理想メガネ男子と子猫

カナデ

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にゃん 9 子猫は繋がれる *

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***R表現が(がっつり?)入ります。苦手の方はご注意下さい。次回もR回となってます。***



  ◆◇◆◇ 晃 side


「ねえ、綾乃は俺のメガネ掛けてない顔でも好き?」
「は?」
「綾乃。俺は綾乃のことが」

「好き、だ」


 好き。

 その感情を異性に抱いたのは綾乃が初めてだった。
 物心つく前から近くの異性は母と近所の同じ年の幼馴染の母たちと和樹の姉の千夏だけだった。この人たちはそれこそ自分が産まれたばかりで記憶もない頃から見られていたから、自分が乳児から幼児、そして児童と呼ばれる年齢へと移り変わっても、どれだけ周囲から顔立ちがいいと言われても態度が変わる訳もなかった。普通に自分を子供として扱ってくれた異性は今の年齢になるまでもこの人たちだけだ。

 保育園、幼稚園、そして小学校と学年が上がるにつれて周囲の異性の態度はひどくなった。幼馴染以外の男たちに言わせると贅沢だの気に食わないだの言われるだけだったが、はっきり言って顔だけで寄って来ては自分が何も反応を示さないとなると責め立てる。そして纏わりついて、勝手に周囲で俺を巡って争いを引き起こす。そんな異性は自分にとって無駄で邪魔なだけだった。
 だから素顔のままで仕方なく過ごした中学校までですっかり女嫌いになったのも仕方のないことだと恭介と和樹は言っているくらいに、いつでも異性のせいで俺の周囲はひどい状態だった。
 まあ俺が恭介や和樹のように適当にあしらえる性格だったら違ったのかもしれないが。まあ一緒に育ったのに無理なのだから無理ってことだ。

 高校になって義務教育も終わりということで、今のように前髪を伸ばして顔を隠し、度の入ってない太い黒縁メガネをかけて顔を隠すようになった。
 まあ幼馴染達から離れてまで県外の学校まで進学する程人間関係に希望が持てなかった為に、県下で一番の進学校ということで少しは遠くの学校にはなったが地元の高校に進んだから、顔を隠しても素顔が知られていない訳ではなかった。が、まあ、中学までよりはまだましにはなった。明らかに人間関係を全て拒絶したのが良かったんだろう。
 それで良いと言うからダメなんだ、って恭介には言われたけどな。変わろうとは思えなかったのだから仕方ない。

 だからそのまま東京の大学に幼馴染たちと進学し(大学まで同じだったのはまあ国立大学だったのが理由なだけで、学部は3人別だ)、環境が変わってもやはり社会に出て人間関係を築くことに異性への嫌悪感以上に魅力を感じることが出来ずに、就職する理由が生活する為の金銭の為だというのなら家でももう十分以上の金銭を得る手段を大学に入る前には確立していた自分にはその理由もなく、親も諦めて反対もしなかったことから独り自宅でモニターを睨む生活を躊躇うことなく選択して今に至るのだ。

 そう。まだ世間では今の年齢を考えれば十分に若いと言われる年だが、もうほぼ諦めていたのだ。自分自身も、本当は一人息子な訳だから望みたいだろうに親でさえ自分の息子は一生独身だろう、と。それ程異性への嫌悪感は凄かったのだ。
 大学では議論を女性相手にしたこともあったけれど、それでも議論以外の会話をしたいと思ったことなどなかったのだから。
 それなのに。

 そう、それなのに。あんな場所で、あんな出会いだったのに。
 綾乃はあっさりと俺の心に入って来たのだ。そう、異性というカテゴリーからちゃんと一人の人間として。女性としてさえ。
 そして近くに居たい、と思えた。
 幼馴染達には面白がられたが、一番驚いたのは自分自身だったのだ。綾乃とは一度では終わらせたくない、と自然と思えたのだから。

 それでも異性をずっと拒絶しすぎていたから、自分の気持ちを自分で確認する為に計画を立てた。一つでも希望した通りにいかなかったら終わりにしよう、と。そんな気持ちで計画を練ったのに、なぜか綾乃が全てに対して自分の思う通りに返してくれることを疑いはしていなかった時点で、多分もう結果は出ていたのだろうが。

 だから。この『好き』の言葉は自分では一生言うことはないだろうと諦めていた言葉だった。だから。

「好きだ、綾乃」

 この言葉を言う相手は一生にただ一人だけだ。そうもう自分で決めていたから。綾乃の返事を待つこともなく、言葉と同時に綾乃の頬を引き寄せて、そっと唇に口づけを落とした。

 自分からするのは初めての口づけ。
 その唇の柔らかさと、そして味わった甘さに衝動のまま更に唇を寄せていた。

「やっぱりメガネはキスするのには邪魔だな。ねえ、綾乃。素顔の俺は嫌い?」


  ◇◆◇◆◇ 綾乃 side


 え?…え?

 言われても、言われた言葉を認識することが出来なかった。ただ唖然と口も目も見開いて、ポカンという言葉の表現ピッタリの表情だろうな、と。ただ他人事のように頭の片隅で突っ込んでいる自分もいた。
 ただでさえ今なんで自分がこんな場所に居るのかさえも認識できずに頭が真っ白だったのに。

 え?ええ?…こ、ここは晃さんの部屋で?何故かお姫様だっこされて?それで?

 連れてこられたのが何故かベッドルームで?で?

「好きだ、綾乃」

 ふ、ふわぁああああああああああっ!!

 逃避した思考を許さない、とばかりにダメ押しにまた言われて。つい。そう、つい。晃さんが何を言ったのかを理解してしまった。
 そう。理解、出来た。晃さんが言った言葉、は。でも。

 はあああああああぁあああああっ!な、なんでっ?なんで晃さんがっっ?えええええっ?!

 でも感情は理解出来るなんてことはなくて。また更に今の自分の状況が分からなくなって。
 で。で、ですね。今なんか唇に柔らかいものが当たっているような?よ、ような?これは…。
 ポカンと見開いたすぐ目の前には、もうイケメン過ぎる、過ぎる!美形で美形なそれは美しい整った顔。

 あ、アップ過ぎると顔の詳細は逆に見えないから美形ってそんなに意識しなくなる?

 とかまた停止した意識の片隅で考えていたら、離れて行った唇が、更に戻って来てまた唇に柔らかな、それでいて熱い感触が…。
 チュッ。

 離れた拍子に出た音に煽られるように、たった今自分に起きたことを認識する。
 こ、こここここれって…。キ、キキキキス?キス、だよ、ね?今晃さんにキス、され、た?

「やっぱりメガネはキスするのには邪魔だな。ねえ、綾乃。素顔の俺は嫌い?」
 ほえ?嫌い?メガネ?メガネ男子は好きで大好物ですが。でも。

「メ、メガネがあってもなくても晃さんは晃さんなんで?」
 なんかこんな会話前もしたんじゃなかったかな?とかうっかりそっちのことに気を取られて、逃避したまま今の自分の状況を頭からすっ飛ばしてしまった。

「良かった。じゃあメガネを外して気を使わないで好きなだけ綾乃にキス出来る」
「はあ?」
 だから何をされても咄嗟に反応出来るだけの思考回路が残されている筈もなく。

 カチャン。ボスン。

「!!」
 ちなみにカチャンが晃さんがメガネを外してサイドボードに放り投げた音で。ボスン、というのが。

「んんんんんんっっ!」
 晃さんに私がっっ!ベッドに押し倒された音、で。

 ほええええええっっ!うわっ、何でっ!何で押し倒されてっ!晃さんにまた、キ、キス、されてるのっ!

