137 / 415
それぞれの選択
136 神々の協議再び
しおりを挟む
天と地の境には、何が有るのだろう。
その境界を越えたら、何が見えるだろう。
人は天を仰ぎ、見果てぬ彼方の夢を見る。
だが人は知らない、そこは世界を造りし者の住まう国。
人知を超える神の世界。
☆ ☆ ☆
邪神ロメリアが消滅してから十日が過ぎ、神気を少し取り戻した女神フィアーナが、地上に再び舞い降りた。
約束を果たし、女神フィアーナが日本に繋がるゲートを開く。それは同時に空と翔一にとって、ペスカや冬也と長い別れの始まりでもあった。
それぞれの想いを胸に、空と翔一はゲートの前に立つ。
涙は流さないつもりだった。だが、自然と瞳から溢れてくる。どれだけ涙が溢れても、笑顔は決して崩さない。
空と翔一は笑って手を振る。
空は天を仰ぎ誓う。必ずここに戻って来ると。
翔一はその瞳に刻み込む。親友とその妹の姿を。
冬也は祈る。二人の幸せな未来を。
そしてペスカは言葉を紡いだ。
「いつか、また会おうね」
辛い戦いの日々だったが、過ぎてしまえば短い様に感じる。日本にいれば、漫然と過ごしただろう日常は、完全に覆された。当たり前の価値観は、大きく揺るがされた。
その経験を糧とし、空と翔一はゲートに足を踏み入れる。
ゆっくりと二人の姿が、ゲートに吸い込まれていく。続いてクラウスが、ペスカと冬也に深々と頭を下げる。その瞳は決意に燃え盛っていた。
「必ず、大いなる知識を得て、戻ってまいります」
クラウスの言葉に、ペスカは力強く頷き、冬也は優しく微笑んだ。そして、クラウスの姿もゲートの中へ消える。予定通り空達を日本に送ると、女神フィアーナはゲートを閉じた。
感慨深く、ペスカと冬也は別れを嚙みしめる。ゲートを閉じた女神フィアーナは、ペスカと冬也に向かい声をかける。
「それじゃあ、私達も行きましょうか」
「はぁ? 何言ってんだ、お袋」
「そうですよ、フィアーナ様。どこに行くんですか」
「や~ねぇ。言わなかったっけ、神の世界よ」
別れの悲しみをぶち壊す様な、女神フィアーナの発言が飛び出す。予想外の言葉に、ペスカと冬也は呆ける様に口を開けた。そして、瞬きをした後には、見知らぬ風景が二人を包んでいた。
驚きの余り僅かの間、ペスカは声を失った。そして冬也は声を荒げる。
「おいこらぁ! ここはどこだよ! 今度は、何を企んでやがる!」
「企むだなんて、酷いわね。ペスカちゃん、そう思わない?」
「思いませんよ、フィアーナ様。本当にここどこです?」
女神フィアーナは、その場でクルリと一回転してから、ポーズを決めて言い放つ。
「ようこそ。神の国へ」
まるで効果音が流れている様に、女神フィアーナはビシっとポーズを決めている。ペスカと冬也は、まるで興味を示さないどころか、共に頭を押さえた。
二人は辺りを見回すと、女神フィアーナに言い放つ。
「出口ってどこ?」
「出口はどこだよ!」
息の合った二人の声に、女神フィアーナは動揺している様だった。
地上の生物が、決して足を踏み入れる事が無い神の世界。感動が有ってもいいはずなのだ。寧ろ、涙を流して感動してくれても、いいはずなのだ。
「あのね、二人共。ここは神の国よ、人間には来れない場所なのよ。なのに直ぐに帰るって、どういう事?」
「いや、俺は人間だし。興味もねぇし」
「うん。わたしもお兄ちゃんに一票」
「なんでよ、光栄な事なのよ。過去に人間が呼ばれた事は無いのよ」
「それは、生きてって事じゃねぇのか?」
「お兄ちゃんの言う通りだと思うよ。死後に神様になるなら有り得るけど、生きている内にってのはね」
ペスカと冬也が白い目で、女神フィアーナを見る。
二人からすれば理由も聞かされず、訳のわからない所に連れて来らたのだ、正当な反応だろう。
普通はこの様な事を拉致と呼ぶのだが、神にとっては些細な問題なのだろうか。平然と喜べと言う女神フィアーナに、ペスカと冬也は辟易させられていた。
暫くの時間、問答は続いた。やがて呆れた様な声が、遠くから聞こえて来る。
声のする方角を向くと、一柱の女神が近づいてくるのが見える。女神フィアーナは、助けを求める様に、近づく女神に駆け寄った。
「セリュシオネ、あなたからも言って頂戴。大事な用が有るのに、この子達は帰りたいって言うのよ」
「ちょっと待てお袋! 大事な用って何だよ! 何にも聞いてねぇぞ!」
「そうですよ、フィアーナ様。普通は用件を言ってから、連れて来ると思いますよ」
女神セリュシオネは、深い溜息をついてから、ペスカと冬也を一瞥した。
「可哀想に。君達は拉致被害者って事だね。でも、用が終わらないと帰れない。諦めて、神の協議に参加する事だ。それとフィアーナ。もう皆が集まっています。早くこの子達を連れて来て下さい」
女神セリュシオネは、淡々と言い放つ。そして再び溜息をつくと、足早に立ち去った。女神フィアーナは、その後を追いかける様に歩き出した。勿論、ペスカと冬也の手を引いて。
神の世界。そこは、不思議な空間であった。
足元には何も無い様に見えて、しっかりと踏みしめる事が出来る。部屋が現れては消え、歩く度に景色が変わる。物理的な構造を、全く理解が出来ない。とてもこの世の物質で、造られたと思えない。次元的な観点でも、説明が覚束ない。
漠然と歩けば、迷いそうな空間である。女神フィアーナに手を引かれなければ、目的の場所にすら辿りつかないだろう。
やがて、忽然と部屋が現れ、一同はその中に入る。
部屋の中は、体育館よりも大きいと思われる広さがあった。中央部に対し半円形型、そして階段状に据えられた席に、多くの神が座っていた。
入室したペスカと冬也に、否応なしに神々の視線が集まる。途端に場内は、騒然とし始める。
咄嗟に冬也は、ペスカを背に隠す。そして、周囲に睨みを利かせた。しかし、当のペスカは半円形上の席を見て、国会でしどろもどろに答弁する大臣の姿を、呑気に思い出していた。
「さあ、始めましょうか」
女神フィアーナの一声で、場内は静まり返る。流石は大地母神なのであろう。その堂々たる声は、普段見せない偉大な神の姿を彷彿とさせる。
そして静まり返った場内に、女神フィアーナの声が響き渡る
「混沌勢により、ラフィスフィア大陸に多大な犠牲が出ました。ですが、今こうして混沌勢は消滅し、新たな英雄が現れた事は、皆さんが周知の事だと思います。我々はこれを歓迎し、新たな英雄を神の一員として迎えたいと思います。疑義のある者は前へ」
再び静寂が議場を包む。暫く続いた静寂を壊す様に、一柱の男神が立ち上がった。
「フィアーナ。貴女のご子息はともかく、そこの娘は資格が有るのか?」
「ペスカは内に秘めた神気で、ロメリアの神域を浄化した実績があります。それが資格では不満ですか?」
それが引き金となり、議場は喧々諤々となっていく。
半神如きを神の一員には認めない。たかが人間が、我等の同胞には成り得ない。いや、混沌勢を滅ぼしたのだ、認められて当然だ。
身贔屓は許されない。何を言う、贔屓では無いだろう、実際に力を証明してみせたではないか。そうだ、あそこまで力をつけたロメリアに渡り合う事は、原初の神でも出来ぬ事だ。
騒然とする議場で、何柱かの神々は成り行きを見守っていた。
神々の世界でも、大きな影響力を持つ原初の神々。世界を造りし者の言葉は、決して軽く無い。
そんな原初の神々が、言い争いに耐えかねたのか、少しずつ口を開いていく。
「俺は賛成だぜ。なぁ雨の」
「応よ、風の。こんな面白い奴らは、他におらんだろ。所で死と生の、お主はどう思っておるのだ。不満そうな顔をしおって」
「別に、不満は有りませんよ。ただ、フィアーナの息子とは馬が合わないだけです。ただ、感情で判断する程、稚拙ではありません。私も賛成します」
原初の神々が、次々と賛同していく。そして自然と促される様に、賛同する神が増えていく。その極めつけは、二柱の女神の言葉であった。
「私は勿論賛成よ。冬也君は、未来の旦那様だもの。それにペスカちゃんは、義理の妹になるの。楽しみねぇ」
「相変わらず色ボケね、ラアルフィーネ」
「いやね、ミュール。私は愛も司るんですもの当然よ。そう言うドラグスメリア側は、どうするのかしら?」
「私も賛成よ。ただ、条件を呑んでくれたらだけどね」
「あら、条件って何かしら?」
「ロメリアの遺産が、ドラグスメリアで育ってるのよ。不味い事に成りかけてるの。その子達の力を貸して欲しい。浄化に手を貸したんだし、嫌とは言わないわよね、フィアーナ」
「わかったわ、ミュール。約束しましょう」
女神フィアーナは、議場を見渡して再び声を上げる。
「賛成多数で議案は決定とします。この時を持って、英雄ペスカ、神の子冬也は、神の一員となります」
議場が拍手に包まれる。終始、呆然としていたペスカは、拍手の音で我に返った。
「えっ! ちょっと、とんでもない事を言わなかった?」
場違いな空気を感じていたペスカは、全く別の事を考えていた。その為、何も頭に入って無かった。
協議会が終わり、次々と姿を消していく神々。目を皿の様にし、辺りを見やるペスカ。何柱かの神は、ペスカ達に声をかけて消えていく。
再びペスカと冬也は、得体の知れない事態に巻き込まれ様としている。ペスカと冬也に安寧が訪れるのは、暫く先になるだろう。
その境界を越えたら、何が見えるだろう。
人は天を仰ぎ、見果てぬ彼方の夢を見る。
だが人は知らない、そこは世界を造りし者の住まう国。
人知を超える神の世界。
☆ ☆ ☆
邪神ロメリアが消滅してから十日が過ぎ、神気を少し取り戻した女神フィアーナが、地上に再び舞い降りた。
約束を果たし、女神フィアーナが日本に繋がるゲートを開く。それは同時に空と翔一にとって、ペスカや冬也と長い別れの始まりでもあった。
それぞれの想いを胸に、空と翔一はゲートの前に立つ。
涙は流さないつもりだった。だが、自然と瞳から溢れてくる。どれだけ涙が溢れても、笑顔は決して崩さない。
空と翔一は笑って手を振る。
空は天を仰ぎ誓う。必ずここに戻って来ると。
翔一はその瞳に刻み込む。親友とその妹の姿を。
冬也は祈る。二人の幸せな未来を。
そしてペスカは言葉を紡いだ。
「いつか、また会おうね」
辛い戦いの日々だったが、過ぎてしまえば短い様に感じる。日本にいれば、漫然と過ごしただろう日常は、完全に覆された。当たり前の価値観は、大きく揺るがされた。
その経験を糧とし、空と翔一はゲートに足を踏み入れる。
ゆっくりと二人の姿が、ゲートに吸い込まれていく。続いてクラウスが、ペスカと冬也に深々と頭を下げる。その瞳は決意に燃え盛っていた。
「必ず、大いなる知識を得て、戻ってまいります」
クラウスの言葉に、ペスカは力強く頷き、冬也は優しく微笑んだ。そして、クラウスの姿もゲートの中へ消える。予定通り空達を日本に送ると、女神フィアーナはゲートを閉じた。
感慨深く、ペスカと冬也は別れを嚙みしめる。ゲートを閉じた女神フィアーナは、ペスカと冬也に向かい声をかける。
「それじゃあ、私達も行きましょうか」
「はぁ? 何言ってんだ、お袋」
「そうですよ、フィアーナ様。どこに行くんですか」
「や~ねぇ。言わなかったっけ、神の世界よ」
別れの悲しみをぶち壊す様な、女神フィアーナの発言が飛び出す。予想外の言葉に、ペスカと冬也は呆ける様に口を開けた。そして、瞬きをした後には、見知らぬ風景が二人を包んでいた。
驚きの余り僅かの間、ペスカは声を失った。そして冬也は声を荒げる。
「おいこらぁ! ここはどこだよ! 今度は、何を企んでやがる!」
「企むだなんて、酷いわね。ペスカちゃん、そう思わない?」
「思いませんよ、フィアーナ様。本当にここどこです?」
女神フィアーナは、その場でクルリと一回転してから、ポーズを決めて言い放つ。
「ようこそ。神の国へ」
まるで効果音が流れている様に、女神フィアーナはビシっとポーズを決めている。ペスカと冬也は、まるで興味を示さないどころか、共に頭を押さえた。
二人は辺りを見回すと、女神フィアーナに言い放つ。
「出口ってどこ?」
「出口はどこだよ!」
息の合った二人の声に、女神フィアーナは動揺している様だった。
地上の生物が、決して足を踏み入れる事が無い神の世界。感動が有ってもいいはずなのだ。寧ろ、涙を流して感動してくれても、いいはずなのだ。
「あのね、二人共。ここは神の国よ、人間には来れない場所なのよ。なのに直ぐに帰るって、どういう事?」
「いや、俺は人間だし。興味もねぇし」
「うん。わたしもお兄ちゃんに一票」
「なんでよ、光栄な事なのよ。過去に人間が呼ばれた事は無いのよ」
「それは、生きてって事じゃねぇのか?」
「お兄ちゃんの言う通りだと思うよ。死後に神様になるなら有り得るけど、生きている内にってのはね」
ペスカと冬也が白い目で、女神フィアーナを見る。
二人からすれば理由も聞かされず、訳のわからない所に連れて来らたのだ、正当な反応だろう。
普通はこの様な事を拉致と呼ぶのだが、神にとっては些細な問題なのだろうか。平然と喜べと言う女神フィアーナに、ペスカと冬也は辟易させられていた。
暫くの時間、問答は続いた。やがて呆れた様な声が、遠くから聞こえて来る。
声のする方角を向くと、一柱の女神が近づいてくるのが見える。女神フィアーナは、助けを求める様に、近づく女神に駆け寄った。
