僕の秘密 彼女の不思議

三五八11

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流れる時、流される人、流れを作る影

母親と娘

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弾丸はオクト貫いた
眉間の真ん中を・・
オクトは崩れなかった
自分でも驚いた。
「あれ?俺、今、撃たれた、よね?」
と少し片言になった。
言葉がスラスラと出てこない。
その代わりではないが
歩みは止まらなかった。
「なんだこいつ。ゾンビじゃねぇか!」
ドサッ
後退りする足が縺れる出雲が
後ろに倒れそうになりつつもこらえた。
しかし、人が倒れる音が後ろから聞こえた。
オクトは振り向く。
「カンナ~」葉月の叫び声が響く
長官も歩み寄ってきた。
初めて動いた。
とこんな時でもオクトの頭は冷静だった。
いや、この直前までは
オクトの眉間を貫いた弾丸が
カンナのコメカミをかすめていた。。。
当然血も流れている
葉月、長官、そしてオクト
さらに出雲も
カンナを中心に
この部屋にいる全員が集合する形になった。
なぜか出雲もいた。泣いている…
しかし、カンナの声で聞こえた言葉は
「葉月さん、痛い。。。
 これって私治るよね?」
「冷静に判断しよう。
 今からすぐに病院にいけば
 なんとか助かるかもしれない
 しかし、私たちの体については
 わからない事が多すぎるから
 はっきりと大丈夫とは、私は言えない」
弱弱しく噴き出すカンナ
「こんな時でも冷静なんだね、葉月さんは」
・・・・誰もしゃべらない。カンナの話の続きを待っている。
「オクト、いるよね?
 オクトの病気を私にもらうこととかできな
ガーン もう一度銃声がなった
今度はカンナを狙ってカンナを撃った、出雲が
「なんで俺を先に呼ばないんだよ
 葉月さんの道場で仲良くしてあげただろ」
泣きながらも照準があってしまう。
訓練されすぎていた。
「覚えてないよ、あんたなんか・・・
 何してくれてんだよ。葉月さん
「これで致死率は確実に上がった。
 間違いない」と葉月は聞かれる前にカンナに答えた
 もう、ホントに冷静だね。
 こんな時でも。普通なら何歳だよ!」
「お前こそこんな時によくそんな冗談がでるな」
葉月が泣いている。オクトは驚いた。と同時に
この状況がやはりカンナの命の危機とはっきりと
全身を包んでいくのを感じていた。
汗が全身から噴き出す。。。
「俺の血を混ぜましょう!」
混ざるわけがないわかっているが
すでにふさがった眉間の傷を
もう一度広げようと書き毟る。
無理だ!と判断すると
出雲から銃を奪い取ろうと駆け寄るが、出雲も離さない。
母である長官は、内線で特殊救急班を呼ぶ。カンナ達やオクトの病気は、謎が多い為、常駐の特殊救急班がいる。
研究兼だが、研究対象に何かあれば、研究が大きくすすむ可能性もあるので、対応の速さは、全世界でみても、トップクラスだと、母である長官は自負していた。
そして、さすがである。どのようなルートを辿ったのか、2分もしない間に到着した。
後からわかったのだが、すでに近くの部屋で待機していたらしい。長官も研究対象である為、あの部屋は監視されていた。だが、長官命令なしで入るのは、長官が意識不明な場合のみなので、連絡が来るまで待機していたらしい。
少し離れた部屋に、緊急対応出来るように、少しだか医療設備を備えた部屋を持っていて、そこで待機していたが、何分その部屋に直通の内線はないので、部屋を出るまでにが少し時間がかかったのと、待機している部屋から長官室までも、普段気にさせない為に少し離れていたので、到着に少し時間がかかったようだ。駆けつけているときに一人が言った。
「だから俺はいつも隣の部屋がいい。
 扉一枚で繋ぐ方が良いって
 言ってたんだよ。
 カンナさんになんかあったら
 今後の研究どうなるんだよ」
心配しているのかどうかわからない発言
だが、命を守ろうとしているのは
間違いない。
退院はカンナを運び出すために、タンカに乗せた時、オクトと出雲が駆け寄る
「俺のために
『生きてくれ』はオクト
『死なないで』と出雲
同じ事を言っているのに
全く違う言葉に聞こえる
葉月は冷静に捉えていた。
はずなのに、オクトの声に反応した涙が
勝手に流れていた。自分で驚きすぎて
「貴様!」と何故かオクトの肩を引っ張り
カンナから引き剥がしてしまった。
この後カンナは長官を守って死ぬまで
ずっとこの事を後悔していた。
オクトに会う度に心の中で
「あの時は申し訳なかった」
と呟き、オクトが困らないように
表情に出さないようにしていた。
そして、人間は年齢を重ねると
いろいろ出来るようならなるのだな。
精神鍛錬もやはり必要だ。
と、考えていたらしい
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