「綾乃っ」
 体がベッドへと倒れても晃さんとの距離は変わらず。そのままのしかかられて唇を押し付けられて。最初はただ重なるだけの口づけが、何度も角度が変わる度にどんどん深くなっていく。
 上唇をなめられ、下唇を食まれる。その感触に思わず開いた唇の隙間からするっと舌が入って来た。

「うぅんっ」

 くちゅっという音とともに晃さんの舌が自分の舌とからまり、口内のあちこちを舌で撫でられ、なめられ、唾液が混ざり合い唇から溢れる。
「ふぅんっ。…んぁっ」
 息が苦しくて唇の間から漏れるたびに零れる声の含む甘さに、自分の声だとは思えず他人事のように聞いていた。

 あまりの苦しさに意識が朦朧としてきた頃、ようやく口づけが解かれてあえぐように空気を貪る。
 ただ茫然と呼吸を繰り返しているうちに今度は首筋に触れる唇から甘い痺れが広がって、じぃんと下腹に響いてうずくような熱がこもる。

「い、いや…。な、何?」
「…かわいい、綾乃」
 んんんんっ!呆けた頭にまた濃厚な口づけが更に考える力を奪って行って。

「はぁあんっ。…ん、んんっ」

 気が付いた時にはボレロとワンピースは脱がされて、その下のブラジャーもすでに取り去られ、晃さんの手に自分の一応Dカップな胸がもみしだかれながらその先端分に吸い付かれていた。

「ひぃっ。あ、ふぁぁあっ、んんんっ」
 ピチャ、チュウっていう何の音か考えるだけで羞恥で死ねそうになるくらい恥ずかしいのに、体はその刺激にただ甘い痺れをもたらし、口からは自分の声とは思えない濡れた声が…。

「ってうわぁっっ!あ、あ、晃さんっっ!な、何、何やっているんですかっっ!」

 体を這う晃の手が残されたたった1枚、最後の砦の下着に手がかかった処でふっと我に返って、自分の体の上の体を押しのけようと腕で晃の体を押した。
 全力で抵抗してるつもりなのに、全然動くこともなく、逆にまた顔が近づいて来て深いキスをされる。

「ふぅんん、んんんんんっっ!」
 入って来た舌から逃げるよう舌を引っ込め、せめてもの抵抗で晃の髪を引っ張った。
「あ、晃さんっ、な、なんでっこんなことっ」

「ん?勿論綾乃のことが好きだからだよ。綾乃も俺のこと好きだろ?」

「へ?ええええっと」
「俺の顔、嫌い?」
「え?い、いや、嫌いじゃ」
「じゃあイヤだった?キスされて、こんなことされるの」
 チュッと唇にキスをされて、手が胸をもんで更に乳首にチュウっと吸い付かれた。

「きゃあっ、ちょ、ちょっと」
「ね、イヤ?俺にこうされて。気持ち悪い?嫌悪感がある?」
 え?気持ち…悪くはない。嫌悪感も、ない?

「ないでしょ?綾乃は自分の気持ちに鈍そうだから待ってたらいつになるやら、だから自覚させることにしただけだから」
「へ?な、何?」
 鈍い?自覚?

 ふにゃああ?何?何?いやいやいやっ、確かに晃さんのことは嫌い、じゃない、よ。今日の呼び出しだって、そ、そりゃあ好き、かも?って思いながらも来ちゃった、し?
 でも、でもでもでもっ!これで私が好き、って認めたら…。

「ね?絶対気持ちを認めたって色々考えすぎちゃうでしょ、綾乃は。だから。一気に進めることにしたから。ね、俺は綾乃が好きだし、綾乃も俺のことが好き。ほら、何も問題ない。綾乃はただ俺を感じてればいい」
 へ?晃さんが私のことを好き、で?あ、さっき告白されったけ?で、私も晃さんのことが好き、で?そうなると、そうなる、と?

「ね、綾乃。俺はずっと一人で生きて行くつもりだったんだ。それなのに綾乃が俺の中に入り込んで来た。だから責任取ってくれないと」
 もう綾乃のことは放さないから。

「ふ、あぁああああんっ」
 思考が固まって動けなかった隙に気が付くと最後の下着はすでになくて、上半身裸になった晃さんが覆いかぶさって胸に吸い付き、片手でもう片方の胸へと、そしてもう片方の手が誰にも触らせたことのない割れ目へと這っていた。
「ほら、ちゃんと体は受け入れて濡れてる…」
 その晃さんの指が立てるぬるっとした感触とかすかなくちゅっという水音に気づいてしまった。

 ふにゃあああぁあああんっ!いやいやいやっ!だって、えっ、晃さんにキスされても触られても嫌悪感なんてないから、確かに晃さんのことは私も好きなのかもしれないけどっ!いや、でも、でもつ、付き合う?っていうか恋人っ?ってとこでもえええええって感じで止まっていたんだけどっっ!

「いやっ、いや、ですっ!ちょ、ちょっと待って下さい、晃さんっっ!」
「ん?待ったら綾乃はまた最初から考え直して思考停止するだけだろ。いいから感じてて。それが答えだから」
 は?答え?え?何の?

「ひゃあっっっ!」
 ビクンっと文字通り痺れて飛び上がるのを感じる。続けられた刺激で更に体が跳ねる。
「ひぃっ、い、いやっ、何っっ」
「ここ、誰でも感じるとこだから。そうやって気持ちよくなってて」
 割れ目の上の花芯を濡れた指でくりくりといじられただけでそこから今まで感じたことがない体が反応していた。いじられる度に体が跳ね、そしてそこから痺れが湧き上がって来る。

 え?こ、これが気持ちいい、ってこと、なの?
 体の奥が痺れて下腹が熱くなって、一気に溢れていじる晃の指を濡らしたのが分かって、停止した思考の一部で恥ずかしさにいたたまれなくなる。
「ただ感じてて」
 気が付いた時には乳首をいじっていた晃の唇も身体の上を下へと辿り、大きく開かれた両足の間にまで下がっていた。

 ぴちゃり。という今までとは違う水音ともたらされた刺激に思わず下を向いてしまって、見えたものに一気に快感にマヒしていた意識が一瞬で戻った。
「いやあああぁっ!そ、そんなとこ見ないでっ」
「しっかりほぐさないと痛いから。いや、じゃなくイイ、って言って」

 いつの間にか自分の両足は晃の肩の上に掛けられ、両足の間には晃の顔があって、普段は晒されることのない割れ目に隠されていた花芯を晃の下で転がされ、そして今まで何も入ったことのない濡れそぼった蜜壺の入り口を晃の指でなぞられていた。

「ひっ、あ、…あぁあんっっ」
 嫌だ、ダメだと思うのに、そこから湧き上がる快感の前に屈して、ただ晃のされるがままになってしまう。
「い、いやっ」
 そしてついに晃の指が内部に差し込まれ、その違和感にビクンっと体が跳ねる。

「まだ1本だから痛くないだろう?」
 ゆっくりと抜き差しされる指の感触に、ぞわぞわと背筋を駆け上がる感覚に体がびくびくと震える。
「…大丈夫そうだ。増やすよ」
 え?何を?と呆然とした頭で考えるよりも早く、下部を襲う違和感が増える。
「痛くはなさそうだね」
 確かに痛みはなかった。ただ、内部を押し上げる異物感が広がり、そして内部をえぐる感覚が強くなる。抜き差しされ、そしてバラバラに内部を探られて。わけがわからないままに、ただ体だけは与えられる感覚に敏感に反応する。
「…溢れてきた」

「ひ、いやっ、いやぁっっ、や、やめてっ」
 ずずっという音とぴちゃっという水音が、蜜壺を這う晃の舌によってもたらされている音だと分かると、あまりの恥ずかしさに肩に担がれた足で抵抗しようとしても晃の手に阻まれて、ただ晃の舌があらぬ場所を抜き差しする感覚に狂いそうになるくらいに感じてしまっていた。

 ただ、舌とともに抜き差しされていた指が、内部のある部分に触れた時、花芯をいじられた時のように強い感覚に体が飛び上がっていた。

「ひいっ、いあぁあああんっっ!」
「ああ、ここが綾乃のいいとこだね。とりあえず一回イッて、綾乃」
 イク?イクって?
 そんな疑問を感じる暇もなく、連続して飛び跳ねた場所を強くこすられて、気が付いたら頭が真っ白になっていた。

*****
次話から書きます(ここまでは手直ししただけです)…ムーンライトだったので。。。
この続きを書くのか!と思いながらアルファポリスさんではいいのか迷いつつ一応多分2話で完結になるので
頑張って書こうと思います…。ちょっとお待ち下さいです。
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