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スローライフ編
その36 卵と乳を求めて!1
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ガリードさん達が死の森へ来てから半年近くが経った。
その間に水田の稲刈りも終わり、そろそろまた小麦の種蒔きだ。
湿地帯に作った水田は、結局こまめに通いながら魔物への対処や雑草を抜いたりと手を掛けていたからか、無事に穂を重そうに垂らした。
残念ながら五分の一くらいの稲はダメになったが、収穫量としては日本での水田と比較してもそれなりだった。
今年もミランの森の湿地帯のラースラも刈って味比べをしてみたが、水田で採れたラースラはミランの森のラースラよりも誰もが気づくくらいに甘くなっていた。
日本米と比べると甘さも、もっちりとした触感もまだまだだけど、大分美味しいお米となった。
これは土地の魔力の影響もあるだろうけど、皆で倒れた稲を起こしたりする時に魔力を使って手入れをしていた影響もあるのでは、とオースト爺さんも言っていた。
とりあえず実の入りの良い種籾を確保しておいたので、来年ももっと美味しいラースラとなるように頑張ろうと思う。
そういえば今年は量も獲れたので、この間エリダナの街へ顔を出しに行った時、水田で採れたラースラを持って行ったら、食べたゼラスさんが唸っていた。
エリンフォードでもラースラの栽培を推奨をして、今年は収穫量は上がったそうだけど、味の変化は無かったそうだ。
魔力濃度の高い土地で栽培をしようかとゼラスさんが大分悩んでいたよ。
でも、霊山の周囲に湿地帯のような土地があったとして、そこで栽培を出来るだけの人がいるんだろうか?
まあ、森の中で集落を作って暮らしている人も多いから、来年はゼラスさんがどこか場所を見つけて品種改良にもっと精力的に取り組みそうだ。
畑は、家の隣でいくつか味が変化してしまったり、食べられなくなってしまったりした野菜などもあったけど、オウル村の近くの畑はいつも豊作続きで、最近ではイーリンの街へ買い出しに行っても調味料や珍しい物くらいしか買わなくなった。
大量に余った野菜はミアさんの家に行く時にどっさりと差し入れしたり、オウル村へ持って行ったり、どうしても余る時はイーリンの街で売ったりしている。
死の森での暮らしはお陰で安定し、最近では爺さんに調合を教わる機会も多くなり、中級の薬も大分調合出来るようになってきた。
まあ、それでもこの森の奥の薬草を扱えるようになるまでは、まだまだ道のりは遠いけどな。
ただ、やはりそうした暮らしでもちょっとした不満はある。
落ちて来た当初と比べたら、大分食生活は改善された。毎日米も食べられるようになって、作れる料理も増えたし、調味料も充実して来て美味しくなった。
でも、だからこそ不自由を感じてしまうのだ。そう、日本では簡単に手に入り、何の料理でも使えた卵を使いたいと。そして乳や乳製品も料理に加えたい、と。
この世界では普通の鶏や牛のような動物はいない。
草原や森に動物はいるが、森の奥へ行くにつれてほぼ魔物や魔獣になる。なので卵を産む魔物や乳を搾れる魔物を育てるのが大変でほとんど流通もしていない、という実情な訳なのだが。
それでも卵と乳を使った料理は魅力的過ぎて、この家に住み始めてからすぐに爺さんに相談していた。
だが、爺さんは植物が専門で、世界中を飛び回って、それこそ大陸中の森や山まで隅々まで廻っていた時期もあったらしいが、魔物や魔獣は植物を採取する上での邪魔。
つまり敵で、爺さんの進行方向に現れた相手はほぼ瞬殺されるだけだ。たまに爺さん曰くピンと来て、戦闘の後に契約を結ぶこともあるが、それさえほとんどない。
つまり、爺さんと契約している魔獣ならば付き合いがあるから詳しいが、それ以外は見かけたことはあっても卵を産むか乳を搾れるかなんて知らないのだ。
キーリエフさんにも聞いたが、やはりあまり詳しくないと言われたからそれは仕方ないとも思ってはいる。
なんといっても、土地の魔力に影響を受けるのは植物だけではなく、動物から魔物へと変化する過程でも影響が出る。そうなると、大陸中にいる魔物や魔獣の種族の数は、膨大なのだ。
かと言って、村や街で飼育されている魔物や魔獣と契約できるか、といわれるとそれは無理だ。
卵や乳を採れるのは、何代にも渡ってその村や街で飼育され、そのことに適応して変化した種だからだ。だから野生で全く同じ魔物や魔獣は存在しないのだ。
そうなると、卵や乳を採れる魔物や魔獣にたまたま出会うことを期待しなければならない。
「はあ。でも、出会うったって大抵顔を合わせれば襲われるから、その魔物や魔獣の生態なんて調べられないんだよな……」
なんと言っても、この世界の生物は基本が雑食なので、顔を合わせて襲われないというのがほぼない。
それに集落を作って暮らす、ゴブリンやオーク、オーガなどは特殊で、獣型の魔物や魔獣は基本は家族単位で暮らすのが多い。しかも森では常に弱肉強食の世界なので、定住せずに森の中を移動しながら子育てもする。
だから生態調査なんて、出来るわけもない。
「なあ、アディー。卵、無精卵を産む鳥って知らないか?動物でも魔物でも魔獣でもいいんだけど。あ、出来たた大きさは俺が抱変えて持ち上げられるくらいので!」
それでもどうしても諦め切れないんだ!
『……ふう。鳥型は確かに卵を産むがな。それが無精卵だかどうだかなんて知らん』
「そうだよなぁ……。なあ、アディー。魔物や魔獣でも、卵を産む時は巣を作るよな?鳥が棲みつきやすい場所とかこの辺りにないのか?」
こうなったら有精卵でも、鳥の巣から拝借して来よう!使いたい時に卵がある方が重要だよな!
『……お前の世界ではどうだか知らないけどな。確かに卵は産むが、産んでもすぐに孵化するぞ。そしてすぐに飛ぶのが基本だ。巣なんて作ったら、いい餌にしかならんだろうが』
えええっ!何その生態系!いくら弱肉強食でも、そこまで極端なのか?
でも、言われてみればもう何年もこの森に住んでいるけど、鳥の巣や鳥の雛なんて見たことは一度もないな……。
そういえば鳥に限らず、爺さんの従魔たちの子供も、すぐに狩りを始めるって言ってたっけな。それが出来なければ生き残れないのだろうな。
野鼠のような多産型の動物などは、それ程生態系の違いはないのかも知れないが、それ以外は確実に自分の血を残す為に、弱さは極端になくしていったのだろう。
『……まあ、いくらお前が卵が採れれば何でもいいといったところで、どうせここでは動物は無理だし、魔物も話が通じないから面倒だろう。だから探すなら魔獣のみだな』
「やっぱりそうなるのか……。はあ。爺さんだけじゃどれ程まだかかりそうか分からないし、そろそろあちこち回りながら探すしかないかな」
そう簡単に出会えるものでもないだろうけど、アディーはとても冷静だし、そこら辺の魔獣など片手間で倒せる余裕がある。
だからあちこち回ってアディーに探して貰えば、どこかで一族で暮らすような種族に出会える可能性は捨てきれない。
『まあ、無理だと思うが周囲を回る時は気にかけておいてやる』
「ありがとう、アディー!」
死の森は奥に火竜が住んでいるからか、ここに住む鳥型の魔物や魔獣は大型か森の中を飛ぶ小型と極端に別れる。それもこの辺りで巣を見かけない原因の一つかもしれない。
そういえば、いつだったか一度ダチョウのような、飛ばない鳥型の魔物に襲撃されたことが会ったな。ああいう種族で卵をたくさん産む魔獣が、いたらいいんだけどな……。
ダチョウの卵はでかいけど、食べられるしな……。
思わずダチョウの卵を使った大きなオムレツを思い浮かべて、ごくりと唾をのみ込んだ。
「あちこち定期的に出かけて卵も乳も買って来ているから、爺さんも必死で探してくれてはいるから、俺と手分けして探せば、契約してくれる相手もきっと見つかるよな!」
ミランの森のリアーナさん、そしてミアさんの家の食堂、そしてエリダナの街へと、今では二、三か月に一度のペースで通っている。その度にキーリエフさんの屋敷の食糧庫はゼラスさんの執念で持って充実しているが、やはり卵と乳は飼育している村や街に援助を申し出るくらいしか出来ないそうだ。
小麦を蒔くまでもう少し時間があるし。とりあえずオウル村の方の畑へ行った帰りは、スノーに遠回りして貰いながら見て回ろう。この近辺には居ないとは思うけど、後は狩りの時にアディーに注意して貰うしかないかな。
『あ、アリト!そろそろ狩りに行きたいの!』
「お、スノー。丁度いい。今日は、いつもと違う場所へ行かないか?ただ、気配を消して、鳥の巣を探しながら行きたいんだ」
アディーの言葉の感じだと、巣を作っている鳥はほぼいないだろうけど、それでも万が一があるしな。子供の姿を発見できるだけでも、生態の調査にはなるだろうし。
『鳥を探すの?うーん、いいよ!ざざって風で獲物を倒したいけど、アリトが探したいならスノーも頑張って探すの!』
「ありがとう、スノー。卵を産んでくれる鳥を仲間にしたいんだ。仲間になったら、スノーが一番おねえちゃんだからよろしくな?」
『うん!私、おねえちゃんだから仲間を守るの!アリトのことも、ティンファもレラルもリアンもイリンも守るの!』
そう言って頭をすり寄せて来たスノーの頭を優しく撫でてもふもふした。
よし!今夜はもう一度爺さんと相談して。卵と乳を手に入れよう!作戦発動だ!
******
なんだか説明回になってしまいました……
一応、探すのがどれだけ大変なのか分かって貰えたかと思います。
しかし、ネタが食べ物ですね(笑)暑さが和らいできて、食べられるようになって来たからでしょうか?(笑)
書籍の完結編の5巻が、19日から出荷されます!
(発売日は連休中から連休後となるかと思います)
主な各サイトさんでも予約が始まりました!
書店さんでも、5巻ともなると並ぶのかまたまた不安になるので…(ビクビク)
良かったら予約などしていただけたら嬉しいです!!
どうぞよろしくお願いいたします<(_ _)>
次は19日か20日に更新します(続きですね)
その間に水田の稲刈りも終わり、そろそろまた小麦の種蒔きだ。
湿地帯に作った水田は、結局こまめに通いながら魔物への対処や雑草を抜いたりと手を掛けていたからか、無事に穂を重そうに垂らした。
残念ながら五分の一くらいの稲はダメになったが、収穫量としては日本での水田と比較してもそれなりだった。
今年もミランの森の湿地帯のラースラも刈って味比べをしてみたが、水田で採れたラースラはミランの森のラースラよりも誰もが気づくくらいに甘くなっていた。
日本米と比べると甘さも、もっちりとした触感もまだまだだけど、大分美味しいお米となった。
これは土地の魔力の影響もあるだろうけど、皆で倒れた稲を起こしたりする時に魔力を使って手入れをしていた影響もあるのでは、とオースト爺さんも言っていた。
とりあえず実の入りの良い種籾を確保しておいたので、来年ももっと美味しいラースラとなるように頑張ろうと思う。
そういえば今年は量も獲れたので、この間エリダナの街へ顔を出しに行った時、水田で採れたラースラを持って行ったら、食べたゼラスさんが唸っていた。
エリンフォードでもラースラの栽培を推奨をして、今年は収穫量は上がったそうだけど、味の変化は無かったそうだ。
魔力濃度の高い土地で栽培をしようかとゼラスさんが大分悩んでいたよ。
でも、霊山の周囲に湿地帯のような土地があったとして、そこで栽培を出来るだけの人がいるんだろうか?
まあ、森の中で集落を作って暮らしている人も多いから、来年はゼラスさんがどこか場所を見つけて品種改良にもっと精力的に取り組みそうだ。
畑は、家の隣でいくつか味が変化してしまったり、食べられなくなってしまったりした野菜などもあったけど、オウル村の近くの畑はいつも豊作続きで、最近ではイーリンの街へ買い出しに行っても調味料や珍しい物くらいしか買わなくなった。
大量に余った野菜はミアさんの家に行く時にどっさりと差し入れしたり、オウル村へ持って行ったり、どうしても余る時はイーリンの街で売ったりしている。
死の森での暮らしはお陰で安定し、最近では爺さんに調合を教わる機会も多くなり、中級の薬も大分調合出来るようになってきた。
まあ、それでもこの森の奥の薬草を扱えるようになるまでは、まだまだ道のりは遠いけどな。
ただ、やはりそうした暮らしでもちょっとした不満はある。
落ちて来た当初と比べたら、大分食生活は改善された。毎日米も食べられるようになって、作れる料理も増えたし、調味料も充実して来て美味しくなった。
でも、だからこそ不自由を感じてしまうのだ。そう、日本では簡単に手に入り、何の料理でも使えた卵を使いたいと。そして乳や乳製品も料理に加えたい、と。
この世界では普通の鶏や牛のような動物はいない。
草原や森に動物はいるが、森の奥へ行くにつれてほぼ魔物や魔獣になる。なので卵を産む魔物や乳を搾れる魔物を育てるのが大変でほとんど流通もしていない、という実情な訳なのだが。
それでも卵と乳を使った料理は魅力的過ぎて、この家に住み始めてからすぐに爺さんに相談していた。
だが、爺さんは植物が専門で、世界中を飛び回って、それこそ大陸中の森や山まで隅々まで廻っていた時期もあったらしいが、魔物や魔獣は植物を採取する上での邪魔。
つまり敵で、爺さんの進行方向に現れた相手はほぼ瞬殺されるだけだ。たまに爺さん曰くピンと来て、戦闘の後に契約を結ぶこともあるが、それさえほとんどない。
つまり、爺さんと契約している魔獣ならば付き合いがあるから詳しいが、それ以外は見かけたことはあっても卵を産むか乳を搾れるかなんて知らないのだ。
キーリエフさんにも聞いたが、やはりあまり詳しくないと言われたからそれは仕方ないとも思ってはいる。
なんといっても、土地の魔力に影響を受けるのは植物だけではなく、動物から魔物へと変化する過程でも影響が出る。そうなると、大陸中にいる魔物や魔獣の種族の数は、膨大なのだ。
かと言って、村や街で飼育されている魔物や魔獣と契約できるか、といわれるとそれは無理だ。
卵や乳を採れるのは、何代にも渡ってその村や街で飼育され、そのことに適応して変化した種だからだ。だから野生で全く同じ魔物や魔獣は存在しないのだ。
そうなると、卵や乳を採れる魔物や魔獣にたまたま出会うことを期待しなければならない。
「はあ。でも、出会うったって大抵顔を合わせれば襲われるから、その魔物や魔獣の生態なんて調べられないんだよな……」
なんと言っても、この世界の生物は基本が雑食なので、顔を合わせて襲われないというのがほぼない。
それに集落を作って暮らす、ゴブリンやオーク、オーガなどは特殊で、獣型の魔物や魔獣は基本は家族単位で暮らすのが多い。しかも森では常に弱肉強食の世界なので、定住せずに森の中を移動しながら子育てもする。
だから生態調査なんて、出来るわけもない。
「なあ、アディー。卵、無精卵を産む鳥って知らないか?動物でも魔物でも魔獣でもいいんだけど。あ、出来たた大きさは俺が抱変えて持ち上げられるくらいので!」
それでもどうしても諦め切れないんだ!
『……ふう。鳥型は確かに卵を産むがな。それが無精卵だかどうだかなんて知らん』
「そうだよなぁ……。なあ、アディー。魔物や魔獣でも、卵を産む時は巣を作るよな?鳥が棲みつきやすい場所とかこの辺りにないのか?」
こうなったら有精卵でも、鳥の巣から拝借して来よう!使いたい時に卵がある方が重要だよな!
『……お前の世界ではどうだか知らないけどな。確かに卵は産むが、産んでもすぐに孵化するぞ。そしてすぐに飛ぶのが基本だ。巣なんて作ったら、いい餌にしかならんだろうが』
えええっ!何その生態系!いくら弱肉強食でも、そこまで極端なのか?
でも、言われてみればもう何年もこの森に住んでいるけど、鳥の巣や鳥の雛なんて見たことは一度もないな……。
そういえば鳥に限らず、爺さんの従魔たちの子供も、すぐに狩りを始めるって言ってたっけな。それが出来なければ生き残れないのだろうな。
野鼠のような多産型の動物などは、それ程生態系の違いはないのかも知れないが、それ以外は確実に自分の血を残す為に、弱さは極端になくしていったのだろう。
『……まあ、いくらお前が卵が採れれば何でもいいといったところで、どうせここでは動物は無理だし、魔物も話が通じないから面倒だろう。だから探すなら魔獣のみだな』
「やっぱりそうなるのか……。はあ。爺さんだけじゃどれ程まだかかりそうか分からないし、そろそろあちこち回りながら探すしかないかな」
そう簡単に出会えるものでもないだろうけど、アディーはとても冷静だし、そこら辺の魔獣など片手間で倒せる余裕がある。
だからあちこち回ってアディーに探して貰えば、どこかで一族で暮らすような種族に出会える可能性は捨てきれない。
『まあ、無理だと思うが周囲を回る時は気にかけておいてやる』
「ありがとう、アディー!」
死の森は奥に火竜が住んでいるからか、ここに住む鳥型の魔物や魔獣は大型か森の中を飛ぶ小型と極端に別れる。それもこの辺りで巣を見かけない原因の一つかもしれない。
そういえば、いつだったか一度ダチョウのような、飛ばない鳥型の魔物に襲撃されたことが会ったな。ああいう種族で卵をたくさん産む魔獣が、いたらいいんだけどな……。
ダチョウの卵はでかいけど、食べられるしな……。
思わずダチョウの卵を使った大きなオムレツを思い浮かべて、ごくりと唾をのみ込んだ。
「あちこち定期的に出かけて卵も乳も買って来ているから、爺さんも必死で探してくれてはいるから、俺と手分けして探せば、契約してくれる相手もきっと見つかるよな!」
ミランの森のリアーナさん、そしてミアさんの家の食堂、そしてエリダナの街へと、今では二、三か月に一度のペースで通っている。その度にキーリエフさんの屋敷の食糧庫はゼラスさんの執念で持って充実しているが、やはり卵と乳は飼育している村や街に援助を申し出るくらいしか出来ないそうだ。
小麦を蒔くまでもう少し時間があるし。とりあえずオウル村の方の畑へ行った帰りは、スノーに遠回りして貰いながら見て回ろう。この近辺には居ないとは思うけど、後は狩りの時にアディーに注意して貰うしかないかな。
『あ、アリト!そろそろ狩りに行きたいの!』
「お、スノー。丁度いい。今日は、いつもと違う場所へ行かないか?ただ、気配を消して、鳥の巣を探しながら行きたいんだ」
アディーの言葉の感じだと、巣を作っている鳥はほぼいないだろうけど、それでも万が一があるしな。子供の姿を発見できるだけでも、生態の調査にはなるだろうし。
『鳥を探すの?うーん、いいよ!ざざって風で獲物を倒したいけど、アリトが探したいならスノーも頑張って探すの!』
「ありがとう、スノー。卵を産んでくれる鳥を仲間にしたいんだ。仲間になったら、スノーが一番おねえちゃんだからよろしくな?」
『うん!私、おねえちゃんだから仲間を守るの!アリトのことも、ティンファもレラルもリアンもイリンも守るの!』
そう言って頭をすり寄せて来たスノーの頭を優しく撫でてもふもふした。
よし!今夜はもう一度爺さんと相談して。卵と乳を手に入れよう!作戦発動だ!
******
なんだか説明回になってしまいました……
一応、探すのがどれだけ大変なのか分かって貰えたかと思います。
しかし、ネタが食べ物ですね(笑)暑さが和らいできて、食べられるようになって来たからでしょうか?(笑)
書籍の完結編の5巻が、19日から出荷されます!
(発売日は連休中から連休後となるかと思います)
主な各サイトさんでも予約が始まりました!
書店さんでも、5巻ともなると並ぶのかまたまた不安になるので…(ビクビク)
良かったら予約などしていただけたら嬉しいです!!
どうぞよろしくお願いいたします<(_ _)>
次は19日か20日に更新します(続きですね)
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1巻から5巻(完結)発売中です。文庫化も始まりました!3巻3/8日発売です!無事に完結巻を刊行できたこと、お礼申し上げます。ありがとうございました!また寺田イサザ先生による、コミカライズ版の3巻まで好評発売中です!どうぞよろしくお願いいたします。
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