「セリュシオネ、あなたからも言って頂戴。大事な用が有るのに、この子達は帰りたいって言うのよ」
「ちょっと待てお袋! 大事な用って何だよ! 何にも聞いてねぇぞ!」
「そうですよ、フィアーナ様。普通は用件を言ってから、連れて来ると思いますよ」
女神セリュシオネは、深い溜息をついてから、ペスカと冬也を一瞥した。
「可哀想に。君達は拉致被害者って事だね。でも、用が終わらないと帰れない。諦めて、神の協議に参加する事だ。それとフィアーナ。もう皆が集まっています。早くこの子達を連れて来て下さい」
女神セリュシオネは、淡々と言い放つ。そして再び溜息をつくと、足早に立ち去った。女神フィアーナは、その後を追いかける様に歩き出した。勿論、ペスカと冬也の手を引いて。
神の世界。そこは、不思議な空間であった。
足元には何も無い様に見えて、しっかりと踏みしめる事が出来る。部屋が現れては消え、歩く度に景色が変わる。物理的な構造を、全く理解が出来ない。とてもこの世の物質で、造られたと思えない。次元的な観点でも、説明が覚束ない。
漠然と歩けば、迷いそうな空間である。女神フィアーナに手を引かれなければ、目的の場所にすら辿りつかないだろう。
やがて、忽然と部屋が現れ、一同はその中に入る。
部屋の中は、体育館よりも大きいと思われる広さがあった。中央部に対し半円形型、そして階段状に据えられた席に、多くの神が座っていた。
入室したペスカと冬也に、否応なしに神々の視線が集まる。途端に場内は、騒然とし始める。
咄嗟に冬也は、ペスカを背に隠す。そして、周囲に睨みを利かせた。しかし、当のペスカは半円形上の席を見て、国会でしどろもどろに答弁する大臣の姿を、呑気に思い出していた。
「さあ、始めましょうか」
女神フィアーナの一声で、場内は静まり返る。流石は大地母神なのであろう。その堂々たる声は、普段見せない偉大な神の姿を彷彿とさせる。
そして静まり返った場内に、女神フィアーナの声が響き渡る
「混沌勢により、ラフィスフィア大陸に多大な犠牲が出ました。ですが、今こうして混沌勢は消滅し、新たな英雄が現れた事は、皆さんが周知の事だと思います。我々はこれを歓迎し、新たな英雄を神の一員として迎えたいと思います。疑義のある者は前へ」
再び静寂が議場を包む。暫く続いた静寂を壊す様に、一柱の男神が立ち上がった。
「フィアーナ。貴女のご子息はともかく、そこの娘は資格が有るのか?」
「ペスカは内に秘めた神気で、ロメリアの神域を浄化した実績があります。それが資格では不満ですか?」
それが引き金となり、議場は喧々諤々となっていく。
半神如きを神の一員には認めない。たかが人間が、我等の同胞には成り得ない。いや、混沌勢を滅ぼしたのだ、認められて当然だ。
身贔屓は許されない。何を言う、贔屓では無いだろう、実際に力を証明してみせたではないか。そうだ、あそこまで力をつけたロメリアに渡り合う事は、原初の神でも出来ぬ事だ。
騒然とする議場で、何柱かの神々は成り行きを見守っていた。
神々の世界でも、大きな影響力を持つ原初の神々。世界を造りし者の言葉は、決して軽く無い。
そんな原初の神々が、言い争いに耐えかねたのか、少しずつ口を開いていく。
「俺は賛成だぜ。なぁ雨の」
「応よ、風の。こんな面白い奴らは、他におらんだろ。所で死と生の、お主はどう思っておるのだ。不満そうな顔をしおって」
「別に、不満は有りませんよ。ただ、フィアーナの息子とは馬が合わないだけです。ただ、感情で判断する程、稚拙ではありません。私も賛成します」
原初の神々が、次々と賛同していく。そして自然と促される様に、賛同する神が増えていく。その極めつけは、二柱の女神の言葉であった。
「私は勿論賛成よ。冬也君は、未来の旦那様だもの。それにペスカちゃんは、義理の妹になるの。楽しみねぇ」
「相変わらず色ボケね、ラアルフィーネ」
「いやね、ミュール。私は愛も司るんですもの当然よ。そう言うドラグスメリア側は、どうするのかしら?」
「私も賛成よ。ただ、条件を呑んでくれたらだけどね」
「あら、条件って何かしら?」
「ロメリアの遺産が、ドラグスメリアで育ってるのよ。不味い事に成りかけてるの。その子達の力を貸して欲しい。浄化に手を貸したんだし、嫌とは言わないわよね、フィアーナ」
「わかったわ、ミュール。約束しましょう」
女神フィアーナは、議場を見渡して再び声を上げる。
「賛成多数で議案は決定とします。この時を持って、英雄ペスカ、神の子冬也は、神の一員となります」
議場が拍手に包まれる。終始、呆然としていたペスカは、拍手の音で我に返った。
「えっ! ちょっと、とんでもない事を言わなかった?」
場違いな空気を感じていたペスカは、全く別の事を考えていた。その為、何も頭に入って無かった。
協議会が終わり、次々と姿を消していく神々。目を皿の様にし、辺りを見やるペスカ。何柱かの神は、ペスカ達に声をかけて消えていく。
再びペスカと冬也は、得体の知れない事態に巻き込まれ様としている。ペスカと冬也に安寧が訪れるのは、暫く先になるだろう。
0
お気に入りに追加
393
あなたにおすすめの小説
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。

元ゲーマーのオタクが悪役令嬢? ごめん、そのゲーム全然知らない。とりま異世界ライフは普通に楽しめそうなので、設定無視して自分らしく生きます
みなみ抄花
ファンタジー
前世で死んだ自分は、どうやらやったこともないゲームの悪役令嬢に転生させられたようです。
女子力皆無の私が令嬢なんてそもそもが無理だから、設定無視して自分らしく生きますね。
勝手に転生させたどっかの神さま、ヒロインいじめとか勇者とか物語の盛り上げ役とかほんっと心底どうでも良いんで、そんなことよりチート能力もっとよこしてください。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。

転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~
ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。
異世界転生しちゃいました。
そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど
チート無いみたいだけど?
おばあちゃんよく分かんないわぁ。
頭は老人 体は子供
乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。
当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。
訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。
おばあちゃん奮闘記です。
果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか?
[第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。
第二章 学園編 始まりました。
いよいよゲームスタートです!
[1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。
話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。
おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので)
初投稿です
不慣れですが宜しくお願いします。
最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。
申し訳ございません。
少しづつ修正して纏めていこうと思います。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。

俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅
散歩道 猫ノ子
ファンタジー
捨てられてしまった2匹の神獣と育む異世界育成ファンタジー
2匹のねこのこを育む、ほのぼの育成異世界生活です。
人間の汚さを知る主人公が、動物のように純粋で無垢な女の子2人に振り回されつつ、振り回すそんな物語です。
主人公は最強ですが、基本的に最強しませんのでご了承くださいm(*_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる