さん型チョコ』です。
基本のガナッシュ作りは、刻んだ板チョコと生クリーム、それとラム酒を少々です。滑らかになるまで混ぜ合わせてから、スプーンを使って小分けにします。冷やし固めてから丸く成型、これがベースになります。
成形したベースの塊を、溶かしたホワイトチョコに潜らせて、二層のチョコにします。
もちろん冷やし固めてから、丸く成型します。この時ついでに、手とか足等のパーツをホワイトチョコで作っちゃいます。一緒に冷やしちゃいましょう。
ここまでの作業で注意するのは、チョコの大きさです。
丸いチョコを小さいスプーンと大きいスプーンを使って、二種類の大きさを作るんです。わかります? 小さいのが頭で、大きいのが胴体になるんですよ。
ここから登場するのは、必殺アイスピック! 頭の部分に表情を作っていきます。口を掘って、目を作って、眉を作って、掘った屑で鼻を作る。口と目は深めに掘ると、ベースチョコの黒い部分が見えるので、それっぽくなります。
それから、頭用の小さいのと、胴体用の大きいのをホワイトチョコで接着する様に重ねて、手足のパーツもくっつけてから冷やし固めます。じゃないと、崩れちゃいますから。
固まったら微調整で多少削り、デコペンでほっぺを少し赤くして完成です!
「へぇ~、あんた器用ね。雪だるま? 可愛いじゃない」
「雪だるまじゃ無くて、妖精さんだよ!」
「妖精って雪だるまなの?」
「違うよ、デフォルメしてるの! 私の腕では、これ以上の再現が出来ないんだよ」
「あっそ」
あっそですって、聞きました奥さん。私の小一時間かけた努力の結晶を、あっそで終わらせたんですよ。酷い人です、裕子ちゃん。
そして、私の足に食欲旺盛なモグ纏わりつきます。あげないよ。チョコ食べたらお腹壊すよ。ミャーって可愛い声出しても、あげないよ。飼育の妖精さんが、腕でバツを作ってるもん。
そしてミィとペチは、風の妖精さんを枕に窓際で寝てます。君もあっちで寝てらっしゃい、モグ。
さて、これで終わりじゃ無いのです。私は、よりプレゼントに相応しいチョコと告げたはず。ラッピングがと~っても大切なんです。
ビニールの袋に詰めてから、リボンで口を縛ります。そして箱にペーパークッションを敷き詰めて、妖精さんチョコを入れます。可愛い柄の包装紙で包んだ後、リボンで飾り付けして完成です。
じゃ~ん! 私だってやれば出来るんです。どうです? 私の女子力! フフフ。
でもね、やっぱり私は甘すぎた様です。ミルクチョコの様に。
そして現実は、何時も私に厳しいんです。ビターチョコの様に。
某ボクシング映画のテーマをバックに、本気を出すお料理の妖精さん。
圧巻のガトーショコラ。
魅惑のフォンダンショコラ。
誘惑のザッハトルテ。
屋台名物チョコバナナ。
「って、バナナなんて何で買って来たの?」
「それは、私が食べたかったからじゃない」
裕子ちゃんのせいで、若干お祭りっぽくなりましたが、結果は言わずもがな。
そりゃあ、お料理の妖精さんが作ったチョコづくしに、私のちんまい手作りチョコが勝てるはず無いです。きっと裕子ちゃんは、可愛さとは無縁の世界に居るんだ。シクシク。
でも、私の手作りチョコは、全ての妖精さんに人気が出ました。
雪だるまと言われた妖精さん型チョコに、みんなが群がりだすと輪になって踊り始めます。そんなに気に入ってくれるなら、作ったかいが有るね。でも、そのチョコを裕子ちゃんは、頭からボリボリ齧って一言。
「まあまあね」
妖精さん達は、絶句した様にあんぐりと口を開けて裕子ちゃんを見つめています。その後、シクシクと泣き始めました。う~ん、すごい罪悪感です。
気持ちはわかるけど食べ物だしね、仕方ないんだよ。そして、妖精さん達は暫くの間、私にしがみ付いて泣いてました。
その間、裕子ちゃんはチョコづくしを食べ尽くし、満足気な顔をしてました。
そう言えば、これって友チョコ? まぁ良いか。誰にも渡さないよりはね。
実はその後に余った材料で、妖精さん型チョコを作り直しました。尚、お料理の妖精さんが手伝ってくれたおかげで、抜群の再現度です。
芸術品の域に達したチョコを作り上げました。展示してお金を取れるレベルです。暫くの間、妖精さん達と愛でてましたが、バレンタインデー当日に、美味しく頂かれました。裕子ちゃんに。
でも、寂しく無いバレンタインになった事には、感謝しなきゃいけませんね。裕子ちゃんと妖精さん達に。
おぅ。思わず口に出てしまった。しかも、チョコ売り場の前で。わいわい楽しそうにチョコを物色する女の子達の白い目が、私に突き刺さります。やばいです。怖いです。
多分ね、バレンタインデーって、ドキドキ感が良いんですよ。チョコを貰えるかどうかっていう、フワフワしてる男の子達。渡すの渡さないのって、一喜一憂する女の子達。ほのかな恋心ってやつですよ、ねっお客さん!
私? そりゃあ、私もれっきとした女ですよ。「そうじゃ無くて、チョコを渡さないの?」って、聞くな!
「年齢イコール彼氏いない歴の私が、不思議っ子として地元で扱われて来た私が、チョコを渡す相手なんているもんかぁ~!」
最近では勉強やバイト三昧で、手段が目的に変わりつつある毎日ですよ。
出会い? 私だって頑張ってますよ。大学では、男の子と積極的に話をしますし。清楚系女子をたっぷりとアピールしますし。でもね、妄想するとちらつくんですよ。
彼氏と遊びに行く時に、予防医療の妖精さんがちらり。
彼氏の家に遊びに行くと、お掃除の妖精さんがちらり。
手料理をって頑張ると、お料理の妖精さんがちらり。
きっと、あの子達はどこでもついて来る。そして、サイコな状況に彼氏がドン引き。
駄目駄目。ネガティブになってはいけない。妖精さんも、私も悪くない。悪くないったら悪くない。
箒がフワフワ動いてたり、フライパンが浮かんでたりなんて、ホラーな環境すら受け入れてくれる男性が、きっと何処かに居るはず! 若しくは、私と同じく妖精さんが見える特殊体質の男性が存在するはず! 目指せお嫁さん! そんでもって、女子力アップ!
☆ ☆ ☆
「と言う訳で、チョコを作ります!」
私は自宅で、妖精さん達を集めて言いました。お掃除や他の妖精さん達は、首を傾げています。しかし、お料理の妖精さんはやる気満々どころか、クルクルと踊り出しました。
「いや、別にあなた等にお願いするんじゃ無いよ」
その言葉に、お料理の妖精さんは泣き出しました。四つん這いで、床を思いっきり叩きながら号泣してます。いやいや、話しは最後まで聞こうよ。
「チョコ作り対決だよ!」
私はビシっと、お料理の妖精さんを指さします。すると、お料理の妖精さんは、ちょこんっと顔を上げて私を見上げます。
「私とあなた達、どっちがよりプレゼントに相応しいチョコを作るか、勝負するの!」
お料理の妖精さんは両腕を上げ、雄叫びを上げています。映画のボクサーみたいです。グゴゴゴって効果音が聞こえて来るようです。某映画のテーマ曲を、音楽の妖精さんが奏でて盛り上げてます。
そんなお料理の妖精さんを、モグとペチがちっちゃい前足で、ちょいちょいと突いています。君達、そんなに派手なリアクションが面白いか?
「まだ話しは終ってないよ、諸君! 勝負の判定は、何とこの人!」
「私だ~!」
そしてガチャリとドアを開けて、ドカドカと音を立てて入って来る裕子ちゃん。何故か大量の荷物を抱えています。
そう。勝負の判定人は、食欲魔王こと裕子ちゃんです。
突然の乱入と大声に驚いた、モグ、ペチ、ミィは、逃げ出しつつ、フ~って毛を逆立てています。驚かしちゃ駄目だよ、裕子ちゃん。
しかし裕子ちゃんは、しょっちゅう私の自宅に出入りしているのに、まだモグ達に警戒されるとは不憫な子ですね。
もう、気が付いてると思いますが、材料は裕子ちゃんが用意しました。裕子ちゃんが両手にいっぱいに抱えてる荷物を見る限り、あやつ盛ったね。今回は、私のお小遣い出した三千円程度じゃ、あんな荷物にならないし。流石は食欲魔王です。
そんなこんなで、チョコ作り対決の開始です。
私が作るのは、トリュフチョコをアレンジした『妖精さん型チョコ』です。
基本のガナッシュ作りは、刻んだ板チョコと生クリーム、それとラム酒を少々です。滑らかになるまで混ぜ合わせてから、スプーンを使って小分けにします。冷やし固めてから丸く成型、これがベースになります。
成形したベースの塊を、溶かしたホワイトチョコに潜らせて、二層のチョコにします。
もちろん冷やし固めてから、丸く成型します。この時ついでに、手とか足等のパーツをホワイトチョコで作っちゃいます。一緒に冷やしちゃいましょう。
ここまでの作業で注意するのは、チョコの大きさです。
丸いチョコを小さいスプーンと大きいスプーンを使って、二種類の大きさを作るんです。わかります? 小さいのが頭で、大きいのが胴体になるんですよ。
ここから登場するのは、必殺アイスピック! 頭の部分に表情を作っていきます。口を掘って、目を作って、眉を作って、掘った屑で鼻を作る。口と目は深めに掘ると、ベースチョコの黒い部分が見えるので、それっぽくなります。
それから、頭用の小さいのと、胴体用の大きいのをホワイトチョコで接着する様に重ねて、手足のパーツもくっつけてから冷やし固めます。じゃないと、崩れちゃいますから。
固まったら微調整で多少削り、デコペンでほっぺを少し赤くして完成です!
「へぇ~、あんた器用ね。雪だるま? 可愛いじゃない」
「雪だるまじゃ無くて、妖精さんだよ!」
「妖精って雪だるまなの?」
「違うよ、デフォルメしてるの! 私の腕では、これ以上の再現が出来ないんだよ」
「あっそ」
あっそですって、聞きました奥さん。私の小一時間かけた努力の結晶を、あっそで終わらせたんですよ。酷い人です、裕子ちゃん。
そして、私の足に食欲旺盛なモグ纏わりつきます。あげないよ。チョコ食べたらお腹壊すよ。ミャーって可愛い声出しても、あげないよ。飼育の妖精さんが、腕でバツを作ってるもん。
そしてミィとペチは、風の妖精さんを枕に窓際で寝てます。君もあっちで寝てらっしゃい、モグ。
さて、これで終わりじゃ無いのです。私は、よりプレゼントに相応しいチョコと告げたはず。ラッピングがと~っても大切なんです。
ビニールの袋に詰めてから、リボンで口を縛ります。そして箱にペーパークッションを敷き詰めて、妖精さんチョコを入れます。可愛い柄の包装紙で包んだ後、リボンで飾り付けして完成です。
じゃ~ん! 私だってやれば出来るんです。どうです? 私の女子力! フフフ。
でもね、やっぱり私は甘すぎた様です。ミルクチョコの様に。
そして現実は、何時も私に厳しいんです。ビターチョコの様に。
某ボクシング映画のテーマをバックに、本気を出すお料理の妖精さん。
圧巻のガトーショコラ。
魅惑のフォンダンショコラ。
誘惑のザッハトルテ。
屋台名物チョコバナナ。
「って、バナナなんて何で買って来たの?」
「それは、私が食べたかったからじゃない」
裕子ちゃんのせいで、若干お祭りっぽくなりましたが、結果は言わずもがな。
そりゃあ、お料理の妖精さんが作ったチョコづくしに、私のちんまい手作りチョコが勝てるはず無いです。きっと裕子ちゃんは、可愛さとは無縁の世界に居るんだ。シクシク。
でも、私の手作りチョコは、全ての妖精さんに人気が出ました。
雪だるまと言われた妖精さん型チョコに、みんなが群がりだすと輪になって踊り始めます。そんなに気に入ってくれるなら、作ったかいが有るね。でも、そのチョコを裕子ちゃんは、頭からボリボリ齧って一言。
「まあまあね」
妖精さん達は、絶句した様にあんぐりと口を開けて裕子ちゃんを見つめています。その後、シクシクと泣き始めました。う~ん、すごい罪悪感です。
気持ちはわかるけど食べ物だしね、仕方ないんだよ。そして、妖精さん達は暫くの間、私にしがみ付いて泣いてました。
その間、裕子ちゃんはチョコづくしを食べ尽くし、満足気な顔をしてました。
そう言えば、これって友チョコ? まぁ良いか。誰にも渡さないよりはね。
実はその後に余った材料で、妖精さん型チョコを作り直しました。尚、お料理の妖精さんが手伝ってくれたおかげで、抜群の再現度です。
芸術品の域に達したチョコを作り上げました。展示してお金を取れるレベルです。暫くの間、妖精さん達と愛でてましたが、バレンタインデー当日に、美味しく頂かれました。裕子ちゃんに。
でも、寂しく無いバレンタインになった事には、感謝しなきゃいけませんね。裕子ちゃんと妖精さん達に。
1
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
裏切りの代償
志波 連
恋愛
伯爵令嬢であるキャンディは婚約者ニックの浮気を知り、婚約解消を願い出るが1年間の再教育を施すというニックの父親の言葉に願いを取り下げ、家出を決行した。
家庭教師という職を得て充実した日々を送るキャンディの前に父親が現れた。
連れ帰られ無理やりニックと結婚させられたキャンディだったが、子供もできてこれも人生だと思い直し、ニックの妻として人生を全うしようとする。
しかしある日ニックが浮気をしていることをしり、我慢の限界を迎えたキャンディは、友人の手を借りながら人生を切り開いていくのだった。
他サイトでも掲載しています。
R15を保険で追加しました。
表紙は写真AC様よりダウンロードしました。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
幸せなのでお構いなく!
棗
恋愛
侯爵令嬢ロリーナ=カラーには愛する婚約者グレン=シュタインがいる。だが、彼が愛しているのは天使と呼ばれる儚く美しい王女。
初対面の時からグレンに嫌われているロリーナは、このまま愛の無い結婚をして不幸な生活を送るよりも、最後に思い出を貰って婚約解消をすることにした。
※なろうさんにも公開中
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる